「原子間力顕微鏡による光合成研究へのアプローチ」
出羽毅久*・角野歩(名古屋工業大学大学院工学研究科、*JSTさきがけ)
原子間力顕微鏡(AFM)は、走査型プローブ顕微鏡の一種であり、微小探針−試料間の原子間力を検知して試料の表面形状を描く顕微鏡である。AFMは試料への特殊処理が不要で、また液中での観察が可能であることから、光合成膜タンパク質を含む生体分子の構造観察に広く用いられるようになってきた。また近年では単に表面形状を描くだけではなく、微小探針を電極として兼用することにより、任意の局所領域における電流計測等も可能になり、分子レベルでの機能解析が可能になりつつある。ここでは、AFMの簡単な原理から光合成研究における応用まで、最近の我々の結果を交えて解説する。
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