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活動模様

日々の教育・研究の活動模様を気の向くままに記しているページです。大学において教育・研究に携わることのできる人生は、本当に幸せだと思っています。しかし個人への評価や競争などは年々、厳しくなりつつあるのが現実であり、当然ながら時にはつらいこともあります。それでもこのページでは、イベント、学会参加、研究成果などを楽しく記録していきたいと考えています。

2023年

2023年6月24日-25日 第30回「光合成セミナー2023:反応中心と色素系の多様性」を開催(名古屋工業大学)

光合成学会に引き続き、同じく4年ぶりに「光合成セミナー」を対面にて開催しました。本年の会場は名古屋工業大学で、出羽毅久先生に世話役として準備していただき、学生3名と一緒に参加、発表してきました。学生主体の勉強会なのでやはり対面開催でないとしっかりと勉強し、また議論できないということを痛感した次第です。共同研究者として発表してくれた小島理沙さん(立命館大学)が三室賞を受賞されました。

鶴丸公園 名古屋工業大学 受賞風景
鶴丸公園 名古屋工業大学 受賞風景

2023年6月3日-4日 光合成学会に参加(名古屋大学野依会館)

実に4年ぶりに対面で開催された光合成学会に参加、発表してきました。季節外れの台風下、交通網も大混乱。開催時間は2時間遅れでスタートしたものの、土曜日午前中は新幹線運休。JR名古屋駅は人混みで大変な状況でした。私自身、春の植物生理学会はちょうど海外出張で対面参加できなかったので、大変満足した対面での講演会&ポスターセッションでした。1日目は夜10時前に終了し、伊藤先生を名古屋駅まで見送った後、栄駅・グリーンホテル近くのラーメン屋で深夜の食事。素朴な美味しさのチャンポン麺でした。缶ビールで疲れを癒やして。。。

JR名古屋駅_1 JR名古屋駅_2 チャンポン麺
JR名古屋駅_1 JR名古屋駅_2 チャンポン麺

2022年

コロナ禍で「活動模様」はお休みした一年間でした。

2021年

2021年11月25日-27日 第59回生物物理学会(オンライン開催)

昨年と同様に、オンラインで開催されました(本来なら仙台国際センターにて開催予定でした)。唯一異なるのはポスター発表がなくなり、シンポジウムと一般発表による口頭発表のみになったこと。発表は全て事前に録画されていますので、遅延なくほぼ時間通りに進行。今回は博士課程の岸本拓君に頑張って一般発表に登録してもらいました。オンラインは遠くに出かけなくても便利なんですが、忙しい時にはついつい他の仕事もしながら視聴することになりがちです。でもモニター越しでスライドを見るので、慣れればオンラインは発表も非常に理解しやすくて便利です。来年はどうなるんでしょうかね、、、

WEB画面 口頭発表画面1 口頭発表画面2
WEB画面 口頭発表画面1 口頭発表画面2

2021年3月14日-16日 第62回植物生理学会(オンライン開催)

 昨年の植物生理学会はコロナ禍での緊急事態宣言を受けて中止になりましたが、今年はオンラインで開催されました。本来なら島根大学で開催ということで、実のところオンサイトでの開催を非常に楽しみにしていただけに残念でした。島根は日本酒も美味しく、温泉もあるということで、、、、。まぁ、ZOOMも慣れれば楽しいもので、会場だと少々見にくいスライド図や文字でもくっきりと見えて集中できるのがよいですね。前日に開催された光合成細菌ワークショップも今年で第6回目。私にとっては、本会議よりもこちらのワークショップの方が楽しくなりました。終了後のオンライン懇親会でも時間をたっぷり使い、ディスカッションできました。お酒なしで、ただひたすらしゃべっていたのですが。。。3時間、、、疲れました(笑)。14日からの本会議も効率よく時間配分することができ、充実した3日間でした。

WEB画面 検索画面 ポスター発表画面
WEB画面 検索画面 ポスター発表画面

2021年3月1日-2日 「新光合成」領域会議

 4年間お世話になった新学術領域「新光合成」の最後の領域会議がZOOMオンラインで開催されました。先月は期末テスト、レポート採点、修士・博士発表会に向けた準備、そして最終週の週末は国公立大学の最大のイベント(二次試験)で多忙を極め、あまり準備ができずに臨んでしまいました。直前にデスクトップPC(iMAC)を新調していて、本当はもう少しオンラインで問題なく使用できることを確認しておくべきでした。字幕が出てしまうというハプニングもあり、どうしようもなく焦ってしまいました(反省)。後で確認したところ、パワーポイントのバージョンが新しくなってしまい、字幕のボタンが設定のところに追加されているのに気づきました。二日間の日程の会議はみっちりと勉強もさせてもらい、いろいろと触発も受けました。前期2年間と後期2年間、研究費も支援してもらうことができ、大満足、大感謝の領域会議でした。あとは宿題の論文投稿。2報はまとめたいと考えているところです。

発表画面1 発表画面2
発表画面1 発表画面2

2021年2月24日 梅の季節と送別会

 異常寒波と豪雪の続いた冬もようやく終わりを告げ、暖かな日差しの日が続いています。昨年(2020年)はコロナ禍で記録に値するようなイベントもなく(本当はいろんなことがあったはずなのですが)、たった一回の更新のみだったことを反省し、今年(2021年)は何気ない日常の出来事も記録していこうと思っています。2月末は暖かな日も続き、大学のキャンパス内にある梅林もきれいな白い花を咲かせました。午後からは専門実習や同窓会関連でお世話になったS先生が転出されるということで、送別会がありました。ビールなどの飲み物や軽食も一切ない歓談の一時でしたが、こうい些細な日常風景って、本当は幸せなことと思います。ベンチャー企業に転出されるとのこと、新天地での活躍をお祈りします。

キャンパス内の梅林 送別会
キャンパス内の梅林 送別会

2020年

2020年12月21日 本年最後の研究室セミナー

 2020年は何もイベント写真が残らない年となってしまいました。今年1月末頃に、ちょっと変な風邪・肺炎を引き起こすウィルスが流行り始めているとのニュースを小耳にはさんだものの、まさか世界中がコロナ禍で大騒ぎになるとは思いもよりませんでした。春〜夏頃の学会はすべて中止、秋頃〜年末はオンラインでの学会と、研究発表活動も様変わりしました。講義も春夏学期はすべてオンライン、秋冬学期は基本、対面講義ですがオンラインと録画動画配信の併用。そういう中で、研究室のセミナーも大学の講義システムCLEやZOOMを使った勉強方法に切り替えました。最初は全く分からなかった使い方も、使いながら理解が進んでいくという日々でした。12月21日は本年最後の研究室セミナーを開催しました。今年は年末の掃除こそしましたが、忘年会は中止しました。今後のことはすべて開発されたワクチン次第ですが、来年も夏頃までは、このような状況が続くのだと思います。どうもお疲れ様でした。そして、よいお年をお迎え下さい。

モニター画面 セミナー風景
モニター画面 セミナー風景

2019年

2019年11月20日−24日 International Conference on Artificial Photosynthesis 2019 (ICARP 2019)(広島コンベンションホール)

国際人工光合成会議2019 (ICARP2019) に参加・発表してきました。新学術領域研究「革新的光物質変換」が主催する国際会議で、今回は第3回国際太陽燃料会議(The 3rd International Solar Fuels Conference)との合同会議として開催されました。本領域会議の公募班として参画させていただき、現在、ヘリオバクテリア反応中心のフェムト秒ポンププローブ法による超高速分光解析を進めています。その成果の一端を今回の国際会議で発表してきました。Speccial Issueも出版される予定で、来年(2020年)4月を目処にまとめていきたいと考えています。最終日は少し時間があったので、宮島まで足を伸ばし、厳島神社を初めて訪れました。そろそろ紅葉が始まっていて、曇り空でしたが小旅行に満足です。

参加者 厳島神社(宮島) 紅葉谷公園の近くまで(宮島)
参加者 厳島神社(宮島) 紅葉谷公園の近くまで(宮島)

2019年9月24日−26日 第57回生物物理学会(宮崎・シーガイア)

久しく滞っていた「活動模様」記録を再開します(随時、過去に遡って執筆予定)。台風で危ぶまれた宮崎への出発でしたが、無事に前日の23日(月)午前に伊丹発宮崎行きANAが飛び立ちました。今回は、宮崎・シーガイアで開催される生物物理学会に参加、発表してきました。リゾート地で宿泊するのはホテル代が高くつくため、レンタカーを借りて駅前のホテルに宿泊し、学会会場まで往復することにしました。到着した日は午後から全く予定がなくて空いていたので、レンタカーで少し遠出をし、温泉宿で休憩後、青島神社まで観光しました。国の天然記念物「鬼の洗濯板」を見ながら橋を渡り、ときどき岩場も散策。よい気分転換となりました。今回の生物物理学会は「祭り」がテーマとのこと。みっちりと勉強もしましたが、懇親会は屋外で開催され、花火も打ち上げられるという趣向でした。

青島神社の海岸 鬼の洗濯板 懇親会での花火
青島神社の海岸 鬼の洗濯板 懇親会での花火

2019年7月13日−14日 第27回「光合成セミナー2019:反応中心と色素系の多様性」を開催

 主催者代表として、「光合成セミナー」を大阪大学理学研究科南部ホールにて開催しました。2011年から2年ごとに大阪、名古屋、京都、神戸と順番に回ってきて、7年ぶりに大阪での開催です。参加される皆さんの熱意と協力のお陰で、年々、充実した内容へとなっていき、夏の暑い時期の恒例行事となりました。参加者82名で口頭発表12演題、ポスター発表38演題。最後の最後まで準備が大変でしたが、懇親会も含め、無事に運営できて安堵しています。忙しくて写真を撮ることを忘れていたのが残念です。来年も大阪で開催予定!

2019年3月13日−15日 第60回植物生理学会(名古屋大学・東山キャンパス)

 名古屋大学で開催された植物生理学会に参加、発表してきました。ヘリオバクテリア反応中心の構造に関し、熱いディスカッションもしました(写真)。果たして電子移動経路はどうなっているのだろうか、、、と。決め手となる実験系の構築が難しそうですが、少しずつ実験可能なところからはっきりとさせていく必要があります。でも分かってみれば、案外単純なのかも知れません。

電子移動経路図は?
電子移動経路図は?

