Last Modified 2025-01-24 ver.12
高大接続教育 origin
Z-sce 分子生物学実習「ジャイアントインパクト」
学びを生きる力に変える 科学的キャリア教育
〜科学や思考をエンジョイし、若者に感動と生きる力を与える生命科学教育〜
※日本最古の高大接続教育
大阪大学大学院理学研究科の公開講座として1996年から27年間で50回実施
「令和4年12月実施 阪大分子生物学実習 実施要項・実習理念」をダウンロード
(docファイルをzipアーカイブ化してあります。)
本実習が行っている「高大接続教育」とは
高校と大学のギャップを埋めて、若者たちが失いつつある「さらなる学びや成長への意欲」「生きる意欲や仕事への意欲」 「社会貢献を含む問題発見・問題解決への意欲」など心のエネルギーを蘇らせて、思考を楽しむ力に迫る教育です。
実習実施団体名 Z-sce(ゼット・シー)
高大接続教育origin×科学的キャリア教育実践団体
※ Z-sce が担当している実習はこちら
<実施主担当者(文責)>吉本和夫 E-mail:bpbiv309@yahoo.co.jp
事前に申し込みが必要です。 詳細は、こちらの申込み参加規定・申込方法をご確認ください。
ダウンロード
ダウンロード



<実習実施団体名 Z-sce(ゼット・シー)>




たった3日間で「高校生が人生を変え、大学生が院生を超える!」 = 勉強や研究への意欲に点火
本実習は 高校生から大学生・院生までを教育する総合的な教育システム です。
本実習の命 は 日本一の学生チューターです!
本実習は、大学生院生をきらきら輝き生きる力に溢れた若者にする教育です!
思考が苦痛から楽しみに変わった時、人生が変わる!
楽しい思考は疲れない。いつしか勝手に思考していた!そして自分の中に光が見えてきた!
『 考えることが好きになった私はこれからもっと学ぶことが好きになると思います 』
<高校生感想文から>
『チューターの方々は私の憧れと目標になりました。こんなに目が輝き、生きる力に溢れた大学生に私は今まで出会った事がありません。私もこんな大学生になりたいとこれ程強く思ったのも初めてです。実験に対する姿勢、科学に対する思いなど見習うべき点が多くあり、ただただ尊敬するばかりでした。そんなチューターの方々を見ていると、自然と勉強しようと思えるようになり、生きる力が湧いて来るのです。』
『初めて心の底から生きていてよかったと思えました 「人間ってこんなに変われるんだっ」と声が出るくらいこの阪大実習の前後で私は変わりました』
『すごくつらかったです。でもわかったとき、自分でもなんでかわからないけどすっごく感動して、チューターさんに「今の感覚大事にしてね」と優しく言ってもらったとき、急に泣きそうになりました。というかちょっと泣きました。あの時は本当に感動しました。参加できて本当によかったです。その大きな理由は、チューターの皆さんにであえたことです。』
『私は今,iPS細胞を山中教授が作ったというニュースを聞いたときよりはるかに大きな衝撃をうけている。この実習に参加し自分で答えを考える事ができたという達成感から来る衝撃だ。この大きな大きな衝撃は,しばらくの間私の頭から離れることはないだろう。そして,この3日間は私の一生の思い出だ。思考というものが,こんなにも楽しいものであると気づいたことは,大きな発見だからだ。実習を終えた私には考える力が身についた。そして,確実に人生が変わったと言える。』
『こんなすばらしい実習に参加することができて私は幸せだ。しかし,この実習がなくなってしまう可能性が高いと聞いた。そんな事があっていいはずがない。この実習は,私たちのような高校生に生きる力を与えるために必要なものだと思う。私が受けた大きな衝撃と感動を,後輩にも伝えたい,こんな難しそうな内容が,全部理解できるということを生きていくための自信にしてほしい。この経験で,私は今「何だってできるんだ!」という自信に満ちている。』
『冬休み前に突然,何のために勉強しているのかわからなくなったのです。目標があることには変わりないけれど,その目標は本当は何の意味もなさない,ガラクタのように思えました。成績も落ち,勉強が面白くなくなっていた時にこの公開講座に参加できたことで,私はもう一度考え,発見し,学ぶ楽しさを感じることができたのです。この講座を年に2回開くことはとても大変なものでしょう。しかし私のように,何のために勉強しているのかわからない高校生のために公開講座を開き続けてあげて下さい。そして,もっと多くの参加者を受け入れてあげて欲しいです。』
『私の心に一番残った言葉は“人間は人を喜ばせなければ生きていけない”というものです。人間は人の笑顔からエネルギーを得てそれを原動力とする生き物なんだとわかりました。私も将来誰かを喜ばせてあげられるように、そして他人の喜びが自分の原動力なんだと胸を張って言えるように、人間らしく、日々努力していきたいです。将来には不安がいっぱいだけど、希望とかやる気とかいうものは他人から与えられるものじゃなくて、自分の内側から生み出すもの。でもその原料には人と人のつながりが必要なんだ、と思えるようになったことが大きな収穫だと思います。』
<チューターの声>
『これほどまでに一つのことについてひたすらに考え続ける経験は、この実習以外ではしたことがありません。今の私にとってはすごく新鮮な感覚でしたし、今後研究者としての道に進むきっかけになりました。』
『生徒さんの目の色が変わった時に、ヒトがここまで変わった瞬間を見たことがなく、生まれて初めて感動しました。こういうことができるんだなぁと、感動し、そして感動できる生徒さんに出会えてよかったと思えて、自分も役に立つんだと思いました。彼らの姿に感動し、実はこの時うれしくって涙がでました。』
『私ももともと考えるのはあまり好きではなかったのですが、高校生が真剣に思考している姿を見ると、自分なりの答えや考え方を持つことの重要性が伝わってきて、私ももっと普段から思考するくせをつけなければ、と気が引き締まります。
実習を行う前と比べて、これからの研究意欲・やる気について変化がありました。理学部に入ったものの、研究ということに関してあまり自信が持てなかったのですが、出来ない自信がないというばかりではなく、積極的に挑戦してみようという気持ちになりました。』
『この高校生実習でチューターを経験していなければ、将来社会人として仕事を始めたとき、自分の不器用さに苛まれ、自信をなくし途中で挫折していたでしょう。しかし今回の体験から、仕事を始めた時に壁にぶち当たっても挫けない自信ができました。』
『人前で話す練習になる。たくさんの高校生と話をして、いろんな人の考え方を聞ける。私が今まで考えもしなかったような良い考え方や質問もあって、学ぶことも多く本当に楽しい。私が及ぼす影響なんかよりも、私が彼らから受ける影響の方が大きいんじゃないかと思う。楽しそうな顔を見ていると、元気が出る。こうなんじゃないか、って自分の思いついた考えを話してくれるときの顔がすごく好きです。思い返して嬉しくなる。最後に「楽しかったです。ありがとうございました」って言ってくれて、すごく嬉しかった。こっちもその言葉に応えたくて、あれこれと調べて勉強する。彼らの興味やレベルに応じて、分かりやすく面白い話が出来るようになりたい。伝えてあげたいことや、考えを聞きたいことがいっぱいある。』
『高校生が一生懸命科学と向き合う姿を見るのは凄くいい刺激になりました。それによって勉強に対するモチベーションがグンと上がりました。高校生や先輩チューターから勉強に対する姿勢を学ぶことができた。今回の実習に参加してくれた高校生はみんな自分の高校時代とは比べ物にならないほど勉強熱心で一生懸命だった。先輩チューターは全員自分の知ってる他の2回生、3回生の比じゃないくらいたくさんの知識を持っていた。僕もそんな人たちに追いつけるくらいの努力がしたい、と思えたことが一番の収穫です。』
『基礎セミナーとこの実習が僕の学生生活に与えた影響は計り知れません。もし基礎セミナーを取っていなかったら、恐らく受験勉強と大差ない、単位を取るためだけの勉強しかしなかったことでしょう。
今回、新人チューターとして初めて高校生実習に参加しましたが、この実習に参加できて本当によかったと思いました。実習の準備の段階から先輩チューターの頑張りを目の当たりにし、また本番3日間はたった1歳か2歳年下の高校生たちの熱意に触れて、僕自身も彼らに負けないような努力を続けなければサイエンスの世界では通用しないのだ、ということを早めに認識できたのが幸いでした。大学受験が終わってから見失いかけていた目標をこの実習で再び見つけることができました。』
『今回僕は最後の訓話で生きてて良かったと言ってしまいました。考えていたことも一応はあったのですが、泣かないようにしようと思っていると話すことができなくて、それで出てきた言葉でした。
