「クロロフィルタンパク質複合体:膜タンパク質の精製法とタンパク質・色素・キノンの分析法を中心に」
高橋裕一郎(岡山大学大学院自然科学研究科)
光合成反応において、クロロフィルタンパク質複合体は、光を捕集しそれを酸化還元エネルギーへ変換する役割を担っている。クロロフィルタンパク質複合体はチラコイド膜に埋め込まれた状態で存在するため、界面活性剤で可溶化してから精製しなければならない。また、多数のタンパク質サブユニットとコファクターを結合する複雑な構造をもつ。クロロフィルタンパク質の生化学的解析が本格的に行われるようになったのは40年以上も前であるが、未だに解析が活発に進められている。その理由の一つは、その精製や分析には特別な手法が必要であるためで、様々な試薬や分析法の発展に伴い新たな知見が未だに数多く報告されている。ここでは、私たちの研究室で用いているタンパクサブユニット組成やキノンや光合成色素の分析法を、生化学を専門としない方にも理解しやすいように解説したい。
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