2019年1月21-23日 沖縄での領域班会議

 冷え込みの厳しい大阪(本土)を離れ、沖縄で開催された新学術領域(革新的光物質変換)の班会議に出席してきました。会場は海岸スグ近くにあるムーンビーチホテル。いわゆるリゾートホテルですが、オフシーズンとあって、さすがに観光客は少なく、静かな環境の中で有意義なディスカッションの3日間でした。天気が余り良くなかったのが残念です。けれど沖縄料理が本当に美味しく、泡盛のお湯割りもつい飲み過ぎました。帰ってから体重を測ったところ、やはり増えていて、年末年始にも体重が増えましたので、さてこれから減量の日々です;;

ホテルからのビーチ風景 前菜
ホテルからのビーチ風景 前菜

2018年

2018年10月12日 Raimund Frommeの来研とCryo電子顕微鏡見学

 Raimund(米国・アリゾナ大学)がわざわざ訪ねて来てくれ、蛋白質研究所の栗栖研で仲庭哲津子さんと一緒に会うことになりました。彼とは一昨年の夏、Gordon会議で初めて出会い、熱いディスカッションをしたのを思い出します。彼らアリゾナ大学グループがヘリオバクテリア反応中心の高分解能解析に成功し、Gordon会議で発表するとの情報を得たため、急きょ共同研究者の栗栖源嗣先生(阪大)、伊藤繁先生(名大)と一緒にこちらの解析状況を発表したのがきっかけです。お互いにライバルですが、こちらの構造中には長く論争の的になっていたキノンが存在し、彼もその後の進捗状況が気になっていたようです。名古屋からわざわざ伊藤先生も議論に参加してくれ、ついでに共同利用施設のNMR装置、Cryo電子顕微鏡の見学も楽しませてもらいました。夕方は近くの千里中央の「がんこ寿司」まで繰り出し、一緒に食事を楽しみました。

NMR装置 Cryo電顕(1) Cryo電顕(2)
NMR装置 Cryo電顕(1) Cryo電顕(2)

2018年10月10日 表彰式

 2016年度(平成28年度)から2年間、日本学術振興会の特別研究員等の書面審査を担当しました。思いがけないことに、学術振興会から表彰状をいただき、西尾総長から直接、授与してもらいました。有意義な審査意見を述べ公正・公平な審査した審査員に対して、授与されることになっているそうです。正直、人生の中でこのような形で表彰状をもらった記憶は皆無。初めての経験ではなかったかと(笑)。。。

集合写真 西尾総長との懇談
集合写真 西尾総長との懇談

2018年9月25-29日 台湾・精華大学との学生交流シンポジウム

 台湾・精華大学との学生交流シンポジウム(double degreeプログラの行事)に参加してきました。一昨年に続き、私にとっては第2回目の参加となります。当初、引率だけかと思っていたのですが、やはり甘かったですね。初日のトップバッターとして最近の研究について30分のoral発表を指名されました。8月初頭からの出張の連続(バンクーバーでの国際学会発表、中国・楡林市での調査旅行、そして岡山での生物物理学会シンポジウム)で準備が出発直前の連休しかなく、結局、pptファイルのスライドが出来上がったのは関西空港での出発ゲート。かなり冷や汗ものでした。それでも行く限りは、発表させてもらえる限りは全力投球。そして全力で学生発表者にも質問をさせてもらいました。シンポジウム終了後の最終日は台中までのバスツアー。レインボービレッジ(彩虹眷村)観光や、台風による強風の吹き荒れる中、干潟でのカニ、トビハゼの観察は楽しったです。やっぱりチャンスがあれば、また次も行きたいですね(笑)。

集合写真 バンクーバー市内 三室賞の授与
集合写真 食事会 Pro. Kaoと
UBCの広いキャンパス バンクーバー市内 三室賞の授与
彩虹眷村(1) 彩虹眷村(2) 彩虹眷村(3)

2018年9月15-17日 第56回生物物理学会年会(岡山大学・津島キャンパス)

生物物理学会に参加、発表してきました。今回はシンポジウムの企画を依頼され、反応中心の構造機能相関、特にキノン分子の反応特異性に焦点を絞った内容にしました。アメリカからのお客さん2名(1名はMITにいる日本人ですが)を新学術領域「新光合成」共催で招待することができ、実験と理論からのアプローチ、そして進化に関する仮説提唱、という切り口から講演してもらいました。各発表者にも十分な時間を配分し、聴衆からの質問や議論も活発に行われ、成功裏に終えることができたと思います。2日目の午後、懇親会の前にホテル近くの岡山城、後楽園を見物・散策し、今回が初対面でしたが、Gregとゆっくりと語り合うこともできました。台風の影響で関西国際空港が閉鎖され、直前の成田発着のスケジュール変更となりましたが、初めての日本訪問が思い出深いものになったことを願っています。

岡山城 記念写真 後楽園で休憩中
岡山城 記念写真 後楽園で休憩中

2018年8月27日 嫌気チャンバーの入れ替え

 約30年に渡ってお世話になった嫌気チャンバーの新規入れ替えを行いました。学生さんに解体作業を手伝ってもらいながら、穴のあいたビニールやドアを交換したこと、また故障したガスアナライザーを修理しようとしたことなど、いろいろと思い出し、感慨深いものがあります。この装置のお陰で、これまで多くの研究をしてくることができました。新しい嫌気チャンバーのガス交換はすべて自動になっていて、時代の変化を感じます。もう少し嫌気チャンバーに働いてもらい、研究の総仕上げをしたいと思っているところです。

UBCの広いキャンパス バンクーバー市内
古い嫌気チャンバーの解体作業 真新しい嫌気チャンバー

2018年8月20-24日 中国・陝西省楡林市への調査旅行

 中国・陝西省楡林市楊家溝村に滞在してきました。ヤオトン(Cave House)と言われる伝統的家屋に宿泊し、農家の手作り料理をいただきながら過ごしました。さまざまなカルチャーショック(特にトイレ問題?)もありましたが、中国内陸部の生活や文化を理解が深まったと思っています。今回の訪問は、6年ほど前に言語文化研究家の深尾葉子先生にお声をかけていただき、黄土高原に着生するシアノバクテリアに興味を持ち始めたことがきっかけです。深尾先生は、黄土高原の緑化を経済的視点から研究されていて、今回は科研費「黄砂発生地域における表層土壌回復のための社会経済的アプローチ」の協力者として、黄土高原の野外調査に参画してきました。前もって小型顕微鏡、照度計、温湿度計(データロガー)などを購入、また土壌pHを測定するためにpH試験紙やピンセット、採取用小袋も持参。日本では春先に中国から飛来する黄砂は、この黄土高原に由来することが分かっています(現地では春先に馬やロバ等に取り付けた鋤で畑を耕すのですが、そのときに飛散する黄土が強風にのって日本に飛来するという仕組みです)。約10年前が黄砂のピークでしたが、最近はようやく植林等が進み、黄砂現象は緩和され始めています。実際に黄土高原に降り立つと、標高約1100mの広大な高原が広がり、昔は何もない黄土地帯だったようですが、今ではきれいに植林され、農家の人たちが野菜やブドウ、粟などを栽培している風景が広がっています。今回の訪問では楡林学院との学術協定を結ぶことができ、近いうちにシアノバクテリア輸入の覚書を交わす予定をしています。私自身の研究テーマからは大きく外れていますが(他分野の方からみれば十分に専門内の研究だと認識されていますが・・・)、微生物培養の技術を生かし、これからも協力していこうと思っています。

UBCの広いキャンパス バンクーバー市内 三室賞の授与
砂埃の中を走る 黄土高原 農家の手作り料理
UBCの広いキャンパス バンクーバー市内 三室賞の授与
ヤオトン風景 ヤオトンの前で 最後の夜(ホテルロビーにて)

2018年8月4-12日 第16回国際光合成原核生物シンポジウム ISPP2018(バンクーバー, カナダ)

 ISPP会議に参加・発表してきました。バンクーバーでの開催ということで、酷暑の日本を脱出し、涼しい気候で快適に過ごせることを期待していましたが、ここでも異常気象。朝晩は比較的涼しく過ごせましたが、日中の日差しはかなりきついものでした。開催会場のUBC(University of Britisch Colombia)は学生数4万人を擁する巨大な敷地にあります。宿舎も充実し、キャンパス内・周辺にはレストランやマーケット、バーもあり、ちょっとした町のようでした。今回は知古のBlankenshipが来年秋にはretireするということで特別講演がありました。私はヘリオバクテリア反応中心のキノン分子のESR分光特性と構造解析について発表。キノン分子の存在については疑問の余地はなく、皆が認めてくれるようになってきたのは嬉しかったです。会議後は現地で一日休暇をとり、バンクーバー郊外のWhistlerまで小旅行。ロープウエーがあり、ゴンドラ、リフトで頂上まで登り、散策を楽しみました。次回はイギリス・リバプールで開催されるとのこと。3年後はどのような研究の展開になっているのか、今からわくわくしています。

UBCの広いキャンパス バンクーバー市内 三室賞の授与
UBCの広いキャンパス バンクーバー市内 ウィスラー小旅行

2018年7月21-22日 第26回「光合成セミナー2018:反応中心と色素系の多様性」を開催

 本年で26回目となる光合成セミナーを秋本誠志先生(神戸大理学研究科)のお世話で開催しました。昨年は急な用事(米国・ゴードン会議に出席・発表のため)で参加することができず、予定していた私の(セミナー25周年)記念講演もキャンセルとなってしまいました。そのため今年はその罪滅ぼし。約1時間の講演を引き受け、前半はこれまでのセミナーの歴史(淵源)を振り返りながらエピソードを語り、そして後半では光合成細菌がもつタイプ1反応中心の研究の現状について簡単に紹介しました。猛暑の中、神戸大学の正門へと続く坂を登るのは大変で、交通手段は往きは阪急六甲駅からバスで、帰りは徒歩ということにしました。当然、日差しの強い炎天下、汗を流しながら元気に歩いてる若い人たちもいました。会場の神戸大学百年記念会館は、神戸の港を見下ろすことができる場所にあり、素晴らしい景観に感動しました。1日目は午後の焼けるような日差しを浴びながらたどりついたのですが、その疲れも一気に吹っ飛ぶくらいで、本当に清々しい気分にさせてもらいました。4名の学生さんと一緒に参加しましたが、口頭発表をした岸本君が「三室賞」を受賞。充実した勉強会(セミナー)の終了後は、JR六甲道駅近くの居酒屋で慰労会を行いました。

会場からの眺め 参加メンバー 三室賞の授与
会場からの眺め 参加メンバー 三室賞の授与

2018年5月26-27日 第9回日本光合成学会年会および公開シンポジウム(東北大学・青葉山新キャンパス)