実習を通して、いろいろな人に感謝されたように思います。僕も、たくさんの人に助けてもらって、たくさんありがとうと言いました。たくさんの笑顔を見て、僕もたくさん笑顔になりました。そんな組織はよい組織なんじゃないかと思いました。』
<チューター院生の声>
『実習を通して高校生や後輩のチューターの指導のために育まれた「問題提起」能力は、サイエンスの基本の能力であり、自身の研究を考察したり、他人の研究を聞いて意見を述べる上で役に立っています。
また、実習で何が必要なのか想像し、実習に使う試薬や器具の準備をし、他人とコミュニケーションを取り合って実習の準備を進めることで、組織的な行動やプロジェクトの進行能力が培われたと思います。』
『高校生実習の準備をしながら実験中の試験管の中で起こっている生化学的もしくは物理化学的な現象についての仮説をたて、検証するための実験を計画、実行し、結果を考察するというミニ研究みたいなことをしていました。
このミニ研究によって、自分で研究を作り上げていく楽しさを実感できただけでなく、分からないことを調べる、考える、もしくは大学院生に考えを聞いてもらうことによって能動的な学びをすることができたと思います。
しかしこのミニ研究によって得られた一番の学びは、「失敗」をした時に得られました。
この一番の学びというのは、「失敗」によってこれまで気付かなかった事柄に気がつき、この事柄の意味を咀嚼して、既知の事柄やアイデアと統合し新しいアイデアを生み出す体験です。
この「失敗」できる環境で十分「失敗」した経験が今の研究に大変役立っていると思います。』
『大きなものは実習を成功させるために集まったTAとの出会い。困難を乗り越えていく力をもった人々と会えたことで自分の価値観を深められたことに加えて、そういった人々と実習の準備を進め、失敗や成功を経験し共に工夫して実習を運営していくことで、自分の科学に対する造詣を深め、組織的な活動を進めていく能力が身についた。
それはかけがえのないものであり、実習を運営するにあたって養われた才能、人格が今の自分の在り方に大きく影響しており、また将来において、実習を通して出会った人の輪が、何をする上でも大きな助けになると確信している。』
<チューターOBOGの声>
『実習が教えてくれることは、人生の生き方や楽しみ方全体と感じていますが、中でも、やはり理系の人間にとって、純粋な探求心や研究の面白さを再認識させてもらえることは、暗い研究のトンネルにはいりこんでしまった時にはとても助けになったなぁと実感します。一番大きい部分は、人間力を学べるというところにある。』
『社会人になった今、高校生実習の経験を振り返ってみてたくさん得たものがあることに改めて気づきました。その中でも大きな影響を受けているものが2つあります。
一つ目は立場の違いを体験できたこと。
二つ目は自分で考えて行動すること。
教えられること、教えること、教える人を育てること、後輩を見守ること、様々な立場にたって実習を見ることができ、様々な思いを感じ、立場が違えば同じことでも全く違う結論、意見を導くことを実感しました。
また、実習では高校生だけでなく、チューターも一緒に悩み、自分で考えて理論を立てていくという経験をたくさんさせてもらいました。
立場の違いを無視せず、人の意見をしっかり聞くことで周囲とよりよい人間関係を築き、人に従うだけでなく、自ら考えて行動することで、信頼される。
社会人として生きていく上で、最も大切なことをこの実習から学ばせてもらったと思います。』
『実習を通して最も刺激を受けたのは、優秀な高校生が大勢いるということ。彼らの多くは頭も柔らかく、集中力も高く、何よりも学ぶことに非常に意欲的であった。漫然と過ごしがちな大学生活において強い刺激を受けたのは自分だけでないと思う。また、人に教えることの喜び、教え方やプレゼン力、メンバーをまとめプロジェクト(実習)を成功させるためのマネージメント力など、後輩の育成やマネジメントという点で若い時期にこれほどまとまって経験できたことは、現在会社においてプロジェクトリーダーをしていく中でかなり大きな素地になっていると常々感じている。』
『高校生実習は、日本の宝であると同時に、実際に受講し、その後チューター、講師として関わらせていただいた私にとりましては、財産です。実習生のときには、ジャイアントインパクトを感じ、将来への希望に溢れました。チューター時代には、生徒さんたちの瞳の輝き、自由な発想に力を与えられ、講師をさせていただいたときには、教えることの難しさと楽しさ、そして終えた時の達成感と自信を得ることができました。
受講生、チューター、講師、それぞれに実りがあり、人生の糧となる実習は、私の今までと未来を支え続けてくれています。』
<高校教員実習存続嘆願の声>
『理系学生(特に阪大に進学するような優等生)の多くが苦手とする,他者とのコミュニケーション能力,自分が持っている知識や理解していることがらを他者,特に専門知識の乏しい一般市民(の代表例としての高校生)に噛み砕いて説明することができる能力が,実習を通して磨かれていき将来研究者になったときに自身の研究の意義・内容などを発信していく際に必ずや役立つと思う。
講師吉本先生が,「高校生にとって本当に効果的な実習はどうあるべきか」ということを真剣に考え,その実現のために大学生チューターを育て上げ,「実験」と「思考」をくり返して科学,特に理学の本質に迫る教育プログラムとして本実習を作り上げたことが何よりも大きい。どんなに高校と大学が丹念に打ち合わせをしたとしても,実際に高校生の状況を知り尽くしている高校教員が,大学の設備・人員を活用して行う本実習に勝るものを生み出すことは難しいのではと感じる。
実学である工学・農学・医学・薬学に対し,純粋理学を体験できるプログラムとして「阪大実習」は非常に貴重な機会であり,これからも内容を充実させての継続を強く希望する。』
『大阪大学の実習は他のいずれの実習とも異なる、唯一無二の実習であると思っています。その理由はこの実習が、人が生きるとはどういうことなのか、学ぶとは何か、ということを参加したすべての人が考えさせられる実習となっているからです。高校、大学問わず、いかに生徒・学生に生きた知識を身につけさせるのかが今問題となっています。この実習は学校でこれまで学んできたことを活かし、さらに活用させないと問題解決できないしくみが備わっています。この実習を経験した高校生はみな、学校での学びは単に受験のためだけではなく、その先につながる人生への準備であると認識し、日々の学習にたいする取り組みの姿勢が変わります。中には、この実習がきっかけで大阪大学を目標にし、合格した生徒もいます。さらに、自己有用感を感じつつ、「人間」らしく生きるとはどういうことなのかが分かります。
また、大学生にとっては、自分の勉強したこと、準備し努力してきたことで、目の前の高校が涙を流して感動し、感謝するという普段ではできないことを経験できる機会であります。自身の学びによって他人の人生観を変えるほどの大きなインパクトを与えるということを直接実感できる数少ないチャンスであります。同じ大学の他学部との交流は部活動やサークル、共同研究等の活動を通じて持つ機会はあるでしょうが、自身の学びを通じて、生きる喜びを感じられる、人の役に立ったという自己有用感を感じられるこのような取組こそが、今の大学生に必要ではないかと感じております。
今後もこのような貴重な実習が続くことは、高校生にとっても、高校教師にとっても大きな願いであります。と同時に、大学生がいろいろな意味で成長できる大きなきっかけともなると考えております。人間教育こそがこの国の財産を築いていく土台であり、その人間教育に力を入れてこられた大阪大学こそ、この実習を実施できる数少ない機関であると思います。今後もこのような意義のある実習が続けられることを切望いたします。』
『阪大実習については、参加生徒の担任からの評価も高く、ぜひ連れて行ってほしいとこれまで継続してきました。参加した生徒が、3日間の実習を終えると眼の色が変わって勉強をします。参加後は毎年大阪大学を希望する生徒が出ます。
阪大実習に参加した生徒は本人だけでなく、教室に帰ってから他のクラスメイトに与える影響も大きいです。そのため、2年時に行かなかった生徒がどうしても3年時に行きたいということもありました。毎年、学校での勉強にいやいやだった生徒も、学ぶ(考える)ことの意味を見つけて帰ってきます。
このような素晴らしい実習をぜひとも今後も継続していただきたいと願っています。』
『子ども達に、力強く自分の道を歩む力を身につけて下さった阪大実習には心から感謝しておりますし、これからも多くの子ども達に、一生が変わるようなきっかけとなる3日間を与えて下さいますよう、心から切に願っております。』
チューターは実習の命です 感動の対象であるチューターはいつも輝いています!
何が何でも理解させるぞ!元気を与えるために!




参加高校生も今は阪大実習のチューターになり
感動を伝えています!

感動の対象であるチューターは
いつも輝いています!

