Undergraduate

学部紹介

教育目標・ポリシー

Educational Goals and Policies

教育目標

⼤阪⼤学および理学部の教育⽬標を受け、学位プログラム「⽣物科学」では以下のとおり教育⽬標を定めます。⼤阪⼤学理学部「⽣物学科」は、1949年に、当時⼀般的であった動物学・植物学の区分にとらわれず、⽣命現象を物理学的、化学的に理解することを⽬標として設⽴されました。⾃然科学の⼀領域であった⽣物学は、今やライフサイエンスとして理学・医学・薬学・⼯学・農学等を軸に爆発的に発展しています。「⽣物科学科」は、これまでの⽣物学を継承しながら、⾃然科学、ライフサイエンスに関わる21世紀にふさわしい⼈材の育成を教育⽬標とします。

概要

Overview

ライフサイエンスは、21世紀の学問といわれ、医学・薬学・理学・⼯学・農学を軸にして爆発的に発展しています。理学の⼀つである⽣物学は地球上のさまざまな⽣き物が⽰す⽣命現象を研究する学問です。20世紀の⽣物学にはいくつもの⼤発⾒があり、学問としても科学技術としてもめざましい発展を遂げ、サイエンスの世界の中⼼を占めるまでになりました。⽣物科学という名称はこのことを意識したものです。⽣物科学は、これまでの⽣物学を継承しながら、21世紀にふさわしい⾃然科学の分野という意味を込めています。

生物科学科とは?

⼤阪⼤学の⽣物科学科は、旧来の「動物学」「植物学」の枠にとらわれない、⽣命現象の物理学・化学的理解を⽬標とした「⽣物学」として昭和24年に創⽴されました。時代を先取りした阪⼤⽣物学科は、多くの優れた⼈材を輩出しながら発展し、2019年に70周年を迎えました。21世紀に⼊って⽣物学はさらに新たな発展段階に ⼊りました。このような状況に呼応して、2005年に「⽣物科学科」へ名前を変更 しました。 ⽣物科学科で学ぶことにより、⾃然科学の研究者ばかりでなく、広くライフサイエンス全般、医薬や⾷品などの開発に関わる研究者・技術者、⽣物学教員等への様々な道が拓かれることになります。⽣き物の⽣きる仕組みに、なぜ?という素朴な疑問を持つ⼈から、⽣物科学を応⽤して社会に役⽴つことを開発したい⼈まで、卒業後の進路として発展する⽣物科学の様々な分野で活躍したいと考える⼈にとって、この学科は最も適したところです。学部生の希望者対象の、一ヶ月の海外の大学での語学研修もあります。

生物科学科の2つのコース

Two courses in the Department of Biological Sciences

生命科学を担う次世代の人材の育成を目指し、従来の 生物科学コースとは別 に生命理学コースがあります。生命理学コースは、物理学、化学、数学を充分学んで生命科学にアプローチするという教育プログラムです。大学入試は二つのコースに分けて実施されます。

生物科学コース

生き物の進化、発生、生命の基本的な単位である細胞のしくみを学ぶ細胞生物学、生き物を構成する分子であるDNAやタンパク質の構造や働きを学ぶ分子生物学・生化学を学ぶことができます。また、研究対象も微生物、植物、動物など幅広く学ぶことができます。こうした生物学の多くは実験科学です。そのため、このコースでは学部低学年から高学年に至るまで多くの実験科目が組まれています。このコースで目指すのは、現在の生物学を継承し発展させることができる人材の育成です。

生命理学コース

ライフサイエンスで重要となるのは、分野を超越した複合領域です。生物がなぜ(Why)、どう(How)生きているかという根本課題を解くためには、数学、物理、化学、生物学で解明されつつある膨大なデータを連携・集積させることが重要です。生命理学コースでは、ライフサイエンスの新分野を開拓する数学、物理、化学がわかる生物の研究者、もしくは、生命現象を理解できる化学、物理学、数学の研究者の育成を目指しています。
このコースは、入学後に進路(卒業研究を行う学科、次ページの図)を選択できるという特徴があります。そのために生物学に加えて幅広く基礎知識を学んでいく必要があります。したがって生物科学コースにくらべて物理・化学・数学の授業や実習科目がより多く設定されています。入学後の学習カリキュラムに対応するために、入試も物理と化学が必須となっています。

生物科学科が提供する専門教育科目(必修と選択を含む)

  • 1年次

    共通教育

    1年次には広い視野としっかりした基礎を身につける

  • 2年次

    専門科目

    2年次から専門科目が主体となる

  • 3年次

    専門科目

    3年次には専門の実験科目等を履修する

  • 4年次

    専門科目

    4年次には研究室で世界で初めての発見を目標にした卒業研究を行う

生物科学科卒業生の進路状況(過去3年)