 光合成学会に参加、発表してきました。今回は博士2年の学生二人がポスター発表してくれました。東北大学に訪れたのは約23年ぶりだと思います。7年前の震災の時には3月末に植物生理学会が予定されていて参加するつもりでしたが、開催が流れてしまいました。真新しい街並みに驚き、そして学会会場となった新しい青葉山新キャンパスは実に気持ちのよい環境の中にありました。一日目のシンポジウムは分野外の話だったのですが、いろいろと勉強になり、講義のネタにもなりそうな情報も収穫できて満足です。学会終了後はそのまま新学術領域会議(新光合成)があり、さらに秋保温泉で2泊しての合宿形式の中間報告会でした(5月27-29日)。科学研究費をいただいているので、しっかりと当該領域研究の発展に貢献したいと思っています。

2018年3月28-30日 第59回日本植物生理学会年会(北海道・札幌コンベンションセンター)

 植物生理学会に参加、発表してきました。北海道での開催は10年ぶり(私の記録では2008年3月20日から22日)で、そのときはまだまだ寒かった記憶があります。今回は急に春めいてきた暖かな日々が続き、天候に恵まれた学会期間でした。自分にとっては年会前日の光合成細菌ワークショップが最も実りの多い(得るものが多い)勉強会であったように思います。今回は博士課程1年の岸本君と、私自身がポスター発表。可能なら口頭発表したいところですが、植物生理学会は少し研究の毛色が異なり、躊躇してしまいました。けれども今やっているヘリオバクテリア反応中心の仕事がまとまれば、口頭発表したいと考えています。学会終了後は研究仲間と支笏湖まで足を伸ばし、シアノバクテリア採集のお手伝いをしました。40数度の温泉にも緑色したシアノバクテリア集団がマットを形成しているのは本当に不思議です。

テレビ塔からの夜景 支笏湖のパノラマ風景 採集仲間
テレビ塔からの夜景 支笏湖のパノラマ風景 採集仲間

2017年

2017年7月16-21日 Gorodn会議(アメリカ合衆国・メイン州・ニューリー市、Grand Summit Hotel)

 Gordon会議(Gordon Research Conference)に参加、発表してきました。Gordon会議への参加は2回目で、前回は2008年の参加でしたので、約10年ぶりの参加となります。今回の参加は、ライバルのアリゾナ大学グループがヘリオバクテリア反応中心の高分解能結晶構造解析を発表するという情報を知り、急きょ、日本チーム(3人)が参加、発表するということに決まりました。我々日本チームも構造解析に取り組んでいるということを世界の研究仲間たちに認知してもらうことが目的で、この機会を逃せば相手にされなくなってしまいます。残念ながら構造解析としては先越されてしまいましたが、我々の構造データは相手チームにない重要な事柄を含んでいることを認識してもらうことに成功しました。これにめげず、構造・機能解析を進めていくことにしています。

会議の仲間たちと 会議のdinnerにて MITの中庭にて
会議の仲間たちと 会議のdinnerにて MITの中庭にて

2017年5月27-28日 第8回光合成学会(龍谷大学・瀬田キャンパス)

 光合成学会に参加、発表してきました。今回の会場は日帰り可能な近距離ということで、学生さん3名にポスター発表をしてもらいました。毎回、シンポジウムの内容はよく考えられていて、最近の話題を勉強するのに最適な年会となっています。個人的には光化学系2の高分解能構造から見えてくる水分解反応機構が興味深い内容でした。また野外植物の光阻害が赤外光照射で緩和されるという現象も、今後の研究の発展が楽しみな話題でした。

2017年3月15-18日 第58回日本植物生理学会年会(鹿児島大学・郡元キャンパス)

 植物生理学会に参加、発表してきました。前回の鹿児島年会は、ちょうど20年前に開催されたとのこと。前回参加したことはかすかに記憶にあるのですが、たぶん、その時はフェリーで大分まで行き、そこから電車で鹿児島までたどり着いたように思います。 今回は時間の制約の中での参加ですので、勿論、飛行機で行きました。発表については、修士2年生の小島さんがポスター発表してくれました。ちょうど修士論文でまとめた「ヘリオバクテリアRCとフェレドキシンとの再構成実験」を発表。興味を持ってくださった先生方も訪ねてくださり、本人にとってもよい勉強になったかと思います。また学会前日は、第2回の光合成細菌ワークショップにも参加。まだまだ小さな集まりですが、将来、光合性細菌仲間が増えていくことを楽しみにしています。最終日午後は、帰途、短時間でしたが桜島に立ち寄りました。

フェリーの上で フェリーから桜島 展望所からの桜島
フェリーの上で フェリーから桜島 展望所からの桜島

2016年

2016年9月21-25日 台湾・精華大学との学生交流シンポジウム

 台湾・精華大学との第2回目の交流に参加してきました。昨年、double degreeのプログラム(二大学でPhDを取得するプログラムです)が大阪大学・理・生物と精華大学・生命科学部との間で調印され、今年は大阪大学の学生11名が精華大学へ訪問です。当初は学生の引率と言われていたのですが、開催準備を進めていく中で教官も含めての丸2日のシンポジウムとなり、第1日目は私もPIとして30分の講演(研究紹介)をしてきました。第2日めは学生22名(双方の大学から11名、合計22名)が15分の口頭発表。台湾の学生さんの英語でのプレゼンの上手さに、ただただ驚くばかりでした。オプションとして大学のある新竹市内の観光や、台北市までのバスツアー(故宮博物館の見学&屋台での食事会)など、大変な歓迎を受けて大いに楽しませていただきました。来年は阪大側の招待となります。このような学生交流を深めながら、互いにインスパイアーすることで国際的な研究活動が活発化していくことが望まれます。

発表風景 食事会(1) 食事会(2)
発表風景 食事会(1) 食事会(2)
観光(1) 観光(2) Prof. Sue(左)と
観光(1) 観光(2) Prof. Sue(左)と

2016年8月5日-8月14日 第17回国際光合成会議に参加(マーストリヒト Maastricht, オランダ the Netherlands)

 国際光合成会議に参加、発表してきました。3年毎に開催される、私にとってのメインの国際会議。今回はオランダ、マーストリヒトで開催されました。出発前から現地の気候を調べ、涼しいということは分かっていましたが、曇りや雨の日には最高温度15度という日もあり、長袖や冬服のダウンジャケットなどが必要な時もありました。オランダには飛行機の便の関係で、1日早く到着。早朝に着いたので、アムステルダムの半日観光を楽しみました。前もって知人から強く勧められていたゴッホ美術館、国立美術館へ。オーディオガイドを聴きながら、満喫した美術鑑賞でした。会議では反応中心や超分子複合体のX線解析、cryo電子顕微鏡解析の発表が花盛り。分子構造を基盤にした反応機構の理解へと研究は進んでいます。私の発表セッションは最終日の午前中で、最後まで気が抜けない学会期間でした。ライバルの構造解析に関する発表があるということでかなり緊張もしましたが、まだまだ結論は出ていないことに安堵。終了後はアムステルダムでの運河巡り、そして美味しいムール貝鍋のディナーとなりました。最後には諦めていた「アンネ・フランクの家」にも閉館間際に駆け込むことができ、思い出深いオランダへの旅となりました。次は4年後(オリンピックyearと同じ周期)に開催されることになり、ニュージーランドでの開催が待ち遠しいです。それまでに現在の研究をまとめてライバルに勝たねばなりません。さてどのような結末に、、、。

ゴッホ美術館にて 国立美術館にて レンブラントの夜警
ゴッホ美術館にて 国立美術館にて レンブラントの夜警
アムステルダムの広場にて マーストリヒトの城壁 レストランにてビール
アムステルダムの広場にて マーストリヒトの城壁 レストランにてビール
ポスター会場にて 運河クルーズ 最後のディナー、ムール貝
ポスター会場にて 運河クルーズ 最後のディナー、ムール貝

2016年7月9-10日 第24回「光合成セミナー2016:反応中心と色素系の多様性」を開催

 今年は昨年に引き続き、龍谷大学での開催となりました。昨年の大宮キャンパスは改修中ということで、深草キャンパスでの開催となりました。龍谷大学の本部もあるということで、キャンパス内はきれいに整備され、煉瓦色の新しくてモダンな講義棟が立ち並んでいるのが印象的でした。参加者も約80名、口頭発表20演題、ポスター発表24演題、と暑い京都にふさわしく、熱い討論が続きました。今回は私のグループから4名の学生が参加し、2演題のポスター発表も行いました。勉強になったことを期待しています。来年は神戸大学での開催予定で、楽しみです。

2016年7月1-2日 クラミドモナス国際会議後の「光合成に関するサテライト会議」 (京都大学・セミナーハウス)

私の研究材料はクラミドモナス(真核性藻類の仲間)ではなく光合成細菌ですが、クラミドモナスを材料として扱う光合成研究者と交流する良い機会ですので、参加、発表してきました。勿論、すべて英語でのプレゼンテーション、コミュニケーションです。アメリカからは旧知のKevin、ドイツからは最近親しくなったHipller、が参加していました。Kevinは私たちが扱っている光合成細菌を材料に研究もしていて、研究の良きライバルでもあります。今後の共同研究もdiscussionでき、楽しい2日間のミーティングでした。2日目のお昼休みは約3時間あったので、梅雨の晴れ間の暑い京都を散策。参加した学生さんたちと銀閣寺まで観光に行ってきました。

銀閣寺
銀閣寺への散策

2016年5月27日-28日 第7回光合成学会(東京理科大学・葛飾キャンパス)

 東京理科大学(葛飾キャンパス)で開催された光合成学会に参加してきました。都心の郊外にある非常にきれいなキャンパスで、公園と見間違えるくらいの整備された広場(グラウンド?)が印象的でした。自分の研究と一番マッチする学会ですが、内容が盛りだくさんでいつも消化不良に終わってしまうのが残念です。シンポジウムも充実した内容で、皆さんの活躍振りに奮起した次第です。終了後は、隣の駅、「柴又」まで行き、駅前の寅さん像を見てから、団子屋「とらや」のある通りを散策しました。少しばかり喉を潤すために入ったお店でビール2杯を飲みながら歓談。すぐに帰るつもりが結局、東京発最終から2番目の新幹線で大阪に帰ってきました。

参加風景 駅前の寅さん像 「とらや」の通り
参加風景 駅前の寅さん像 「とらや」の通り

2016年3月18-20日 第57回日本植物生理学会年会(岩手大学・上田キャンパス)