実習3日間の最後にチューターから
感動の修了証書授与

「高校生も大学生も感無量です!
達成感の涙と微笑み」

<文責:実施主担>吉本和夫 E-mail:bpbiv309@yahoo.co.jp




受講対象者:原則は高校2・3年生(理系)を対象とする。(定員30名)
12月実習は高校1年生も参加可能。
※ 高校教員・保護者などの参観・見学も大歓迎ですが必ず事前にご連絡ください。
開催日程:2022年8月24日〜26日 午前9時 〜 夕方
2022年12月25日27日28日 午前9時 〜 夕方
(受講料は、9,700円です。)
開催場所:大阪大学理学部本館2階b236生物学生実験室・生物科学科研究室など
アクセスマップ:http://www.sci.osaka-u.ac.jp/location/maps-jp.html
参加条件:申込書内容などによる事前審査があります。
参加には保護者の承諾同意が必須です。
@ 3日間の全ての実習に必ず参加・履修できる方。「遅刻早退」は認めておりません。
A 実習終了後、この実習に関する感想文(1000字程度)・アンケート・事後提出課題を必ず提出できる方。
B この実習に必要な予備知識(遺伝子[DNA]・酵素[タンパク質]・ラクトースオペロン)等を学習する事前指導に参加した方。
本実習は3日間、朝は早く晩は19時30分ぐらいまで行いますので、実習内容のみならず体力的にもかなりハードですので 無理のできない方、また集中力の続かない方の参加は認めておりません。
なお、実習当日3日間は終了は19時30分頃で30分ぐらいの誤差があります。特に3日目はこれより遅くなる可能性がありますのでこの点ご了承いただける方のみの参加となります。
※ 受講料は、9,700円です。事前に申し込みが必要です。
詳細は、こちらの申込み参加規定・申込方法をご確認ください。
持参物:実習書・生物図録・ノート・筆記用具
修了証書授与:3日間の全ての実習に参加・履修し、感想文・アンケート・課題を、提出した方には、修了証書が大阪大学から授与されます。
<学校参加の高校> 大阪教育大附属高校平野校舎・池田校舎 清風南海高校 四天王寺高校
大阪府立高津高校・大手前高校・生野高校 大阪星光学院高校
高知県立高知小津高校 済美高校(愛媛) 東京城北学園高校
大阪女学院高校 小林聖心女子学院高校 六甲学院高校
京都府立南陽高校 兵庫県立大学附属高校 など






<実習紹介ビデオコンテンツ・雑誌>
文科省JSTサイエンスチャンネル ・SPP事業紹介ビデオ DVDサイト
〜サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト〜感動と生きる力を与える分子生物学実習
https://drive.google.com/file/d/1bAnhZDAeql4XvP_oegPHLt2P3Vy-25Tw/view?usp=share_link
“実習の最後には、高校生も大学生も涙!涙!それはなぜでしょう?体験すればその理由がわかります。”
JST News 2007年1月号 「若者に大きな感動と衝撃を」
(大阪大学大学院理学研究科招へい研究員・吉本和夫)
https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/backnumber/2006/2007-01/page01.html(表紙)
https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/backnumber/2006/2007-01/page15.html(本文)
[参考]
化学2002年2月号 pp35〜40:理科教育の再生への道のり ― 高校と大学の連携教育によって得られるもの
化学2002年9月号 pp40〜44:若者に感動を与える実験授業を! ― 高校生が大学で体験する分子生物学実習を例に
<実習計画・日程>
実習日程 フロー図
生徒 4―5人につき、最大 2 人のチューターが付きます。
不思議に思たことは何でもきいてみよう!
<1日目> 9時 〜 19時ごろ
挨拶・諸注意 |
|
科学的キャリア教育の開始! 何のために勉強しているのか 考えるために |
---|---|---|
プラスミドDNA の制限酵素処理 |
|
科学的思考・情報活用 の 実践的トレーニング |
DNAの電気泳動 |
|
|
研究室見学 |
|
|
遺伝子組み換え |
|
三日間続く実験です! |
大腸菌形質転換 |
|
吉本の開発した 大腸菌形質転換簡便法・ 生命科学教育デジタルコンテンツ を使用 |
結果分析・予想 |
|
翌日は考えて来た意見を発表してもらいます!
しっかり考えてこよう!
予想通りにはいかない!「何故だ?」の連発
予想が外れてからがサイエンス!
<2日目> 9時 〜 19時ごろ
DNA電気泳動 の結果分析 |
|
「何故こうなったのか?」を思考し
原因について、仮説をたてる 問題発見に挑戦!
|
---|---|---|
〜 講演 〜 生命倫理とは |
|
|
〜 講演 〜 生命科学リテラシー |
|
予想も出来ないどんな成果に結びつくか? 人助けにつながるか? やってみないと分からない! |
形質転換実験 の結果分析 |
|
最も多くの仮説を立てた班には副賞授与! |
〜 講演 〜 教員講演・電顕 |
|
ここから4つのグループに分かれて
ローテーション
研究室見学 |
|
|
---|---|---|
電子顕微鏡実習 |
|
|
面白実験 植え継ぎ |
|
目指せ!おもしろ大発見!?
ふとした疑問から生まれる新事実!? 問題発見から仮説設定, 実験計画立案 全て自分たちで考えてやってみよう! |
<3日目> 9時 〜 19時ごろ
プラスミドDNA の抽出実験 |
|
余分なものを除き、 プラスミドDNAだけを 取ってこよう! |
---|---|---|
制限酵素処理 電気泳動 |
|
1日目に同じ操作を したのが生きてます! |
DNA電気泳動 の結果分析 |
|
結果観察・情報表現・情報活用 問題発見・仮説設定 の練習 |
全体発表 |
|
|
事後指導 キャリア教育 |
|
本実習から得た多くの学びを 「生きる力」に変えるために 事後指導やチューターの話から、 「生きる力」とは何か、感じて欲しい |
チューター訓話 |
|
|
修了証書授与式 |
|
|
懇親交流会 |
|
お疲れさまでした!
原則 1班は4〜5人として、8班制。
[注]各班には本実習の命であるすごい学生院生指導者(チューター)がついて個別指導に当たる。
<1日目> 9時 〜 19時ごろ
(1)挨拶・訓話・諸注意
実習概説・遺伝子組換え実験心得・基本操作確認・小問発問
科学的キャリア教育の開始です! この実習は単なる科学教育ではありません!
何のために今勉強しているのかを考えるための教育です
(2)プラスミドDNAの制限酵素処理 面白実験も実施しその結果を予想!(来てのお楽しみ!)
制限酵素からの学び:問題発見能力とは科学的な心の眼
観察→情報活用→不思議気づき・問題発見・仮説の設定の練習
(3)DNA電気泳動実験 泳動用ゲル作製から実験結果分析まで実験思考をエンジョイします!
(4)倉光研究室など理学部生物科学科実験施設見学
(5)遺伝子組み換え ライゲーション実験(プラスミドDNAにインサートDNAをつなぎ込む)
(6)大腸菌形質転換実験 形質転換の謎に迫る!
培養・集菌遠心からスプレッドまで省略なしに全操作を実地体験
本実習の遺伝子操作本実験(組換えプラスミドを大腸菌に形質転換する)
対照実験を3つ立案 その結果を予想!(来てのお楽しみ!)
※吉本の開発した大腸菌形質転換簡便法・生命科学教育デジタルコンテンツ使用
(7)本日の実験結果分析 予想通りにいかない!「なぜだ?そんな馬鹿な!」の連発
(8)実験結果予想・結果分析など実習書小問は2日目への思考課題となり宿題!
明日はみなさんに発問して発表していただきます! しっかり考えてきてください!
実験開始はピペットマンの解説から 高校生もチューターも緊張!しかし、チューターはそれを顔には出せません!


問題はピペットマンの先!チューターの目線は厳しく輝く!




電気泳動実験


電気泳動写真撮影


無菌操作を初めてやってみる


集菌から塩化カルシウム処理 大腸菌は大丈夫か?!




形質転換実験の最後はスプレッドです。なぜかみんな楽しそう!


<2日目午前> 9時 〜 12時
(1) 1日目のDNA電気泳動実験結果の分析
面白実験を含めて結果を観察し予想との相違点を文章表現する
「なぜそのようなことになったのか?」を思考しその原因について仮説を立てる
さらに泳動実験のミステリーに迫る追加課題で問題発見に挑戦!
(2) 「科学的な心の眼」どこに存在?
「人間らしさ」について考える 人間しか持たないもの、できないものとは?
(3) ゲノム分析に関する小問を生徒に発問 生命科学リテラシーとは?
ヒトゲノム研究など先端科学がもたらす社会的イシューズについて考える
自然科学は未知への挑戦 「まず科学を楽しむことが第一!」
「予想もできないどんな成果に結びつくか?人助けにつながるか?」はやってみないとわからない!
(4) 1日目の形質転換実験結果の分析 これまた想定外の連発!
立案した対照実験を含めてコロニーを観察し予想との相違点を文章表現する
「なぜそのようなことになったのか?」を思考しその原因について仮説を立てる
さらに形質転換実験で生じるミステリーに挑戦! “ 最も多くの仮説を立てた班には副賞授与 ”
情報が少ないと仮説はたくさん立ちますが、多くなれば仮説は絞られます。
検証実験計画立案→結果予想→実験実施
高校生への集中発問開始 自分の考えを発表する!
「それは面白いけど何かおかしくないですか?」サイエンス突っ込みにどこまで頑張れるかな!


観察してありのままに文章表現してみよう!問題発見できるかな?!


予想とは違うぞ「なぜだ?そんな馬鹿な!」サイエンスはこれからです!


形質転換実験で生じるミステリーに挑戦!
“最も多くの仮説を立てた班には副賞授与!”
班別課題に挑戦 グループ討論開始!