  • 生物科学科卒業生の主な就職先

    伊藤軒/NOK/baton inc./エビソル/カーズ株式会社/フリービット/ウェザーニューズ/ENEOSオーシャン/三井住友銀行/住友生命保険/パナソニックホームズ不動産/アビームコンサルティング/日本アイ・ビー・エム/博報堂プロダクツ

  • 大学院修了者の主な就職先

    住化農業資材/レイズネクスト/島津製作所/武田薬品工業/アストラゼネカ/ダイセル/タカラバイオ/塩野義製薬/大阪ガスケミカル/住友ファーマ/大塚製薬/東洋濾紙/ハウス食品/マルハニチロ/わらべや日洋食品/山崎製パン/日清オイリオグループ/宝ホールディングス/コニカミノルタ/キオクシア/シスメックス/進工業/日産自動車/アカツキゲームス/日立システムズ/西日本旅客鉄道/ニトリホールディングス/住友商事/アクセンチュア/ワールドインテック/広島大学/理化学研究所/阪大微生物病研究会/新日本科学/株式会社アプラ/大阪大学/ベネッセコーポレーション

学生生活

2023年2月17-18日に行われた2022年度卒業研究発表会の優秀発表賞受賞者より、生物科学科の魅力、特徴、大変だったことなど、高校生に伝えるエッセイの寄稿がありました。

学位プログラム「生物科学」の
教育目標および各ポリシー

policies

授与する学位:学士(理学)

教育目標

大阪大学および理学部の教育目標を受け、学位プログラム「生物科学」では以下のとおり教育目標を定めます。大阪大学理学部「生物学科」は、1949年に、当時一般的であった動物学・植物学の区分にとらわれず、生命現象を物理学的、化学的に理解することを目標として設立されました。自然科学の一領域であった生物学は、今やライフサイエンスとして理学・医学・薬学・工学・農学等を軸に爆発的に発展しています。「生物科学科」は、これまでの生物学を継承しながら、自然科学、ライフサイエンスに関わる21世紀にふさわしい人材の育成を教育目標とします。

高度な専門性と深い学識

生物科学分野の研究やその成果を理解するために、基礎概念から各専門分野の知識までを身につける教育を行います。その教育課程で、自らが生物科学分野の研究に取り組むために必要な、科学的思考力と基本的な方法論を修得した人材を育てることを目標とします。

教養

多様でありながら共通の原理を内包する生命の特徴を踏まえた教育を行うとともに、幅広い自然科学の素養を涵養し、生命現象に対する鋭い直感力、深い洞察力を養う教育を目指します。

国際性

大学・公的機関・企業等での研究職・技術開発職・教育職として、様々な分野で国際的に貢献できる人材を育てることを目標とします。

デザイン力

幅広い自然科学の素養を身につけ、科学的思考力と基本的な方法論を修得することにより、生命現象に対する様々な疑問や好奇心を新たな課題の発見に結びつけ、その解決のために分野の枠を超えて協働できる人材を育てます。

独自の学習目標

生物科学科には2つのコースがあります。生物科学コースは、既存の生物科学を継承、発展させて未知の生命現象にアプローチできる人材の育成を目指します。生命理学コースは、生物科学のみならず、数学、物理学、あるいは化学の素養を兼ね備え、ライフサイエンスの新規境界分野、融合分野において活躍できる人材の育成を目指します。

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

大阪大学および理学部のディプロマ・ポリシーを受け、学位プログラム「生物科学」では、生物科学科の創設理念「生物科学および他分野との新規境界領域を開拓する」という精神を受け継ぎ、生物科学科の提供する科目構成に従って下記のような能力を身につけたと認められる学生に学位「学士(理学)」を授与します。

高度な専門性と深い学識

  • 各専門分野における基礎から高度な知識を持ち、その分野の研究内容の本質を理解できる能力を身につけています。
  • 各専門分野における知識および基本的な方法論を基盤とした研究の実践方法を身につけています。

教養

  • 自然科学全般にわたる広い素養と、物事を評価できる教養を身につけています。
  • 生物科学分野に限らず、異分野の人ともコミュニケーションができる教養を身につけています。