植物生理学会に参加、ポスター発表をしてきました。今回の開催会場がある岩手県盛岡市には、私自身、まだ一度も訪れたことはなく、非常に楽しみにしていた学会でした。発表準備だけでなく、年度末の引っ越し準備も忙しく、出発直前まで予定が立たず、結局、大阪から盛岡までは新幹線で行くことになりました。結構疲れるかと危惧していましたが、東京での乗り換えも案外スムーズにいき、文献や本を読みながらの快適な時間が過ごせました。学会前日の夕方から開催された「光合成細菌のワークショップ」にも出席、旧交暖まる懇親会にも参加しました。この日を含め、大会中は深夜まで飲みながらの語らいが続き、当然、昼間は大いに勉強もしましたので、体力の限界に挑戦の毎日。終了後は一日の休暇をとって、盛岡市の西の方にある鶯宿温泉へ。ゆっくりと温泉につかり、美味しい食事をいただき、そして帰りには近場のハイキングコースを散策。鋭気を十分に養っての帰阪となりました。

岩手山を望む 盛岡城跡を散歩 わんこそばに挑戦
岩手山を望む 盛岡城跡を散歩 わんこそばに挑戦

2016年2月2-3日 IPR International Workshop (大阪大学・吹田キャンパス)

大阪大学蛋白質研究所(Istitute for Protein Research, Osaka University)で、日独の国際ワークショップ "Bridging the gap: from structure to functional dynamics of photosynthesis related protein complexes" が開催されました。これは日独の研究プロジェクトを立ち上げることが目的で開催されたワークショップで、開催2週間前に、急きょ、お声がかかりました。昨年末頃にもしかすると開催するかもと言われていたのですが、余りにも急なことで驚きました。でもせっかく "Invited Speaker" としてご招待いただいたのですから、"No" とは決して言えません!講演タイトルをスグに考え、発表構想を練りました。幸い、昨年夏、そして今年の1月に論文を立て続けに出すことができましたから、その話題を中心に話すことにしました。勿論、"英語" での発表。開催前日までpptファイルの作成、ほとんど練習らしき練習もせずにぶっつけ本番。こうなればなるようにしかならない、と腹をくくるしかありません。こんな慌ただしい準備も初めてのことでしたが、よい経験になりました。久しぶりに2日半(前日のwelcome partyも含めて)の英語のシャワーでしたが、興味ある内容が盛りだくさんでしたので、discussionにも加わり、充実した勉強会となりました。

2015年

2015年11月4日 Kevin(米国)の訪問

アリゾナ大学(米国)のKevin E. Reddingが訪ねてくれました。この夏、ドイツ・テュービンゲンで開催された会議で会ったのですが、互いのデータの矛盾点を解決するために、共同研究を行うことにしました。ちょうど今回、奈良で開催された国際会議に出席するということなので、その帰りにわざわざ立ち寄ってくれました。夕方には関空から帰国するということでしたので、新大阪で落ち合ってからスターバックスで仕事の相談、その後、地下鉄でミナミへ移動して心斎橋筋辺りを散策。黒門市場を見学したあと、お昼ご飯は、これぞOsaka Food、お好み焼きを食べました。Kevinは随分と気に入ったようでした。本屋や道具屋筋にも行き、限られた時間でのかなりタイトなスケジュールでしたが、十分に満足してもらったかと思います。これから彼と共同研究のスタート。今後の発展が楽しみです。

水かけ地蔵の前にて 昼食:お好み焼き
水かけ地蔵の前にて 昼食:お好み焼き

2015年9月17-28日 生物科学科縦断合宿(滋賀県高島市 白浜荘にて)

理学研究科の能動性プログラムの一環として毎年開催されている縦断合宿に、2年生担任として初めて参加してきました。学会から帰ってきて翌日16日は修士1年生の中間発表。そして翌日から縦断合宿の引率という強行スケジュール。そのため最初は余り気が進まなかったのですが(参加された学生さんにはゴメンなさい)、現地到着後のレクレーションがちょうどよい気分転換となり、気持ちも軽くなりました。夕食後は、社会で活躍している若手卒業生の講演会。研究の世界や外資系企業でキャリアを積んできた体験は、学生さんたちの将来設計にとって非常に役立つと思いました。その後は夜を徹しての懇親会。眠りについたのは午前3時前でした。翌日は朝食7時半。20代前半の学生さんたちは、さすがに元気です。午前中、大津市科学館に立ち寄り、1時間ほど見学。午後には阪大キャンパスに戻ってきました。

大縄飛び競争 大縄飛び競争 作戦会議
大縄飛び競争 ドッヂボール大会 作戦会議
夜の講演会(1) 夜の講演会(2) 大津市科学館見学
夜の講演会(1) 夜の講演会(2) 大津市科学館見学

2015年9月13-15日 第53回日本生物物理学会年会(金沢大学 角間キャンパス)

金沢市で開催された生物物理学会に参加、発表してきました。金沢に来たのは恐らく20年ぶりくらいかと思います。初めて来たのは私が修士1年生のときですから、もう30年以上前。記録を見ると1884年4月、植物生理学会に参加したときで、私の初めての学会発表でした。2回目は1993年3月、同じく植物生理学会。大学院修士の時にお世話になった恩師、和田敬四郎先生が大会委員長でした。そして3回目がたぶん1995年の晩秋、日米の国際学術プログラム(当時の文部省科研費)でのシンポジウムだったと記憶しています。その時は、直前にアメリカ・アリゾナを訪問し、Blankenshipのラボで共同実験。その後、Blankenshipを伴って帰国、途中でGolbeckとも合流しての金沢でのシンポジウムというスケジュールでした(今から思えばかなりの強行軍。若かったので疲れ知らずだったのでしょうね)。さらに仕事以外にも、個人的に旅行で2回ほど来ていますので、当時としては結構な金沢通だったと思います。しかし今回は20年ぶりですから、記憶も大分薄れています。しかも特急サンダーバードで金沢駅に到着すると、駅の建物が新しくなり、駅前周辺が大きく様変わりしているのに驚きました。初日に金沢大学の知人と食事したのですが、研究以外の話題で、思い出話に花が咲きました。敢えて遊びに行くようなところもなかったのですが、学会期間の3日目の午前中に、金沢大学の前身である四高(旧制の第四高等学校)跡にある石川四高記念館に立ち寄りました。当時の蛮カラな学生たちの勉学や寮生活の様子が偲ばれる展示があり、その時代の息吹というものに触れることができました。当然ながら毎日、真面目にシンポジウムやポスター討論に参加していますので、研究上の収穫も十分にありました。

2015年7月29日-8月7日 ハンガリー訪問と第15回国際光合成原核生物シンポジウム(テュービンゲン Tübingen, ドイツ Germany)

 ドイツ・テュービンゲンで開催された15th International Symposium on Phototrophic Prokaryote (ISPP2015 第15回国際光合成原核生物シンポジウム)に参加してきました。その前に、近しい共同研究者のお誘いを受け、ハンガリー科学アカデミー研究所におられるZoltanさんを訪問することにしました。2002年にドイツ・パッサウ(Passau)でのワークショップに参加した後、ハンガリーを訪問していますので、実に13年ぶりの訪問となりました。いろいろとお世話になりましたので、最後の夜は日本から具材を持ってきた餃子、中華スープで手作りパーティーをさせていただきました。その後、ブタペストからミュンヘンに向けて、夜行列車で移動することに。ブタペストではシリアからの難民たちが到着していて、世界の大きな流れの中で突き動かされている中東・EU諸国の問題を垣間見たような気がしました。ミュンヘンには朝6時頃に到着しましたので、アウグスブルクで途中下車して半日観光を楽しみました。日曜でしたので、いつものパターンで教会のミサへ、そしてフッガー家が栄華を極めたとされる街並みを散策。楽しい一時でした。最後にISPP2015の開催地、テュービンゲンに移動。5日間の会議日程を真面目にこなす中、夕方は街並みの散策、夜は毎晩のごとく食事会、と充実した日々でした。仕事では、ヘリオバクテリア反応中心の研究を進めているKevin Redding(USA)と議論し、互いのデータの違いが標品の違いに起因しているかも知れない、ということになり、共同研究をすることになりました。帰国後も彼からメールがあり、11月4日に日本(大阪)で会うことになっています。

Zoltan家でのディナー(1) Zoltan家でのディナー(2) Zoltan家でのディナー(1)
Zoltan家にて(1) Zoltan家にて(2) Zoltan家にて(3)
アウグスブルクでの観光 ネッカー川 レストランにてディナー
アウグスブルクでの観光 ネッカー川 レストランにて
テュービンゲンの街並 ホーエンテュービンゲン城 テュービンゲン大学の植物園
テュービンゲンの街並 ホーエンテュービンゲン城 テュービンゲン大学の植物園

2015年7月11-12日 第23回「光合成セミナー2015:反応中心と色素系の多様性」を開催

 運営委員として光合成セミナーに携わってから、本年で5回目となりました。阪大で2回、名工大で2回、そして今年は龍谷大大宮キャンパスでの開催となりました。京都駅から徒歩約15分、西本願寺の隣に位置し、キャンパス内には国の重要文化財の建物(明治時代の建造物)が5つもある、という素晴らしい場所での開催でした。参加者も約90名。急に暑くなった京都で、熱いディスカッションの2日間でした。終了後は主催者の宮武先生のご配慮で、重要文化財の一つ、本館の中を見学させていただきました。

松原先生と(1) 松原先生と(2)
本館の見学(1) 本館の見学(2)

2015年6月27日 昔の仲間と食事会

 大学の教養時代にお世話になった湯浅精二先生、そして当時の仲間たちと久しぶり(約25年ぶり)に再会しました。同級生のI君とは実に30年ぶりの再会となり、参加者全員が近況報告していく中、2時間くらいの予定が気がつけば5時間近く続きました。お互いに時間を忘れてしまい、昔の話で盛り上がりました。お世話になった湯浅先生も今年で喜寿を迎えられるとのこと、いつまでも元気で過ごしていただきたいと心から思っています。

松原先生と(1) 松原先生と(2)
食事会風景 集合写真

2015年6月13日 恩師である松原先生を囲んで(パート3)

 5月の連休中に西村いくこ先生(京都大学)から依頼され、恩師である松原先生との食事会を行いました。デジタル化した昔のアルバムを見ながら、楽しいひととき。夕方の4時半頃から始めたのに関わらず、夜9時過ぎまで時間を過ぎるのを忘れての懇談が続きました。場所は、いつもの石橋・清澄庵さんです。

松原先生と(1) 松原先生と(2)
懇親会風景(1) 懇親会風景(2)

2015年3月16日-18日 第56回日本植物生理学会年会(東京農業大学)