2日目 公開採点だ!
「各班に解説してもらいましょう!
ここでは口頭解説ができれば加点します!」
わかっていても表現できないとだめです。
「それはおもしろい!大幅加点だ!」

<2日目午後> 13時〜19時ごろ
(1) 升方教授の生命科学の講演[40分]と電子顕微鏡概説[15分]
(2) 4つのグループに分かれて、ローテーション方式で行う。
@ 阪大教員の研究披露・研究室見学
A 電子顕微鏡実習:電子顕微鏡を用いた生物観察
B 実習本実験 形質転換体コロニー植え継ぎ
C 生徒何でも面白実験「 thinking time 」
目指せ!おもしろ大発見!? ふとした疑問から生まれる 新事実!?
―問題発見から仮説設定、実験計画立案などすべて自分たちで考えてやってみよう!―
研究室見学・研究披露 | 電子顕微鏡実習 | 生徒何でも面白実験 (植継含む) | ||
---|---|---|---|---|
実験室 | A427など | A324 | b236 | b236 |
14時00分〜14時55分 | A( 久保田 ) | B | C | D |
15時00分〜15時55分 | B( 久富 ) | A | C | D |
16時00分〜16時55分 | C( 古屋 ) | D | A | B |
17時00分〜17時55分 | D( 木村 ) | C | A | B |
※阪大教員の研究室見学・研究披露は、各時間帯によって講師は異なる。昨年12月実習のものを掲載。
2日目講演・研究披露 研究室見学










電子顕微鏡実習


2日目大腸菌植継から培養へ




生徒何でも面白実験
班別会議:問題発見から問題解決へ


<3日目午前> 8時45分〜12時
(1)プラスミドDNAの抽出実験(形質転換した大腸菌から自作の組換えプラスミドDNAを取り出す)
(2)抽出したプラスミドDNAを制限酵素処理してから電気泳動する
各操作の科学的意義について高校生に発問し思考しながら実験を進行する
プラスミドDNAのみを取りたい! 他のDNAやRNA、タンパク質などは要らない!
プラスミドDNAのみを取りたい! 他のDNAやRNA、タンパク質などはいらない!
各操作の科学的意義について思考しながら実験をしましょう!






<3日目午後> 13時〜19時ごろ
(3)電気泳動実験の結果を各自で分析し、プラスミド地図を描く
「結果観察→情報表現→情報活用→問題発見→仮説設定」の練習
活用情報が多くなればなるほど真実に近づきます!
情報は活用したもの勝ちです! しかしダミー情報にはご注意を!
(4)各自で分析してから、班別会議、そして全体会議で結果発表
いよいよ生徒発表会! 高校生が主役だ!
(5)事後指導キャリア教育最終訓話(講師・院生・学生)・アンケート配布
(6)高校生謝辞・修了証書授与式
最後は高校生に学んだことや感じたことを話していただきましょう!
感動のフィナーレはチューターから高校生への修了証書授与です!
高校生もチューターも涙々・・・
生徒発表 みんながわかるように説明してください!


事後指導キャリア教育最終訓話(講師・院生・学生)

チューター涙と感動の訓話


高校生代表による最後の挨拶・謝辞 「阪大実習のチューターはやはりすごかった!指導・準備ありがとう!」


チューターから修了証書を授与 チューターも感涙!