国際性

  • 海外の研究者の研究成果を理解することができる語学力を身につけています。
  • グローバル化社会に貢献できるコミュニケーション力を身につけています。

デザイン力

  • 自ら行った研究の内容を整理し、発表する能力を身につけています。
  • 身につけた知識や方法論を応用・実践する力を身につけています。

独自の学習目標

  • 生物科学コース修了者は、現在の生物科学を継承、発展させて未知の生命現象にアプローチできる能力を身につけています。
  • 生命理学コース修了者は、生物科学のみならず、数学、物理学、あるいは化学の素養を兼ね備え、ライフサイエンスの新規境界分野、融合分野において活躍できる能力を身につけています。
  • オナープログラムの修了者は、特に深い生物科学の素養と高い実践的能力を身につけています。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

大阪大学および理学部のカリキュラム・ポリシーを受け、学位プログラム「生物科学」では、異分野の人ともコミュニケーションできる教養、自然科学全般にわたる素養、および専門分野における基礎から高度な専門知識と実践的能力とを身につけるため、以下に説明する教養教育系科目、国際性涵養教育系科目、専門教育系科目からなるカリキュラムを履修し、厳格な学修成果の評価方法により単位を認定します。

特に、国内外の最先端の研究内容を理解する能力を修得する演習科目、研究の実践方法を修得する実習科目に重点を置いています。また、4年次に各研究室に配属され、教員の指導のもとに取り組む卒業研究は最重要科目であり、卒業研究発表は、生物科学科のディプロマ・ポリシーに沿った能力を身につけていることを最終的に判定する卒業試験と位置づけられます。

教育課程編成の考え方

教養教育系科目
自然科学全般の俯瞰性や異分野の人ともコミュニケーションができる学際性を身につけるために、教養教育系科目を主として1年次に履修します。また、専門の知識がある程度身についた段階で異分野の教養をさらに深め、物事を評価する力を身につけるために高年次にも高度教養教育科目を履修します。
国際性涵養教育系科目
グローバル化社会に貢献できる語学力と国際性を身につけるために、1年次~2年次前半までに語学を中心とする国際性涵養教育系科目を履修します。また、より専門的な内容を理解するための語学力・表現力・コミュニケーション力を身につけるために、高年次にも高度国際性涵養教育系科目を履修します。
専門教育系科目
数学・物理学・化学・生物科学・地学などの自然科学全般の広い素養を身につけるための専門基礎教育科目を低学年で履修したのちに、各学科の専門教育系科目を履修し、各専門分野における基礎から高度な専門性と深い学識を修得します。これにより、その分野の研究内容の本質を理解できる能力、さらにはその能力を基盤とした研究の実践能力を身につけます。
卒業研究(特別研究)
4年次には、研究室等に配属して、教員の個別指導のもとに卒業研究を行い、より進んだ研究に対する実践的な方法を身につけるとともに、修得した自然科学の知識を応用・実践する能力、自ら行った研究の内容を整理し、発表する能力(デザイン力)を身につけます。また、意欲のある学生は低学年より「オナーセミナー」を履修して、それらの能力を磨きます。これにより、現在の生物科学を発展させて未知の生命現象にアプローチできる能力を身につけます。

学修内容及び学修方法

各専門分野の基礎から高度にわたる内容を系統的に履修できるカリキュラムに従って学修します。特に、専門知識を表面上概観するだけでなく、その知識の本質を理解するために、実験、演習、実習科目を多く取り入れ、講義科目で得た知識を基盤に、実践および応用する能力を身につけるカリキュラムとなっています。
1年次~2年次前半では、教養教育系科目、国際性涵養教育系科目と並行して、専門基礎教育系科目の講義・基礎実験科目を履修します。

低年次専門教育科目として、演習、フィールドで行う実習を履修します。

高年次において、高度教養教育科目として、他学科、他学部開講の科目を履修します。また、高度国際性涵養教育系科目を履修します。

生物科学コース

2年次後半~3年次では、生物科学各分野の講義科目の履修と並行して、演習科目において、研究成果を英語で理解し、その内容を発表する能力(デザイン力)を身につけます。また、実験科目において、生物科学分野の基本的な方法論を修得します。

4年次では、生物科学科において卒業研究に取り組みます。

生命理学コース

2年次より、各自の進路希望に従って、生物科学コース開講科目に加えて他学科の専門教育科目を履修することにより、各分野の素養を身につけ、研究を行うための能力を修得します。

4年次では、数学科、物理学科、化学科、生物科学科のいずれかにおいて卒業研究に取り組みます。

学修成果の評価方法

学修の成果は、シラバスに記載されている方法に従い、各科目の学習目標の達成度について、試験の結果、レポートや論文の内容、授業への参加状況等、科目に応じた評価方法によって厳格に評価します。

カリキュラムマップ|生物科学コース

カリキュラムマップ|生命理学コース

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