 昨年に引き続き、植物生理学会に参加、発表してきました。今回は「緑色イオウ光合成細菌のシトクロムbc複合体」についての話題で、少し光合成からは遠い話題となりますが、光合成電子伝達系関連ということでポスター発表をしました。昔からお付き合いのある方は話題性をご存知なので、訪ねてきてくださった何人かの方には説明させていただきました。完全な精製標品には至っていないのですが、戦略としてはほぼ目途がたっている状況で、この1−2年のうちには諸性質の解析が進むと期待しているところです。ところで大阪に戻ってきて体重を測ったところ、やはりまた1キロほど増えていました。いつもながら学会期間中は食べ過ぎ、カロリーの取り過ぎです。またしばらくは減量に努めます。

2015年3月5日 大阪大学蛋白質研究所セミナー(大阪大学蛋白質研究所1階講堂)

 蛋白質研究所セミナー「嫌気蛋白質を対象とした構造・機能相関の現状」に招待され、話題提供をしてきました。蛋白研栗栖源嗣先生、名古屋大学・藤田祐一先生がオーガナイズされたセミナーで、参加者の大半は旧・松原研の流れをくむメンバーで、さしずめ同窓会のような雰囲気でした。年度末ということで参加者も少なかったのですが、狭い研究領域でのかなりディープな議論ができ、個人的には大満足の勉強会でした(私自身は準備不足で臨んでしまい、発表の時間配分が上手くいかなかったのが悔やまれます)。懇親会も盛り上がり、それでも物足らない面々(5名)は千里中央駅・せんちゅうパルの居酒屋で終電間際まで議論が続きました。

2014年

2014年9月25日-7月27日 第52回日本生物物理学会年会(札幌コンベンションセンター)

札幌で開催された生物物理学会に参加してきました。出張のための航空機予約を早めにするのを忘れてしまい、お盆明けからずっとキャンセル待ちの状態。出発の2週間前にようやく確定し、危うく1日目からの参加を諦めなければならない状況でした。今回は自分自身がポスター発表するということもあり、いつになくかなり慌ただしい出発前の準備でした。札幌へは当然ながら前日入り(24日)ですが、伊丹から午前中に出発する便で昼過ぎには千歳空港着。そのまま午後はやくにホテルへチェックイン、深夜までデスクワークでした。インターネットの環境は便利なのですが、出張中にまで締切原稿を抱えてのホテル滞在は精神的によくありません。その代わり、翌日からしっかりと学会三昧(発表演題は共同研究を含めて4演題)。毎晩、美味しい食事も楽しむことにし、4日間の出張から帰宅したら、しっかりと1キロは太っていました。いつものように、学会中は運動不足と食べ過ぎ、ということのようです。

2014年7月14日 恩師である松原先生を囲んで(パート2)

 元留学生の崔さん、李さんが久しぶりに大阪に来られ、恩師である松原先生と本年3月に続いて再びの会食会です。いつも石橋の清澄庵さんには、お世話になっています。

松原先生と
集合写真

2014年7月12日-7月13日 第22回「光合成セミナー2014:反応中心と色素系の多様性」(名古屋工業大学)

 本年も第22回セミナーを開催しました。前回に引き続き、セミナー開催は名古屋工業大学の出羽毅久先生に世話係をお願いしました。多くの学生さんにも参加していただき、活発な議論を展開することができました。来年の第23回は龍谷大学(京都キャンパスあるいは大津キャンパス)にて開催予定です。

2014年5月30日-31日 第5回光合成学会(近畿大学・農学部)

 近畿大学・農学部(奈良キャンパス)で開催された光合成学会に参加してきました。自宅(新大阪)から会場までの直線距離は短いにも関わらず、片道約1時間45分の道のり。2日間の日帰り出張はかなり疲れました。今回の学会参加者数は例年の約2倍(200名少し)とのことで、もしかすると"近大まぐろ"効果ではないかと、懇親会でも話題になったほど。近大マグロの刺身、にぎり寿司、ちらし寿司、マグロ丼、、、とお腹いっぱい堪能できました。

近大まぐろの刺身
"近大まぐろ"の刺身

2014年3月29日 Blankenship夫妻(米国)を迎えて京都観光

 長年、親しくつきあっていただいているBlankenship(米国)が夫妻で訪問してくれました。日本訪問は今回で7回目(奥さんは25年ぶりの2回目の訪問とのこと)。かなりの日本通です。3月中旬から東京、名古屋とミーティングに参加、講演され、最後に観光をしたいということで京都は嵯峨野・嵐山まで出かけました。心配していた天候も持ち直し、午前中は保津川下りを楽しんだ後、世界遺産の竜安寺、二条城、そして最後は日本庭園のきれいなレストランで寿司懐石を堪能しました。

保津川下り ディナー風景
保津川下り ディナー風景

2014年3月25日 恩師である松原先生を囲んで(石橋・清登庵にて)

 毎年恒例の生物同窓会主催「卒業祝賀会」の後、恩師である松原央先生を囲んで二次会を行いました。同門の南喜子さん、中井由実さんも二次会からの参加で、楽しいひと時を過ごしました。退職されてからも尚、恩師の深い慈愛に包まれながら、研究生活を送れることに幸福を感じます。

松原先生と(1) 松原先生と(2)
松原先生と(1) 松原先生と(2)

2014年3月18日-3月20日 第55回日本植物生理学会(富山大学)

 富山で開催された植物生理学会に参加、発表してきました。北陸・富山に行くのは初めてで、しっかりと前もって観光ガイドブックも買い込み、ある程度予習(?)して臨んだ出張でした。もちろん、今回は自らも発表し、研究面で有意義な収穫もありましたが、それ以上に毎晩の食事会には大満足。美味しい海の幸には満喫し、帰ってきたらしっかりと体重が1キロ増えていました。一週間たった今も、体重はまだ元通りには戻りません。。。

発表したポスター お造り盛り合わせ ホタルイカの刺身
発表したポスター お造り盛り合わせ ホタルイカの刺身

2013年

2013年10月28日-10月30日 日本生物物理学会第51回年会(国立京都国際会館)

 京都で開催された生物物理学会に参加してきました。今回は共同研究者の近藤君(東工大)が、ヘリオバクテリア反応中心に含まれる一次電子受容体A0の単分子解析を発表してくれました。測定精度はかなりよいのですが、今のところ液体窒素温度下(77K)での解析なので、さらに液体ヘリウム温度下(極低温の4K)での測定が必要とのことでした。反応中心に存在している2分子のA0が、単分子分光の技術で区別できるとのことで、楽しみにしています。1日目は午前中に講義があり、午後からの参加でしたが、夜は恒例の飲み会もあり、この3日間、家と会場との往復でかなり疲れてしまいました。

2013年8月11日-8月16日 第16回国際光合成会議(セントルイス St. Louis, アメリカ合衆国 USA)

 3年ごとに開催される国際光合成会議に参加、発表してきました。今回のオーガナイザーは昔から懇意にしてもらっているBlankenshipで、私が反応中心の研究に足を踏み入れた頃からの知己です。共著が3報あり、私の緑色イオウ細菌、ヘリオバクテリア反応中心に関する研究の良き理解者とも言えます。また今回の開催地・セントルイスは、約20年前(正確には1996年)、ブラウン大学(東海岸、ボストン)を訪問したついでに、アメリカで研究生活をスタートしたばかりの友人夫婦に会うために立ち寄った町です。その友人は今もミズーリー州立大学で研究を続けていて、本会議開催の前日、わざわざ200キロ離れたコロンビア市から夫婦で訪ねてきてくれました。研究分野は異なりますが、20年という長い時の流れをお互いに感じながらの懐かしい再会となりました。さて今回の会議ではplenary lectureと光合成反応中心のoral発表を中心に聞き、ポスター発表ではヘリオバクテリア反応中心の研究を行っているGolbeckやReddingたちと熱いディスカッションを展開、有益な情報交換ができました。彼らとは互いにライバルではあるのですが、"We should be friedly"と言い合える関係を築いていきたいと伝たところ快く同意してくれていました。さらに共同研究者である浅井智広君がポスター賞を授賞することができ、緑色イオウ細菌反応中心の変異体タンパクの解析が今後、大きく進展してくことが期待されています。エクスカーションではミズーリー川のクルーズングを楽しんだのですが、セントルイスのシンボルであるアーチは西部開拓のモニュメントで、1850年代にこの地から西に向かってどんどん開拓が始まったという歴史的な意義があるとのことです。また本会議終了後の帰途では西海岸のシアトルに立ち寄り、有名なパイクマーケットプレイスで美味しい生ガキを食べながらゆっくりと過ごしました。それにしても日本の夏は、暑い、、、(苦笑)。

ポスター発表(1) ポスター発表(2) アーチ(1)
ポスター発表(1) ポスター発表(2) アーチ(1)
アーチ(2) ミズーリー川 パーティ会場にて
アーチ(2) ミズーリー川 パーティ会場にて
植物園にて 市場の生ガキ シアトルにて
植物園にて 市場の生ガキ シアトルにて

2013年7月6日-7月7日 第21回光合成の色素系と反応中心に関するセミナー(名古屋工業大学)

 第21回セミナーを開催しました。昨年までの2年間は大阪大学で開催していましたが、今回のセミナーは名古屋工業大学の出羽毅久先生に世話係をお願いしました。多くの学生さんにも参加していただき、活発な議論を展開することができました。来年の第22回も名古屋工業大学にて開催予定です。

2012年

2012年9月22日-9月24日 日本生物物理学会第50回年会(名古屋大学・東山キャンパス)

 名古屋大学で開催された生物物理学会に参加・発表してきました。今回は年会そのものからの収穫よりも、久しぶりに会った人たちとの雑談(夜の飲み会も含めて)から得たものが有益でした。学会出張から帰ってきて、早速、実験に取り掛かったのは言うまでもありません。新しい実験系が組めそうで、もう少し予備的なデータを集める必要を感じているところです。

2012年9月15日-9月17日 日本植物学会第76回大会(兵庫県立大学・姫路書写キャンパス)

 植物学会に約20年ぶりに参加・発表してきました。大会3日目のシンポジウム「多様な光合成生物における色素タンパク複合体のダイナミクス」への発表の機会をオーガナイザーからいただき、共同研究者である原田二朗さん(久留米大学)に発表していただきました。発表タイトルは、「クロロフィル色素のC17位に結合する炭化水素鎖の生合成過程」。この研究は光合成色素合成の研究として思い入れのある仕事なのですが、実のところ反応機構という分子レベルまでの解明に結びつかなかったのが残念です。シアノバクテリアでの発現構築系まで目指したのですが、期待通りのポジティブな結果がでなかったので、この辺りでまとめるつもりです。