<本実習とは?>
この実習は20年前から実施している日本最古の高大接続教育です。
実習実施団体名 Z-sce(ゼット・シー)
大阪大学大学院理学研究科 生物科学専攻 公認
大阪大学 高大接続教育origin×科学的キャリア教育実践団体
20年前から始まった日本最古の高大接続教育 origin
高校生から大学生・院生までを教育する総合的な教育システム
遺伝子組換実験などを通じて純粋に実験や思考を楽しんで
科学の世界の社会人基礎力をしっかり学びます。
求めるものは生きる力 zest for living
日本で唯一の科学的キャリア教育 Scientific career education
「今何のために勉強しているのかを考えさせるための教育」
「いかにすれば学びを生きる力に変えることができるのか」という教育
の本丸に迫るのは、本実習だけです!
思考が苦痛から楽しみに変わった時、人生が変わる!
いつしか勝手に思考していた!そして自分の中に光が見えた!
日本一のチューター(学生指導者)
本実習の命は、日本一の学生チューターです!
大学生院生をきらきら輝き生きる力に溢れた若者にします!
実施主担当者(文責):吉本和夫 E-mail:bpbiv309@yahoo.co.jp
本実習は単なる大学公開講座ではなく
学びを生きる力に変えることを目的とした科学的キャリア教育です。
つまり、あらためて今何のために学んでいるのかを考えるための実習です。
今何のために学んでいるのかを考えながら実習で試練を乗り越えると学びが自動的に生きる力に変わります!
「学びが生きる力につながらない」「高い科学技術力が経済力につながらない」など
我が国の抱えるイシューズコアに迫る実習です。
また、本実習では、他の実習とは異なり、単なる科学技術を体験させることのみを目的としておらず、科学や思考をエンジョイしながら生命や科学の本質に迫ります。
そのために、本実習の実験に関する小問を次々与え、実験と思考を繰り返すことによって、3日間延べ24時間以上に及ぶサイエンスロマンの異次元の世界に生徒を誘います。
本実習の重点目標は、
サイエンスや思考をエンジョイすることを通じて、多くの学びと大きな感動を与えることで、若者達を元気にし「意欲や生きる力」を与えることにあります。
主な学びは、
1)科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニング
問題発見・問題解決の喜び
2)思考のキャッチボールを楽しもう!
グループ討論 チューター(学生・院生)との質疑応答バトル
3)学びを生きる力に変える
何のために今勉強しているのかを考える
「生きる力」はどこから来るのか?
「生きる力」を失うようなことをしてはダメ!
<本実習における科学的キャリア教育とは?>
教育の本丸とは?「いかにすれば学びを生きる力に変えることができるのか」
「いかにすれば学びを生きる力に変えることができるのか」
この答えを与えるのが本実習のようなキャリア教育です。
「今何にために勉強しているのかを考えさせる教育」こそが教育の本丸です!
文科省の教育指導要領基本理念でもある「生きる力の育成」は、日本人からますます元気や生きる力、さらに、労働意欲が失われている我が国にとって差し迫った緊急課題であることは言うまでもありません。日本人はそれなりに多くのことを学んでおります。しかし、この学びが生きる力につながっていないのではないでしょうか。何故学びが生きる力につながらないのか?!真剣に考えるときが来ています。
我々の19年間に及ぶ本実習における教育実践によって「学び」をいかにすれば「生きる力」に変えることができるのかについての答えを得ることができました。その答えはまさに本実習のようなキャリア教育の実践にあります。
また、今までの日本では「キャリア教育」といえば、単に各種職業を紹介し体験させるという「職業訓練などの就職活動補助」と捉えられてきたように思われますが、現在の日本社会で求められている「キャリア教育」とは、単なる就職活動補助ではなく、「人間としての生きざま」に触れ、学びを生きる力に変えるもので「生きる力」(意欲)を失いつつある日本の若者達にどうしても体験させたい「教育の本丸」です。
科学的キャリア教育という言葉は私吉本とJSTとのキャリア教育先行調査研究の中で私の作った造語ですが、以下に定義しておきます。
科学的キャリア教育とは、実社会を知り自己を知りその適性を考え、今何のために勉強しているのかを再検討する機会を与える教育です。そして、科学や思考をエンジョイ>することによって多くの学びと大きな感動を与え、この学びを生きる力に変え若者に元気を与えるものです。
特にこの阪大実習での科学的キャリア教育ついて追加説明します。科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニングを通じて、現実の科学の世界に少しでも迫り、高校と大学の格差を知り、自己の適性を考えるためのもので、「今何のために勉強しているのか」をあらためて考えさせることで「学びを生きる力に変える」教育システムです。
また、科学者は単に知識を与えるのではなく、今の研究生活すべてを含めて「人間としての生きざま」を高校生に見せつけることがこの科学的キャリア教育の基本で、高校生にとっての憧れとなり、高校生に「生きる力」を与えることになります。
高校生を指導する学生チューターへの教育効果も絶大です。高校生に感動や生きる力を与えることができたことによって自己の存在価値を認識し、学びが生きる力に変わっていく。実習準備実験や高校生への教育実践から得られる科学知識や技能・思考力・コミュニケーション能力・研究意欲の向上だけではありません。科学にはこんなにも人を喜ばせ、生きる力を与える能力があることを知ることで、「何のために研究するのか」将来の研究への心構えが自然と生まれてきます。
さらに、この組織は、個性や価値観の異なる人間と一緒に仕事をする練習の場でもあり、今大学生や院生教育に求められる科学の世界の社会人基礎力(人間力)や管理職マネージメント能力(リーダー力)を習得することも可能にしています。
支え合って助け合って失敗をみんなでカバーするこの組織には失敗や個性を許容できるおおらかさがあります。その失敗から膨大な学びがあり、それが能力を引き出し人間としての成長を促します。
このようにこの組織で行われている科学的キャリア教育には、普通の大学生活や研究室生活では得られない学びや成長があり、そして研究意欲向上につながる元気が学生に育まれていくのです。
私はこの実習を通じて多くの若者達に生きる力を与え元気にしてまいりました。
ますます元気を失っていく日本の現状を見る限り学びを生きる力に変えることに成功しているとは思えません。
しかし、私のこの19年間の挑戦は少なくとも成功であったと考えております。
できるならこのような実習を少しでも日本国中に拡大展開してより多くの若者達を元気にしたかったのですが、本実習は今年でラストランとなります。ラストランになったとはいえ使命は終わったとは思えません。
学びが生きる力につながらず、元気をますます失っている日本の現状では本実習の使命はまだ終わっておらず、存在価値はますます輝きを増すばかりです。しかし、本実習の最後を迎える時が近づいているのは残念です。
本実習における科学的キャリア教育とは?
科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニング
科学者の「人間としての生きざま」に触れる
↓
高校と大学の格差を知る
problems(既知)と issues(未知への挑戦:未解決の難問題)
自己の適性を考える
自分の能力を発見し引き出す
↓
「今何のために勉強しているのか」を考える
↓
思考を楽しむため
人生を楽しむため
他人を喜ばせ生きる力を得るため
私も将来こんな人間になりたい!
「何のために勉強しているのかわかった!」
「こういう人生を生きるためだ!」
↓
とにかく勉強がしたくなった!
↓
学びが生きる力に変わる
1.こんな苦難を乗り越えられた自分はすごいかも! 自己の存在価値を知る
2.将来への具体的な目標を知る 私もあんな人生がしたい! だから勉強しているのだ
3.思考を楽しむことができる(苦難の時でも思考を楽しむことがでるかどうか)
4.とにかく勉強したくなる
5.情報活用や問題発見・問題解決の具体的なノウハウ
思考したがらない現代の若者達に思考をエンジョイさせると
→とにかく勉強がしたくなった!
科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニング
実験観察→情報表現→問題発見→仮説設定→実験計画立案→結果分析
↓
実験結果予想(文章表現)→ 予想通り行かない
「なぜだ?そんなばかな!」の連発→ 思考探究心の火がつく
↓
チューターと「思考のキャッチボール」をしながら
難問題を解決し、理解していく
↓
いつしか勝手に思考していた!そして自分中に光が見えてきた!
↓
思考が苦痛から楽しみに変わる
「考えることが好きになった私は
これからもっと学ぶことが好きになると思います」
(高校生の感想文)
<科学的キャリア教育1>
科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニング
問題発見・問題解決の喜びへ
科学的思考の実践的練習 をしましょう!
→ まず実験結果を予想し文章表現する 実験しながら考える
→ 結果観察
→ 不思議?何かへんやな? 書き残す!
ありのままに 文章表現し 情報活用
「この実験結果から何が言えて、何が言えないのか?」
→ 予想通りでない!なぜだ?そんな馬鹿な!そこには必然・原因 実験からのメッセージ
→ 失敗してからがサイエンス!
→ 問題発見(仮説の設定)
→ 問題解決(実験立案)
<科学的キャリア教育2>
思考のキャッチボールを楽しもう!
班別グループ討論
高校生と大学生は互いに質疑応答を連発して思考をエンジョイする!
サイエンティフィック突っ込みをマスターしよう!
発表内容が何か変だなと思ったら、「おもしろい発表ですが、何か変ではありませんか?何か抜けていませんか?」というように、その問題の本質を指摘してあげてください。そして、その対案を考えさせ、場合によっては、その対案アイデアを指摘して、「この案はいかがですか?」と問いかけてみる。このようなサイエンティフィック突っ込みや思考のキャッチボールがサイエンスの醍醐味の一つです。みなさんが将来参加する学会でのやりとりはまさにこのようなエンティフィック突っ込みや思考のキャッチボールの繰り返しですので、この実習でしっかり練習して下さい
<科学的キャリア教育3>
学びを生きる力に変える
何のために今勉強しているのかを考えるための教育
「生きる力」はどこから来るの?
「生きる力」を失うようなことをしてはダメ!
「人間は心のエネルギーを失っては生きていけない!」
「ではいかにして心のエネルギーを得ることができるのか?」
<進路選択のポイント> 適性ミスマッチを防げ!
実社会を知る、自分を知る ⇒ 適性を考える
プロの生き様に触れる ⇒ こんな仕事がしたい!
自分の能力・個性を知る ⇒ これなら行ける!
問題は いかにして、自分の能力を発見し引き出すか?
⇒ 自己の能力を引き出せる学校・職場を探せ!
⇒ 出会い・きっかけ・チャンス が 大事!
( 実社会から乖離してはいけない ! )
チューターへの科学的キャリア教育の効果とは?
科学知識や技能・思考力・コミュニケーション能力・研究意欲の向上だけではない!
→科学の力を知ることができる
高校生に教えるために普段から実験や思考を楽しむ習慣が必要