2012年8月5日-8月10日 第14回国際原核光合成生物シンポジウム(14th ISPP2012,ポルトガル)

 前回は参加できなかった国際原核光合成生物シンポジウムに参加、発表してきました。ヨーロッパの西の果て、ポルトガルで開催されるということで、何とか参加したいと思って、この1年間、実験成果が出るように頑張ってきました。最終的には少し不本意なngative dataでしたが、これまでの実験dataとうまくつなぎ合わせて発表用ポスターを作製しました。2大会ぶりに参加した国際会議ですが、たった6年で随分と内容も様変わりしていて驚きました。以前はもう少し生化学系の仕事が多かったのに、ほとんどが多様な遺伝子制御の話題や光合成微生物を応用したエネルギー・有用物質生産で、私にとっては少しばかりカルチャーショックでした。前回のカナダ(モントリオール)での開催時も、応用的な発表が多かったと聞いていましたので、急に趣が変わったわけではなさそうです。今後の研究の研究アイデアを刺激され、思い切って出かけてきてよかったと思いました。開催都市のポルトはポルトガルの第二の都市で、世界遺産にも登録されている街。夏時間でしたので夜の9時ごろまでは明るく、開催期間中は時間を見つけては散策を楽しみました。それほど大きな街ではなく、ほぼすべての名所を訪ねることができたように思います。食事もモツ鍋や焼き魚があったりして、どこのレストランに行っても当たり外れなし、日本人の口にも合う非常に美味しい料理でした。またフランクフルト(ドイツ)での航空機乗り継ぎ時には一泊せずに現地についたので、開催前日は朝からフリー。ポートワインのブドウ畑があるドナウ渓谷の方にも足をのばし、ゆっくりと観光もできました。3年後は第1回シンポジウムが開催されたドイツ・フライブルクで、15周年記念行事として開催されることになっています。

ドナウ渓谷 ポルトの料理 街の風景(1)
ドナウ渓谷 ポルトの料理 街の風景(1)
街の風景(2) 生まれた年?のワイン 夜のディナーにて
街の風景(2) 生まれた年?のワイン 夜のディナーにて
ポスターディスカッション ファドを聴く(1) ファドを聴く(2)
ポスターディスカッション ファドを聴く(1) ファドを聴く(2)

2012年6月30日-7月1日 第20回光合成の色素系と反応中心に関するセミナー(大阪大学・理学研究科)

 第20回セミナーを開催しました。今回のセミナーは、昨年の三室先生の追悼の会とは異なり、参加者も少ないだろうと危惧していましたが、皆さんの力強い協力もあり、大盛況のセミナーとなりました。口頭発表16演題、ポスター発表30演題、参加者は92名でした。本年は昨年の反省から物理系(特に理論系)の方の参加を呼びかけ、1日目の講演会においても、名古屋工業大学の出羽先生に原子間力顕微鏡の原理と応用について、そして京都大学の石北先生には光合成反応中心における電子移動と色素分子について講演していただきました。生物系の参加者からは、どちらも興味深い話で、とても良かったとの感想でした。次回の開催は名古屋工業大学の出羽先生にお願いしました。毎回歴史を積み重ねながら、何か新しい動きが出てくる勉強会になればよいと個人的には思っています。

ポスター風景(1) ポスター風景(2)
ポスター風景(1) ポスター風景(2)

2012年6月1日-2日 第3回日本光合成学会大会(東京工業大学・すずかけホール)

 第3回光合成学会に参加してきました。1日目は所用があって参加できなかったのですが、2日目は何とか顔を出そうと早朝6時の新幹線に乗り込んでの日帰り参加となりました。これからの仕事のために必要最小限な情報交換をし、シンポジウムと口頭発表を聞いていきましたが、ポスターを見る時間を持つことができなくて残念でした。また共同研究者の浅井智広君が、昨年に引き続き、優秀発表賞を受賞しました。

受賞風景
受賞風景

2012年3月16日-3月18日 第53回日本植物生理学会(京都産業大学)

 昨年度は東日本大震災の影響で中止となりましたので、2年ぶりの開催となりました。植物生理学会の季節といえば、『ようやく暖かくなり始めた春』、というイメージなのですが、今年は例年になく寒い日が続き、真冬なみの服装での参加でした。京都産業大学での開催でしたので、3日間の会期中は大阪の自宅から通いの毎日。2日目の懇親会が終わった最終日の3日目は、さすがに疲れて午後からのポスターのみに参加してしまいました。今回は、共同研究者の浅井智広君(学術振興会博士研究員)が、「人工ヘテロダイマー光合成反応中心複合体の作製と精製」という演題でポスター発表をしてくれました。多くの方と討論し、さまざまなアイデアをいただきましたので、是非、今後の研究につなげていきたいと思っています。

2011年

2011年7月30日-8月1日 第5回アジア・オセアニア光生物学会議(奈良・奈良県新公会堂)

 第5回アジア・オセアニア光生物学会議に参加・発表してきました。この会議は、取り決めにより2年に1回開催されることになっています。前回は3年前にインドで行われたのですが、事情があり、本年開催されることになりました。光生物ですので光合成に限らす、光受容体、光医学、光化学、光テクノロジーとカバーする領域はかなり広いものになっているのが特徴です。ただ少し分野が自分の専門とはずれると、全く分からない、ということになるのが難点です。それでも必要となれば勉強しなくてはならない、あるいは取り入れなければならない測定方法等もある学際領域ですので、参加・発表する意義は十分にあります。今回は忙しい中、限られたセッションだけの参加となりましたが、できる限り研究交流も深めてきました。

2011年7月9日-10日 第19回光合成の色素系と反応中心に関するセミナー(大阪大学・理学研究科)

 第19回セミナーを大阪大学理学研究科で開催しました。このセミナーは昨年まで三室守先生(京都大学)が開催されてこられましたが、昨年の第18回において、三室先生の体調不良のため世話人代表として引き継ぐことになったものです。残念ながら三室先生は本年(2011年)2月にお亡くなりになり、追悼の会を兼ねたものになりました。嬉しいことに、三室先生の目指された「物理学、化学、生物学」を融合した光合成光反応系の討論会という精神を受け継ぎ、87名という実に多くの方に参加していただき、成功裏に終えることができました。口頭発表は16演題、ポスター発表は17演題で、例年に劣ることなく活発な議論も展開することができました。もちろん来年以降は新しい歴史を作っていかねばならず、真価が問われることになると思います。

懇親会風景
懇親会風景

2011年6月3日-4日 第2回日本光合成学会大会(京都大学・百周年時計台記念館)

 第2回目の大会は、京都大学で行われました。今回のテーマは「光合成の光エネルギー変換と物質生産」で、セッションとしては "光合成のエネルギー変換メカニズム:物理化学的手法によるアプローチ" と "植物および藻類等を活用した物質生産の新しい展開とその課題" の2つのテーマで進められました。個人的には岡山大学の沈先生の光化学系IIの立体構造解明の話に感銘しました。昨年の北京での光合成会議でも話されたのですが、私はちょうど裏プログラムに参加していて拝聴する機会を逃していました。今年の3月初めに、大阪市立大学の神谷先生の講演を、タンパク質研究所が主催するセミナーで聞いていたのですが、それ以降、Nature誌にも掲載され、より詳細な話が聞けました。特に水分解系のMnクラスターが、S state状態の変化でどのように構造変化していくのか、今後の研究の進展が楽しみになりました。大学院の講義の話題としても提供したので、自分自身としても理解を深めるよい機会になりました。また共同研究者の浅井智広君が、ポスター賞を受賞し、思い出深い大会となりました。研究内容は、緑色イオウ細菌においてベクターを用いた新しい形質転換系を開発したという報告で、この手法によって変異導入および反応機構解析がより容易になりました。この研究は、実は私自身がもう15年ほど前に挑戦しようとしておきながら、いろいろな事情で頓挫していたテーマでした。そのうちに別の形質転換法が確立されて諦めていたのですが、浅井君が博士課程在学中に、地道に挑戦してくれたすばらしい研究成果です。

受賞風景(暗くてフォーカスがずれてしまいました)
受賞風景(暗くてフォーカスがずれてしまいました)

2010年

2010年12月8日 第83回日本生化学会(神戸ポートアイランド)

 生化学会が12月7日-10日まで神戸ポートピアランドで開催されました。今回はポスター発表日の8日のみの参加でしたが、是非質問したい方のポスターが2つほどあり、私にあてがわれたディスカッション時間を忘れ、その方のポスターの前でいろいろな議論をしてきました。あとで隣のポスターを出していた知人から、「あんたはいつもポスター時間にいないなー!」とお叱りを受けてしまいましたが。。。また、探し物がいくつかあり、今回は機器展示のほうにも時間を費やしていろいろと情報入手を行ってきました。生化学会はマンモス学会のため、業者の機器展示が本当に充実しています。改めて、学会といっても、このような利用方法もあるんだと再認識した次第です。

2010年12月7日 第2回光合成色素の勉強会(近畿大学理工学部)

 光合成色素に関する勉強会(第2回)を近畿大学理工学部の佐賀研究室のメンバーと行いました。第2回といっても、第1回目は2007年2月ですからほぼ4年前のことです。その時に参加した阪大側の学生さん(当時M2)すでに学位取得済み、近大側の学生さん(当時M1)は来年に学位取得予定ですから、月日の流れるのは実に早いものです。今回は宇都宮大学の大庭先生も参加され、発表者は全員で5名(阪大2名:浅井君と古園君、近大2名、宇都宮大1名)、充実した勉強会になりました。単に発表済みデータの紹介だけではなく、現在進行中の仕事でこの辺りがうまくいかない、何かアドバイスが欲しいなど、中身の濃いディスカッションができたのがよかったと思います。終了後は、鶴橋まで繰り出し、名物の焼き肉をお腹いっぱいに食べてきました。

2010年8月22日-27日 第15回国際光合成会議(北京Beijing, 中華人民共和国China)