感動の対象としての自分とは?
高校生に「人間としての生きざま」を見せる
「一生懸命生きている人間」を高校生に見せつけることで高校生に「生きる力」を与える
↓
科学や思考を楽しんだことがない高校生のために
まずチューターが科学をエンジョイし
その姿を高校生に見せる必要がある
↓
このままではだめだ!成長や自己改革への自覚が生まれる!
科学知識・思考力・コミュニケーション能力・自分の元気 が足りない!
自分の未熟に気付き成長へのきっかけとなり
新たな自分の能力を発見し引き出される
↓
高校生のひたむきな真摯な姿勢に感動!
泣きながら思考する高校生!それでも諦めないで思考している。これはすごい!
高校生を見て「何のために大学に入学したのか?」を再発見
↓
高校生の急速な成長や喜ぶ姿に感動!
こんな体験は初めてであり本当に嬉しい!
「自分もすごい!」自己の存在価値を認識
さらに人を喜ばせたくなる!
さらなる成長を求めて、勉強や研究への意欲向上
↓
高校生に生きる力を与えたチューター達は
今度は高校生から生きる力を与えられる
これが「生きる力のキャッチボール」である
↓
「今何のために勉強しているのか?研究しているのか?」を考える
↓
「科学の力を知る」
科学にはこんなにも人を喜ばせ、生きる力を与える能力があるのだ!
↓
とにかく研究したくなった!
↓
学びが生きる力に変わる
1.高校生を喜ばせて生きる力を与えることができた自分はすごいかも! 自己の存在価値を知る
2.科学にはこんなにも人を喜ばせ、生きる力を与える能力があることを知る 「科学の力を知る」
3.将来への具体的な目標を知る 私も先輩のような人生がしたい! だから勉強しているのだ
4.思考を楽しむことができる(苦難の時でも思考を楽しむことがでるかどうか)
5.とにかく勉強したくなる 研究がしたくなる
6.情報活用や問題発見・問題解決の具体的なノウハウ
7.科学の世界の社会人基礎力の習得
8.管理職マネージメント能力(リーダー力)を習得
先輩チューターから実験研究の心構えや実験技能を学ぶ
個性や価値観の異なる人間と一緒に仕事をする練習の場
→科学の世界の社会人基礎力を習得
実験研究の心構えや実験技能を学ぶ実践的トレーニング
1回生などの学生は優れた上級生や院生などから直接指導を受け
多くの学びやよい刺激を得る
多くの実験を体験し技能をマスターする
↓
上級生は人を動かし組織を管理するチャンスが与えられる
人が仕事をしたくなる環境作りとはいかなるものか?
一緒に仕事したくなる人間になるにはどうすればいいのか?
将来へつながる多くの学びがある
↓
個性や価値観の異なる人間と一緒に仕事をする練習の場!
人間の距離感を学べ!人間関係維持対応能力の育成
↓
支え合って助け合って失敗をみんなでカバーする
この組織には失敗や個性を許容できるおおらかさがある
その失敗から膨大な学びがあり
それが能力を引き出し人間としての成長を促す
↓
自分の不満やストレスをぶつけ合えばどうなるかを知る
ストレスをぶつけ合う組織になれば、その組織には存在価値はない!
「ストレスやリスク」とうまくつきあう!
乗り越えることで飛躍的な成長が得られる!
「ストレスやリスク」こそが 人間成長のため「酵素」(生体触媒)である
↓
ムードが悪い場合はどうするのか?
会話を増やせ!思考のキャッチボールを増やせ!
相手の現状に合わせた対応・会話に持ち込む!
相手の眼を見て状況判断できる練習を!
チューターはつらくとも、面白なくても、生徒の前では笑っていよう!
↓
科学の世界の社会人基礎力(人間力)を習得
↓
管理職マネージメント能力(リーダー力)を習得
<本実習は他の大学実習とは完全に性格や目標を異にしています>
この阪大実習は、単に科学技術を体験することを目的とした科学教育ではなく、遺伝子組み換えなどの分子生物学実験・電子顕微鏡実習やこれらの実験に関する小問を通じて、結論を急ぐことなく科学や思考をエンジョイしながら、生命や科学の本質に迫ろうというもので、3日間延べ24時間以上実験思考を繰り返し、実験結果をもとに科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニングを行います。
科学の楽しさのみならず、「多くの学びと大きな感動」を与え、それを一気に「生きる力」に変えようという信じがたい実習でもあります。現在、日本人からますます元気や生きる力が失われております。しかし、この3日間の実習で元気や生きる力を取り戻すことも可能です。3年間の高校生活よりもこの3日間の方が重いと言った生徒もおります。(生徒感想文ご参照)高校生やチューター(指導する学生)には最後に号泣する者もいます。
たった3日間で生徒達が「私の人生変わったと思います」「何のために勉強しているのかがわかった!」などと言っておりますが、そんな馬鹿なことはあり得ないと思われた多くの先生方や文科省の方々も参観されて納得して帰られました。
本実習のサブタイトルに「ジャイアントインパクト」とついておりますが、なぜこのようなタイトルがついているのか、3日間参加・参観された方々には納得ということです。
またこの実習はオープンキャンパスのような単なる進路指導教育でもありません。これは、高校生への従来の進路指導とは異なり、選択するのは大学ではなく「人生」、学ぶ対象は「実社会」、求めるものは大学合格ではなく「生きる力(意欲)」、重視するのは偏差値ではなく「適性・将来性」、そして学ぶ意義は、受験ではなく「生きるため」ということで、今の日本に生じているいろいろな難問題とリンクした重要な教育だということです。生かすべきは学校ではなく人間なのです。
「いかにすれば学びを生きる力に変えることができるのか」の答えを与える教育の本丸に迫るキャリア教育です!
<阪大実習における教育ミステリー>
この阪大実習にはたくさんの教育ミステリーがあります
「なぜ、思考が苦痛から楽しみに変わったのか?」「思考が苦痛から楽しみに変わったらどうなったのか?」
「なぜ、彼らは逃げずに学び続けたのか?思考と闘ったのか?」「なぜ思考をエンジョイすることができたのか?」
「なぜ、学びを生きる力に変えることができるのか?」「なぜ、元気を得たのか?」
「たった3日でなぜ、本人も信じられないほどの成長や達成感があるのか?」
「なぜ、人生を変え、勉強に対する視点までも変えさせたのか?」「なぜ、勉強したくなったのか?」
「なぜ、社会貢献したくなったのか?」「なぜ、人を喜ばせたくなったのか?」
「なぜ、自分を見つめることになったのか?そして、自分を変えることになったのか?」「なぜ、涙を流したのか?」
・・・そして「なぜ、こんなすごい感想文を書いてくれたのか?」
この実習3日間で多くの学びや大きな衝撃・感動が生徒に与えられるが
これが生きる力に変わり一気に高校生を変えてしまうのはなぜか?!
今までにはない試練や苦難を乗り越え、多くの学びや大きな衝撃・感動で
頭の中が励起状態になっている時に
⇒事後指導キャリア教育最終訓話が与えられ
⇒猛烈な勢いで連鎖反応が生じて生きる力に変わる
⇒その結晶がこのように力のある言葉が連発する生徒感想文です!
高校生感想文は本当に感動的で素晴らしい文章の連発であり、教育を提供する側にとっても多くの学びがあります。また、実施する我々にとっても「生きる力」となるコメントが多く述べられております。
これらのすごい感想文をご覧下さい!
みなさんも元気をもらえると思います!
☆☆☆
高校生感想文からわかった
<なぜ 本実習において「学びを生きる力に変える」ことができるのか?
思考が苦痛から楽しみに変わった時、人生が変わる!
楽しい思考は疲れない。いつしか勝手に思考していた!そして自分の中に光が見えてきた!
<実況中継 : 実習1日目> 実験と思考の連発!
高校生は実験を楽しんでばかりではいられない。
1日目から科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニングの連発となり、普段経験しない問題発見・問題解決の世界に入っていく!
しかし、経験したことがない「思考」の世界は高校生にとっては「苦痛」となり、「苦難」となる。
この逆境をどのようにして乗り越えていくのか?!どのようにして思考が苦痛から楽しみに変わっていくのか?
高校生はこちらが解答解説するまでは話し合ったり教え合ったりすることは許されません。
高校生の中にはかなり動揺して「何でこんなところに来てしまったのか?」と後悔する者も多くいますが、誰一人脱落することなく、翌日の実習に参加してきます!それはなぜでしょうか?
その答はズバリ「考えたくなり、理解したくなるから」ということでしょう。高校生にとってわからないかなり高度なことでも思考したくなり理解したくなる、つまり本実習では「思考を諦めないで思考してしまう」ように仕組まれているわけです。
だから逆境から逃げないで高校生は向かってくるのです!
ではその仕組みとは?教育ノウハウとは?
<実況中継 : 実習2日目> 高校生への集中発問開始 自分の考えを発表する!
1日目の実験結果は想定外「なぜだ?そんな馬鹿な!」の連発でその動揺の中
いよいよ高校生への集中発問が開始される! 高校生に自分の考えを発表していただきます。
ビビル高校生! しかし、どことなく楽しそう! 昨晩遅くまで考えてきた高校生は発表したそうな・・・
どんどん発表が行われ、小問の解答解説も次々に展開!
昨日までは泣きそうだった高校生もだんだんテンションが回復!
しかし、まだ理解は不完全・・高校生への質問はさらに続く。
今度は各班の学生指導者チューターから高校生への質問の連発!
こうなるとおとなしい高校生も黙ってはいない!チューターへの嵐の質問で応戦だ!
だが、その質問はさらなる質問で返ってきて・・・高校生のテンションは上がり続ける!
そして、高校生自らが「なんでやろ!?」と次々頭に疑問が浮かび
問題発見しどんどん思考にはまって行く!
これが、阪大実習名物の「思考のキャッチボール」である。
高校生と大学生は互いに質疑応答を連発して思考をエンジョイする!
チューター達は質問するだけではない。高校生が理解できるまでヒントを与え続け一緒に考えます。
一方、理解できた高校生は他の高校生に解説して教えるようになる。
そこでまたまた矛盾に気付き思考し問題発見する。
そしていつの間にか思考は苦痛から楽しみに変わっていく!
<実況中継 : 実習3日目> 最後の課題はいよいよ生徒発表会! 高校生が主役だ!
チューターへの質問は許されるが高校生は自力で泳動写真を分析しプラスミド地図を描かねばならない!
友達との談合は許されない!完全な個人競技となる!
「何やら友達とは違う!なぜだ?そんな馬鹿な!」高校生にますます動揺が走りパニックは最高潮へ!
2日目で実習の難所を越えたと思っていた高校生、今までかなり余裕があった高校生も
一気に苦境に陥り 思考に はまる!
一人二人とクリアした高校生から歓声が上がる!
それを見て泣きながら思考する高校生!それでも諦めないで思考している。これはすごい!
そして何とか自力で苦難を乗り越えた高校生に達成感の微笑みが・・
そして目がきらっと輝き・・うれし涙が・・
それを見たチューター達も思わずうれし涙が・・そして高校生から元気をもらう!
高校生も大学生も自己の存在価値を知り、
「何のために今勉強しているのか」について気付くことになる。
これが阪大実習の最終目標となる「生きる力のキャッチボール」である。
高校生と大学生は互いの存在価値を確認し、互いに生きる力(心のエネルギー)を与え合う。
このようにして「学びが生きる力に変わる」ことになる。
「何のために今勉強しているのか?」というイシューズの本質にたどり着く。
チューターからのサイエンス突っ込み開始だ!

チューターとの思考のキャッチボール:
高校生も黙ってはいない!チューターへの嵐の質問で応戦だ!

高校生の鋭いサイエンス突っ込みにチューターも笑う!

チューターは高校生が理解できるまでヒントを与え続け一緒に考えます。
自力でわかるまで指導するチューター しかし答は言わないよ!


いよいよ生徒発表会が迫ってきます
思考にはまる高校生 自力で正解にたどり着けるか?!

ヒントは与えるが答は言わないよ!

テレビカメラも物ともせずに思考する高校生!

先生も高校生も 思考・思考・思考

「何やら友達とは違う!なぜだ?そんな馬鹿な!」高校生にますます動揺が走りパニックは最高潮へ!


チューターも泣きそう!大苦戦!あと一歩だ頑張れ!


わかった!! チューターも感激! しかし、私はまだ思考中 泣きそう!


この課題用紙には3日間の達成感が詰まっています!

<高校生感想文分析結果>
※高校生感想文原文は『 』
<何故本実習において「学びを生きる力に変える」ことができるのか?>
本実習の目標は多岐にわたるが、その重点は、サイエンスや思考をエンジョイすることを通じて、多くの学びや大きな感動を与えることで、若者達を元気にしその学びを「意欲や生きる力」に変えることにあるが、感想文や事後指導アンケートにしっかりその成果が記されている。しかし、あらためて考えてみて、何故本実習において「学びを生きる力に変える」ことができるのであろうか?
今回の感想文には、本実習で「学びを生きる力に変える」ことができるのはなぜか?どのようにしたら「学びを生きる力に変える」ことができるのかという秘訣が明確に述べられている。その秘訣とはズバリ言って「思考をエンジョイできるかどうか」にかかっているということである。
では、高校生に「思考をエンジョイさせる」にはどのようにすればよいのか。そこにあるのが何と言っても阪大実習のいのちであるチューター達のすごい情熱と卓越した教育技能であることが、これらの感想文に明確に示されていた。
つまり、チューターとの思考のキャッチボール→思考にはまり勝手に思考を繰り返す→思考すればするほど新たな疑問を発見する→大事なことは答えではなく思考過程であることに気づく→思考を楽しむために新たな学びが生じ→何のために学んでいるのかに気づく→思考を楽しみ人生を楽しむために学んでいる→逆に勉強嫌いは思考を楽しむことができないし、人生を楽しめない→『知識は持っているだけでは意味がなく、考える材料として使われる時にこそ存在価値があるのだと思います。』
ということであった。
何故日本人が思考を嫌う傾向にあるのかについても感想文の中に明確に示されている。⇒高校生感想文
『未知の問題に立ち向かうことは危険なことです。なぜならその答えには無限の可能性があり、解決することができずに終わってしまうかもしれないからです。』
しかし、『チューターさんに「なんでやろ?」と聞くと「なんでやろなぁ〜」と言われ、ますます自分で考えたくなりました。』『嫌な顔一つせず、何度も分かるまで説明してくださる様子が私の諦めかけていた心を動かしていきました。自然に自分で考える環境を作ってくれたチューターさんのお陰で、途中から自分で、自分なりの考え方で、自分で答えを出すことの楽しさをわかることが出来ました。』というように、チューターとの思考のキャッチボールの繰り返しが『いつの間にか思考がつらいものから楽しいものに変わり勝手に思考しわかればわかるほど疑問が増えていく』『今までは「答えが分からないと楽しくない」と思っていたが、阪大実習を終えた今では「答えが何かを考えることは楽しい」と思うようになりました』『答えが重要なのではなく、どうしてそうなるか考える方が意味がある』『今自分は自分が将来考えることを楽しむために勉強しているのだ』と主体的無意識的思考へと変えていく。
思考がつらいものから楽しいものに変わった時 『「学ぶ」ことの本質や「考える」ことの大切さがわかったことで、参加前に悩んで迷っていたことが晴れ、自分の中で光が見えてきたように思います。勉強ができるというのは単なる前提であり、学んだことをどのように生かして応用し楽しめるか、という方がよっぽど大人になったときに大切だという結論にわたしは至りました。』というように学びが生きる力に変わることになる。
『思考が苦痛から楽しみに換わったおかげで、時間があっという間に過ぎてしまった。それと引き換えに、他の何物にも代えられないもの−大きな感動と生きる力−を手に入れた』
チューターの口癖「どうだろうね…なんでかな?」の繰り返しに対し、『この謎を明らかにしてチューターさんを驚かせたい』と思い、色々と調べたり友達と議論したりと悪戦苦闘しながらも『実習に参加中はもちろんのこと、家に帰ってからもこんなに一つのことを集中して考えたのは初めてでしたが、睡眠のことより考えることが楽しくて、寝不足で眠たい目をこすりながら』実習に臨んでいた。そして『考えたといっても筋が通っていなくてめちゃくちゃな考えだったりしたのですが、チューターさんは「そういう考え方はすごくいいね。じゃあこれはどう考えたの?・・・」という感じで答えにたどり着くまで一緒にかんがえてくださいました。』『その日から自分で考えることがどれだけ楽しくて素晴らしいことかということに気づけました。』というように、チューターの口癖「どうだろうね…なんでかな?」の意味が『私達に自力で考えて分かって喜びを感じてほしいからだったんだ』と気づくことになる。
しかし、チューターの思考へのこだわりはこれで終わらない。『ものすごい勢いで思考の繰り返しが行われていきましたが、その中でも、情報の活用の仕方を自分が分かってきたときには、とてつもない衝撃でした。ひとつ問題を解いたと思ったら、チューターさんが、さらにその先の答え、もしくは、その問題の前提条件について聞いてきました。』
『すごくつらかったです。でもわかったとき、自分でもなんでかわからないけどすっごく感動して、チューターさんに「今の感覚大事にしてね」と優しく言ってもらったとき、急に泣きそうになりました。というかちょっと泣きました。今思うと何がそんなに嬉しかったのかと思いますが、あの時は本当に感動しました。でも参加できて本当によかったです。その大きな理由は、チューターの皆さんにであえたことです。』
☆☆☆
本実習の命 は 日本一の学生チューターです!
本実習は、大学生院生をきらきら輝き生きる力に溢れた若者にする教育です!
このようにこの阪大実習は日本一のチューター達の存在なしには成立しないことがおわかりいただけると思います。
私吉本もこのような素晴らしいチューター達にあえたことに感謝します。
この実習の教育的本質は高校生への教育のみではなく、実は本実習の命である学生チューターの育成教育にあります。つまり、以下のように「大学生院生をきらきら輝き生きる力に溢れた若者にする教育こそ本実習の目的なのです!」
<高校生感想文から>
『チューターの方々は私の憧れと目標になりました。こんなに目が輝き、生きる力に溢れた大学生に私は今まで出会った事がありません。私もこんな大学生になりたいとこれ程強く思ったのも初めてです。実験に対する姿勢、科学に対する思いなど見習うべき点が多くあり、ただただ尊敬するばかりでした。そんなチューターの方々を見ていると、自然と勉強しようと思えるようになり、生きる力が湧いて来るのです。』
『初めて心の底から生きていてよかったと思えました 「人間ってこんなに変われるんだっ」と声が出るくらいこの阪大実習の前後で私は変わりました』






チューターはいろいろな教材を開発します! 生徒「わかった!」チューター「やった!」


班別チューターミニ授業:班によって異なり個性的なものばかりです!


笑っている高校生も今は阪大実習のチューターになり感動を伝えています!


<阪大実習の命は学生指導者チューターです>
本実習での学生指導者をチューターと呼んでいる。
本実習のチューターとは、一般的なTAのように脇役ではなく、TAレベルをはるかに超えた教育能力を備える学生指導者であり、かつ、実習の命である。それと、一般的な高大実習では受講する高校生のみが教育対象であるが、本実習では高校生のみならず、高校生を教えるチューター自身も教育対象となり、指導者になるために十分な教育や研修を受け、大きな学びと成長を得ることになります。
本実習は、高校生から大学生・院生までを教育する総合的な教育システムとなっておりますことご留意下さい。
本実習をご参観いただき、本実習の命であるチューターをご覧下さい!
阪大実習の命は、「日本一のチューター」です!
参観者はチューターを見に来られます! [ 新人教育の徹底 ]
「感動の対象」であるチューター選びも重要な問題 →不適格者は採用しない
[チューター採用の基準は以下の通り]
@サイエンスや実験が好きでエンジョイできる
A基礎学力がしっかりしている
Bこの実習の趣旨を十分理解している
C高校生に感動を与えるのに十分な人材である
<生徒感想文によく出てくる文章>
「勉強のやる気が湧いてきた!」「何か無性にやる気が出てきた」「何のために勉強しているのかがわかった!」「自分もあのような生き甲斐ある人生を見つけたい」「私の人生変わったと思います」「難しいけど面白い」「思考が楽しい」「考えることの大切さを学んだ」「失敗から多くのことを学んだ」「実験・結果・データに対する姿勢を学んだ」「パワーをもらえた」「私も将来こんな人間になりたい」「自分の人生史に残るものすごい経験」「僕の人生の中で最も充実した期間だった」「感動が人を動かし 出逢いが人間を変えていく」「将来自分もチューターになって高校生を指導したい」「初めて心の底から生きていてよかったと思えました」
『人生を変えるほどのものすごい3日間です!』
逆に、人生を変えうる実習であるということは、いい加減な姿勢での参加は高校生にとって極めて危険ですのでご注意ください。
「生きる力」は与えられるものではなく自分の主体的な心から生まれるものです!
<参加条件(各校引率教員必須)>
@ 3日間の全ての実習に必ず参加・履修できる方。
A 実習終了後、この実習に関する感想文(1000字程度)・アンケート・課題を必ず提出できる方。
B この実習に必要な予備知識(遺伝子[DNA]・酵素[タンパク質]・ラクトースオペロン)を学習する事前指導 に参加した方。
★修了証書授与
3日間の全ての実習に参加・履修し、感想文・アンケート・課題を、提出した方には、修了証書が大阪大学から授与される。
<事前学習重視>
本実習の重点目標は、サイエンスや思考をエンジョイすることを通じて、多くの学びと大きな感動を与えることで、若者達を元気にし「意欲や生きる力」を与えることにあります。思考とは情報活用です。基礎知識・情報がないと今回の探究的実験で思考をエンジョイできませんので、しっかりとした事前学習を行い、実習を実り多きものにするための基礎基本を与えるように参加校にお願いしている。
実習当日は最低限の知識をもとに実験結果を思考し、その結果からさらに次の一手を各班で思考し、追加実験をこの実習中に行う。そして、このすべての実験結果から何が言えて何が言えないのかを各自で考えて仮説とその検証実験をレポート化し提出させる。
また、事前指導では、参加者へ心構え・マナー・ルールの徹底を行う。特に、実習中の思考に関するルールを徹底して守らせ、他人の思考を妨害しないことを伝える。さらに、「やる気」や「生きる力」は与えられるものではなく自分の主体的な心から生まれるものであることを伝え、受け身的な姿勢での受講、居眠りなどいい加減な姿勢での受講を禁じる。理解できず達成感のないまま実習を終えると、ますます「自分が嫌い」になり生きる力を失うので、いい加減な姿勢での参加は高校生にとって極めて危険である。
<事前指導(各高校で実施)> [注]吉本制作の生命科学教育デジタルコンテンツ使用
この実習に必要な予備知識(遺伝子[DNA]・酵素[タンパク質]・ラクトースオペロンなど)を各参加校で学習する。
DNA(遺伝子)とタンパク質(酵素)の構造と働きについて
遺伝子操作の基礎知識・オペロン説などの説明 諸注意
実習書本文の小問は宿題となり事前に考えてくる 実習中に高校生に発問する
事前学習もあまくない! 阪大実習は申込書記入や事前学習から始まっております!
いい加減では参加できません!