 北京で開催された国際光合成会議に参加・発表してきました。3年に1回開かれる会議ですが、不景気な世界経済の中、参加者はいつもより少なかったようです(700-800名くらい?)。北京の中心市街から少しだけ離れた、比較的交通の便のよい北京友誼館というホテルと会場が一緒になったとても広い敷地内で開催されました。しかし興味ある発表が別セッションで同時並行で進んでいる場合には、広すぎてとても短時間で移動できるような距離でなかったのが残念でした。私は緑色イオウ細菌の光合成色素の合成経路について、一緒に行った学振PDの浅井君はタグを付けたホモダイマー反応中心の諸性質についてのポスター発表をしました。私が興味ある反応中心の研究領域については、ある程度成熟して変換期にさしかかっているという印象を受けました。次の3年度には懇意にしているBlankenshipがオーガナイズして、米国・セントルイスで開催されることになっています。3年後には現在進めているホモダイマー反応中心の構造解析と人工的ヘテロダイマー化のプロジェクトを大きく展開していきたいと思いつつ、帰路につきました。また中国は初めて訪問する国であり、会期中には空いている時間をうまく利用して、万里の長城や故宮など、見物してきました。また動物園で見た可愛いパンダの戯れる姿は、心を和ませてくれました。中国料理は非常に美味しかったのですが、やはり食べ過ぎなんでしょう、油をふんだんに使う料理のためか、途中でお腹がゆるくなってきて腹7分目くらいになるように努めました。帰ってきて体重計に乗ったら、それでも1キロ、しっかりと増えていました。

宿泊ホテル&会場 ポスター発表風景 万里の長城
宿泊ホテル&会場 ポスター発表風景 万里の長城
天安門前広場にて 京劇鑑賞 夜の屋台にて
天安門前広場にて 京劇鑑賞 夜の屋台にて

2010年7月20日-8月15日 グラスゴー大学へのITPプログラムによる訪問

 浅井智広君(学術振興会PD)が、大阪大学理学研究科のITPプログラムを利用してグラスゴー大学に短期滞在してきました。今年の3月まで3年間、日英のJSTプログラムに参画し、Cogdell博士との共同研究として緑色イオウ細菌反応中心の結晶化に取り組んできました。今回はさらにこの共同研究を発展させていくために、浅井君が私たちのグループが開発したヒスタグ付き反応中心タンパクの精製方法を教えに行ってきました。

緑色イオウ細菌の培養 精製の様子(1) 精製の様子(2)
緑色イオウ細菌の培養 精製の様子(1) 精製の様子(2)
Cogdell研究室のメンバーと(1) Cogdell研究室のメンバーと(2)
Cogdell研究室のメンバーと(1) Cogdell研究室のメンバーと(2)

2010年7月10日-11日 第18回光合成の色素系と反応中心に関するセミナー(京都大学)

 毎年の開催を楽しみにしているセミナーに参加、発表してきました。セミナー開催の労をいつもおとりいただいている三室先生(京都大学)が、今年の第18回で世話人を退任されるという突然の発表が1日目の懇親会前にありました。この18年間、第1回目のセミナー立ち上げから1回も欠かさず参加・発表してきましたが、本当にいろんなことを学ばせていただき感謝しています。まだまだ若手と思っていた自分自身も気がつけばいつの間にかシニアの仲間入り。次の世代の人たちを育てていく責任と使命があると思い、次回の開催を大阪で行うことを約束させていただきました。みなさんの全面的な協力を仰ぎながら、よりよい研究会(セミナー)にしていくことができればと念願しています。

ポスター発表風景(1) ポスター発表風景(2)
ポスター発表風景(1) ポスター発表風景(2)
参加者全員の集合写真
参加者全員の集合写真

2010年6月4日-5日 第1回日本光合成学会大会(東京大学駒場キャンパス・数理大講義室)

 光合成研究会が学会となり、第1回目の記念すべき大会に参加、発表してきました。大会そのものは参加費は無料、一般の方でも参加できるという運営方法ですので、他の学会にはない素晴らしい存在と思います。その分、スタッフの手弁当による運営には苦労も多いことは確かです。また、シンポジウムでは毎年、いろいろな角度からの光合成研究の話題、切り口が紹介されますので、専門家でも非常に勉強になります。今回、光合成の光反応システムの歴史から最近の応用までの企画は非常によかったと個人的には思いました。ポスター発表2題は、学生の浅井智広君(博士課程3年)と共同研究者の原田二朗君(久留米大学)にしてもらいました。浅井君は先月、学位審査にも合格し、来月からは学術振興会PDとして益々活躍してもらうつもりです。

ポスター発表風景
ポスター発表風景

2010年3月18日-21日 第51回日本植物生理学会(熊本大学)

 桜の開花宣言が出た日に、熊本での植物生理学会が開催されました。今回はポスター発表2演題、口頭発表1演題で、すべて共同研究として進めてきたもので、発表も共同研究者がしてくれました。このうちゲラニルゲラニル還元酵素の反応様式解析は、私自身がメインの研究テーマとして推進しているもので、近いうちに論文としてまとめたいと考えています。3日目午後は大荒れの天気(寒冷前線の通過で、雷が鳴り、雹も降ったとか:後で知りました)でしたが、それ以外は暖かな春の日差しを浴びる天候。連休の熊本市内は、昼も夜も観光客で一杯でした。また阿蘇山まで足を伸ばしての小旅行は楽しいひと時でした。

阿蘇山にて(1) 阿蘇山にて(2) 阿蘇山噴火口
阿蘇山にて(1) 阿蘇山にて(2) 阿蘇山噴火口
満開の熊本城 阿蘇山のパノラマ風景
満開の熊本城 阿蘇山のパノラマ風景

2009年

2009年10月30日-11月1日 日本生物物理学会第47回年会(徳島文理大学・アスティとくしま)

 四国・徳島で開催された生物物理学会に参加してきました。晩秋とはいえ、日中はまだ日差しは暖かく、最終日こそ天気は崩れましたが、まずまずの学会日和でした。今回は会場が狭かったせいか、ポスター発表内容は毎日入れ替わり、シンポジウムやoral発表のスケジュールは過密状態。いつもなら半日ほどゆっくりすることができる時間があるのですが、3日間、朝から夕方までお勉強と議論が続きました。行くまでは知らなかったのですが、徳島は夏の阿波踊りだけでなく、人形浄瑠璃(阿波十郎兵衛「傾城阿波の鳴門」)でも有名なところ。平日は一日一回(土日は二回)、上演しているとのこと。残念ながらスケジュールが合わず、観賞のチャンスを逃しました。その代わり、美味しい地鶏(阿波尾鶏・あわおどり)と新鮮な魚・刺身を楽しむことができました。大阪梅田駅から高速バスで2時間半。まずまずの旅でした。

ポスター発表風景
ポスター発表風景

2009年8月17日-8月24日 グラスゴー大学への訪問・共同研究

 今回で4回目となるグラスゴー大学への出張でした。今回の目的は2つあります。一つ目は先の(本年3月)共同研究で、たまたま結晶化用として準備していた標品中に混在していたFMOタンパクの結晶構造データの収集に成功し、結果についての議論とともに、次の準備(高解像度解析に向けての標品調製)を準備してきました。二つ目は勿論、反応中心標品の結晶化です。今回準備した標品は、できるだけFMOタンパクを除去するためにゲルろ過もしました。前回の再現性のみの確認でしたが、FMOタンパクの結晶は観察されず、同様にいくつかの条件で微結晶らしきものが観察され、タンパク標品としては改良されていることが分かりました。9月末まで自動画像解析装置で観察を続けることになっていて、微結晶が大きく成長していくことを期待しています。ところで今回はJSTプログラムの研究交流として、最終回の訪問で感慨深いものもありました。天気のよい日に大学内の植物園を散策し、また週末にはエジンバラとスターリングを訪れました。エジンバラはちょうど夏の週末に開催されるフェスティバル(ミリタリータトウ:軍隊の行進みたいなお祭り)があるということで多くの人で混雑していました。2日目のスターリング市の観光は共同研究先のAlastairに勧められたのですが、天気は最悪で寒さに震えながら見物して回りました(スコットランドは晴れた日でも薄手の長袖シャツが必要な涼しさ。雨が降ると極端に寒くなり、セーターやオーバーが必要となります!)。

グラスゴー大学のシンボル 大学内の植物園・蘭(1) 大学内の植物園・蘭(2)
グラスゴー大学のシンボル 大学内の植物園・蘭(1) 大学内の植物園・蘭(2)
エジンバラ城 エジンバラ市内にて スターリング城
エジンバラ城 エジンバラ市内にて スターリング城

2009年8月9日-8月14日 第13回国際原核光合成生物シンポジウム(13th ISPP2009, カナダ)

 カナダ・モントリオールで開催されたISPP2009に、浅井智広君(博士課程3年、日本学術振興会特別研究員)が参加、発表してきました。

2009年7月11日-7月12日 第17回光合成の色素系と反応中心に関するセミナー(京都大学)

 本年も、恒例の光合成セミナーに参加、発表していきました。このセミナーは生物系の研究者のみならず、化学系、物理系の光合成研究者が参加し、非常に学際色豊かな内容になっています。私にとっても、また多くの参加者にとってもすごく魅力的な研究会となっているのではと思います。ゴードン会議(米国)から帰ってきて、休むまもなく京都での勉強会、ということで体力的にも少しきつい状態でしたが、参加してしまえば元気になってしまうのも不思議です。やっぱり自分は光合成研究が大好きなんだと納得してしまいます。今回は学生さんと共同研究者の方たちにポスター発表と口頭発表をしていただきました。1日目のポスター発表、懇親会では共同研究の話も持ち上がり、来年に向けての成果も楽しみです。懇親会終了後は三条に繰り出しての二次会。2日目終了後は京都駅前のビアホールで打ち上げ。と、非常に充実した(?)2日間でした。

2009年6月28日-7月3日 ゴードン会議(Gordon Conference)(Bryant University, アメリカ合衆国)

 オーガナイザーからの招待を受け、初めてゴードン会議に出席してきました。5月のインフルエンザ流行で感染国(メキシコ、アメリカ、カナダ)への原則渡航禁止との通知があり、一時はキャンセルも考えましたが、渡航禁止が解かれ、無事に参加することができました。ゴードン会議は歴史と権威のある会議で、各分野で活躍している第一線の研究者、そして学生たちが一同に集まり、未発表データを紹介しながら熱い議論が4日間続きます。宿泊先は大学内の学生用宿舎(ドミトリー)で、基本的には相部屋。缶詰状態、英語漬けの毎日で、会議そのものは英語で仕方ないのですが、食事も学生食堂で同じ時間帯でとるため、初めて会うような、知らない人とも英語で話す必要があり、かなり大変でした。私の参加したセクションは光合成関連の会議で、光反応中心の構造・電子移動、集光性タンパク、人工光合成などの口頭発表、ポスター発表がありました。特に人工光合成は欧米で盛んに研究されているようで、会議のテーマとしてもかなりのウエイトを占めていたのが印象的でした。口頭発表は午前中(朝9時からスタート)と夕食後の時間帯に設定されていて、毎晩の終了時間は夜10時過ぎ。その後はビールや飲み物片手にポスター会場・ミキサー会場で熱い議論があり、宿舎に戻るのは午前様。毎日の睡眠時間は4-5時間で、欧米人との体力差(と気力の違い)を実感した次第です。逆にこれほど研究に打ち込める人生も幸せなのだと思いました。新しい情報を入手し、しっかりと勉強できた4日間で、日頃の大学の雑用からも開放され、充分に充電、英気を養うことができました。機会があれば、2年後の2011年の会議にも参加したいです。

大学内の学生宿舎 キャンパス 発表風景(1)
大学内の学生宿舎 キャンパス 発表風景(1)
発表風景(2) ボストン市内で(1) ボストン市内で(2)
発表風景(2) ボストン市内で(1) ボストン市内で(2)

2009年3月21日-24日 第50回日本植物生理学会(名古屋大学)

 50周年の記念大会でもある植物生理学会に出かけてきました。今回は浅井智広君(博士課程2年生)と原田二朗君(立命館大学・日本学術振興会博士研究員)がポスター発表してくれました。原田君はアメリカから帰国間もない状況での準備で、大変だったろうと思います。この4月からは他大学への異動があり、植物生理学会での発表もしばらくはないかも知れません。両名とも盛んなディスカッション。興味を持ってくれたお客さんがたくさん来てくれました。4日間のスケジュールで、ゆったりとしたプログラム進行だったのですが、ちょっと長いなーという印象でした。来年は熊本で4日間の開催とのこと。また来年の発表を目指して頑張っていきたいと思っています。

大学内の学生宿舎 キャンパス
大学内の学生宿舎 キャンパス

2009年3月2日-5日 グラスゴー大学への訪問

 日英JSTプログラムの支援で、英国・グラスゴー大学のCogdell教授を訪問、共同研究を実施してきました。Hisタグ付加による反応中心標品の大量調製が成功し(博士課程2年生の浅井君の仕事)、結晶化による構造解析に挑戦することになりました。今回はCogdell教授が所有されている結晶化ロボットを使わせていただき、10枚のプレートを用い(このうち2枚は重複. 界面活性剤の種類が異なる)、全部で960通りの条件を一気に確認することになりました。1つの条件にわずか0.5マイクロリットルのサンプル量を必要とするだけなので、前もって調製する標品量も少なくてすみ、なんと言っても手早く多くの条件をスクリーニングするのに適しています。結晶の成長の様子も自動画像解析装置に取り込まれるようになっていて、1ヵ月後には今回の結晶条件の結果が出る予定で、非常に楽しみにしています。

ロボットによる作業風景 出来上がった結晶化プレート
ロボットによる作業風景 出来上がった結晶化プレート

2009年1月6日 光合成研究会常任幹事会(名古屋大学)

 本年最初の出張は光合成研究会の幹事会でした。2期4年を勤め上げた常任幹事としての仕事も今回で終了。いろいろなことが学べた楽しい活動でした。私は光生物学協会員としての仕事も兼任。お陰で光合成以外の先生ともお近づきになることができ、非常によかったと思っています。しばらくは外からこれらの会の運営を眺めながら協力を惜しまず、再度、参画する機会があれば引き受けていこうと考えているところです。終了後は、伊藤前会長の心づくしでささやかな新年会を挙行。結構盛り上がりました。

2008年

2008年12月17日 日英JSTセミナー(関西学院大学三田キャンパス)

 JSTとMEXTの合同セミナー「Principles of Bacterial Photosynthesis and Dye-Sensitized Solar Cells」に参加、発表してきました。ここ4週間、毎週続いた学会・研究会もようやく昨日で打ち止め。年内最後の出張が終わりほっとしています。それにしても昨日の発表は英語で1時間の研究報告。準備も直前の前日だけ、発表も(練習不足で)しどろもどろで申し訳ない限りでした。それでも英国・グラスゴー大学のCogdell先生は一生懸命に聞いてくださり、質問や貴重なアドバイスをくださいました。来年3月はじめにグラスゴー大学に訪問・共同実験する約束もでき楽しみです。

2008年12月9日-12日 第81回日本生化学会(神戸ポートアイランド)

 久しぶりに生化学会に参加し、ポスター発表してきました。記録を見ると何と2002年の京都での学会に参加して以来ですので6年ぶりです。この年度末、インドの国際学会、生物物理学会、そして生化学会と1週間刻みのスケジュール。その間に授業、締め切り原稿があったりして、超多忙で、10日のみの参加・発表となりました。それでもディスカッションしたかった方には会うことができ、有用な情報も入手できました。ポスターは、現在、米国・セントルイスに滞在している原田二朗君が作成しておいてくれたので、準備に関しては随分と助かりました(感謝感謝!)。

2008年12月3日-5日 日本生物物理学会第46回年会(福岡国際会議場)

 インドから帰国して体調が悪く、最終日・3日目のみの参加となりました。ちょうど光合成のセッションの日で、午前中はシンポジウム「光合成の新たなる潮流:光合成で新エネルギー創製を達成できるか」に出席、討論にしっかりと加わってきました。また午後は共同研究者のポスターを見に行き、新しいデータに関して教えてもらい、次の研究計画についても相談してきました。帰りは仲間たちとビールで乾杯といきたかったのですが、やはりまだ胃腸の調子が悪く、私は無難にもホットココアでの慰労にとどめました。福岡にはいろいろと美味しいものがあるのに、今回の出張は本当に残念!

2008年11月24日-26日 第4回アジア・オセアニア光生物学会議(インド・バラナシ)

 日本光生物学協会の委員をしている関係上、光合成関連セッションのオーガナイズを依頼され、参加、発表してきました。インド訪問は初めてで、ガイドブックを読んでは期待と不安が交錯する中、興味津々で出かけました。会議自体の内容もさることながら、インド国内のさまざまな状況に直接触れることができ、文化の差異というものを痛感しました。毎日、驚きと感動の連続でした。町・道路は人と物であふれかえり、特に若者たちはエネルギッシュで活気に満ちていたのが印象的です。いたるところで工事が行われ、インフラが着実に整備されつつありました。これから10年、20年の歳月が経ったときに、まさに世界経済のトップ5に躍り出てくることは間違いないんだろう、と思いました。ただ滞在中、ムンバイでテロが起こり、多くの方が犠牲になられたことは痛ましい事件で残念です。さらに帰国に際してはタイのバンコク経由の予定だったのですが、空港閉鎖のためどうなるかと不安でした。デリーのタイ航空カウンターで、うまくソウル経由のアシアナ航空に変更手続きをしてくれ、難なくを得ました。ある意味、今回の旅は世界政治(経済も)というものを肌身で感じる出来事の連続で、一生、思い出に残る出張の一つになったことは間違いないと思います。

ガンジス河のほとりで 会議場前で
ガンジス河のほとりで 会議場前で

2008年6月14日-15日 第16回光合成の色素系と反応中心に関するセミナー(京都大学)

 本年で第16回目となる、毎年恒例のセミナーに参加、発表していきました。当初は共同研究者である原田二朗君(立命館大学)だけの発表予定でしたが、オーガナイザーの方から口頭発表のスケジュールに余裕があるから話をして欲しいとの依頼があり、急きょ、私も発表することにしました。このセミナーは第1回目から毎年、欠かさずに出席している会であり、私にとっても非常に思い入れのある研究会です。最初の頃は、このセミナーの日程に合わせて、基礎生物学研究所での実験日程を組み、そのまま生データをOHPにして発表していたころが懐かしいです。16年前、基礎生物学研究所で光合成細菌の勉強会を始めたのが、そもそものこの会の発端で、年々、大きく発展していきました。若手学生もどんどん参加するようになり、私もいつの間にかシニアの仲間入り。光合成研究を支えていく立場にならなければと、思う今日この頃です。しっかりと自身の研究を発展させながら、若手を育成していきたいと考えています。

ポスター発表風景
ポスター発表風景

2008年5月30日-31日 第8回日本光合成研究会シンポジウム(名古屋大学・野依記念国際交流会館)

 今回のシンポジウムタイトルは「光合成を支える多様な分子システム」で、京都大学の鹿内利治先生、名古屋大学の藤田祐一先生とともに、オーガナイザーとして参画しました。光合成研究会の常任幹事として4年目であり、最後のご奉公として引き受けました。担当セッションは「光を情報として使う」で、最近、赤色光以外のいろんな種類の光受容体が見つかってきて、構造解析からシグナル伝達系、気孔孔辺細胞の開閉運動、と分子レベルかの仕事から生理反応まで一気に理解してしまおうという欲深い企画をしました。お陰で現在の研究動向を一気に勉強でき、理解が深まったと思っています。また自らも最終日の最後のセッションで講演する機会までもいただき、「光合成細菌から見る植物型光合成:いま、なぜ光合成細菌か」というタイトルで、名古屋大学の藤田祐一先生とともに話題提供しました。光合成研究の中で忘れられがちな光合成細菌の研究をしっかりと訴えることができたのではないかと思っています。  さらに嬉しいことに、一緒に参加した原田二朗君(立命館大学)がポスター賞をいただくこともできました。研究会の本年の会誌(会報)でも研究紹介記事を書くことになりますので、是非、お読みください。日本光合成研究会のホームページから無料で閲覧、ダウンロードできますので、発行になりましたら本ホームページ上でも紹介する予定です。

ポスター賞受賞風景 ポスターの前で記念写真
ポスター賞受賞風景 ポスターの前で記念写真

2008年3月20日-22日 第49回日本植物生理学会(札幌コンベンションセンター)

 ようやく春めいてきて暖かくなった関西を離れ、まだ路肩や公園には残雪が見受けられる北海道・札幌に行ってきました。今回は学生の浅井智広君(D1)と宮郷正平君(M2)、そして学振研究員である原田二朗君(立命館大学)が発表してくれました。とくに宮郷君は学会初デビューで初の口頭発表ということで緊張していたようです。各自が実りあるディスカッションができ、今後の研究のための貴重な情報も入手することができた非常に有益な学会でした。最終日の光合成色素のセッションでは、名古屋大学の藤田先生がDPORの結晶構造解析に関する報告を3演題連続でされ、私も思わず立てづづけに質問攻めをしてしまいました。4日目の日曜日は、ぽっかりと時間が空いたので、小樽まで足を伸ばして初春の北海道を満喫してきました。

ポスター発表風景 楽しい歓談のひと時(1) 楽しい歓談のひと時(2)
ポスター発表風景 楽しい歓談のひと時(1) 楽しい歓談のひと時(2)
小樽運河 小樽のオルゴール館 ? ?
小樽運河 小樽のオルゴール館 ? ?

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