<思考をエンジョイするためのルール>
1.実習書本文(p1〜18)にある11個の設問を通じて、結論を急がず科学や思考をエンジョイする。
@実習中に各設問の解答・解説を行うが、それまでは、結論を急がず、まず自分で考える!
A質問はOKだが、答えを聞いてはいけない。答えのチェックもOK。ただし、個人的に申し出ることとし、その答えは、友人などに他言してはいけない。
B解説が終わってもわからない者は、徹底的に質問し、3日間かけて理解できるように努力する。解答解説済みの問題は、生徒間でもおおいに相互質問・教え合いを行いさらに理解を深めてください。
2.各設問についてみなさんに発問し発表していただきますのでしっかり考えておいてください。チューターへの確認・質問はOKですからどんどん行ってください。
3.必ず実験をする前にはその結果を予想し文章で残す。
実験結果が出ればしっかり観察して文章表現する。
→この結果から何が言えて何が言えないのか評価分析を行う
→予想通りに行かないことについては「なぜそのようなことになったのか」を考え、各自で仮説を立てる そこには必然性・原因がある! 実験からのメッセージを受け止めよう!
→失敗してからがサイエンスだ!予想通りいかないときこそチャンスだ!
→難しいけど投げないで頑張って考えて、インパクトある理解へとつなげ多くの学びを得てください
4.自分の仮説を述べ質問を行い「思考のキャッチボール」を楽しもう!→友人同士・チューター・先生との交流
5.他者の仮説への批評を行うときは論理的にその問題の本質を指摘しその対案も指摘してください。
サイエンティフィック突っ込みをマスターしよう!
発表内容が何か変だなと思ったら、「おもしろい発表ですが、何か変ではありませんか?何か抜けていませんか?」というように、その問題の本質を指摘してあげてください。そして、その対案を考えさせ、場合によっては、その対案アイデアを指摘して、「この案はいかがですか?」と問いかけてみる。このようなサイエンティフィック突っ込みや思考のキャッチボールがサイエンスの醍醐味の一つです。みなさんが将来参加する学会でのやりとりはまさにこのようなサイエンティフィック突っ込みや思考のキャッチボールの繰り返しですので、この実習でしっかり練習して下さい。
<本実習のねらい>
「高校生が人生を変え、大学生が院生を超える!」= 科学や研究への意欲に点火させる「二段ロケット」
1)この実習は、単に科学技術を体験することのみを目的とせず、遺伝子組み換えなどの分子生物学実験やこれらの実験に関する小問を通じて、結論を急ぐことなく科学や思考をエンジョイしながら、生命の本質に迫る。
2)市販の実験キットは一切排除し、極力すべての実験手順・操作を体験させ、その意義を考えることによって科学の本質に迫り、「わかるということ」が一体どういうことなのかを学ぶ。
3)実験を通じて科学的思考過程(情報活用)の実践的トレーニングを行うが、「科学的思考とは何か」からはじめ、問題発見、仮説の設定、検証実験立案・実施、問題解決、未知への挑戦などを実地体験しながら、その楽しさや喜びを得る。
4)本実習では若者達は多くの苦難を乗り越えていくことになるが、この過程で「大きな感動と衝撃」(ジャイアントインパクト)を与えられることによって、科学への意欲、明日への希望や生きる力を育み、「今何のために勉強しているのか」をあらためて考えさせ、自らの力でその答えに到達させる。
5)いち早く現実の大学生活や研究現場を実体験させることによって、より正確な進路選択を可能にする「科学的キャリア教育」である。
6)高校生を指導する大学生は、長時間の指導や準備実験を行うため多くのことを学び、劇的な成長を遂げ、院生をも超えてしまう。中だるみした大学生活に活を入れ「大学に何のために入学したのか?」を今一度再確認し、科学や研究への意欲に再度点火させる「二段ロケット」のような役目を果たす。
7)理科教育や高大接続教育のノウハウを伝えるために研修者の受け入れも行う。高校生と一緒に実習を体験しながら、高校生が3日間でどのように変化していくかを見ていただく。これは、単なる教員研修とは異なり、高校生の存在する教育現場での実地研修となり、さらにレベルの高い成果が期待できる研修でもある。
<本実習には3種類の感動がある>
実習内容・研究紹介・講義・人物・研究機器などすべてが感動の対象であり、「感動の対象に足るもの」になっているかを検証している
本実習には、「自然科学からの感動」「難問題克服からの感動」「人間からの感動」の3種類の感動がある。
特に、感動の対象となるチューター(大学生・院生指導者)は、実習の命であり、優れたチューターを育成し、この実習の目的や意義及び留意点を理解させ、正解を言わないで生徒自らが正解にたどり着くまで誘導できるように教育する。
「感動の対象」であるチューター選びも重要な問題 →不適格者は採用しない
[採用の基準]
@サイエンスや実験が好き A基礎学力がしっかりしている
Bこの実習の趣旨を十分理解している C高校生に感動を与えるのに十分な人材である
<参加高校生感想文より我々が得たもの:高校生による公的教育に対する評価>
「本当に楽しいと思うにはその本質に向き合うことが大切です」(参加高校生感想文の言葉0808)
“ノーベル賞教材を使用しても本質を見失い真の感動や学びに至らなければ意味がない!”
※高校生感想文原文は「 」
この阪大実習では「思考しながら理解することの意義」をみなさんに伝えていきたいのです!
この阪大実習の目的の多くは、サイエンスや思考をエンジョイすることを通じて、若者を元気にし「生きる力」を与えることにあります。
「3日間という時間は私の人生の中の時間では,ほんの一瞬の時間に過ぎない。だが,この3日間は私の人生全体に,ジャイアントインパクトを与えた。毎日繰り返される時間をただ過ごしているだけの私に,生きる力を与えてくれた。そんな3日間だった。ただ生きるのではなく,自らが主体的に動き,自分の力で人生を動かしていくことを学んだ。」「終わった次の日はずっと実習に行きたいと思っていました。自分の中でこの実習は思い出にしたくありません。どんなときも、この実習があったから今の自分があるのだと思いたいです。私にとってこの経験は体の一部です。全てのことが今後の自分を大きく変えました。」
これらの感想文にあるようにその成果が述べられております。
また、高校生の生の声には厳しいものがあります。高校生は公的な教育をこのように評価しています。この若者達の悲鳴のような声を真摯に受け止めなくてはならないと考えます。
「最初は科学をやってどんな感動が得られるんだろうと不思議な気持ちでした。」「日頃,1人で考えることをあまりしない私にとって,1日目に言われた『思考をエンジョイする』ということは最早,未知の世界でした。正直,考えるのなんてどこが楽しいんだろうと実習前まで私は思っていました。」「今まで、理科で本当に頭を使って考えるということはなかった。授業・実験すべて教科書に載っていることを機械みたいに進んでいくという理科しかやったことがなかった」「思い通りの結果が出れば成功,出なければ失敗と決めつけるだけのつまらない実験をやってきたんだと今になって思いました。」「授業では元から教科書通りの答えが出せるように考えられた実験を、直前に配られたプリントに沿って行なうだけです。その方がやる側としては苦手な立案をしなくて済むのは楽ですが、結果が分かっている以上そこに「ジャイアントインパクト」はありません。」「考えている間、理由なんてなんでもいいやん、と放棄したくなって、考えることの難しさや普段勉強しているときに自分はあまりじっくり考えていないのではないかと気づきました。」「高校の授業では理由はわからないがとりあえず覚えておこうという事が度々あります。」
参加高校生のこれらの文章が日本の理系進学希望の高校生の現状を如実に示している。「科学をやって感動できるはずはない、思考のどこが楽しいのかわからない」などと思っている生徒達は、理科の勉強も実験も受験のためにやってきたのでしょう。しかし、この実習を終えた今、「本当に楽しいと思うにはその本質に向き合うことが大切です」(参加高校生感想文の言葉)という当たり前のことではありますが、日本人が過去に捨て去った真実に高校生自らが気づくことになります。つまり、学校での理科教育や実験は、本質に対し真剣に向かい合っていないから楽しくないと気づいたということです。では、本質に向かい合っている理科教育や実験とはどういうものであるのか?それは、高校生の本実習と他の実習を比較した以下の感想文などの中にしっかり示されている。
「この実習では、観察→問題発見→情報活用→仮説の設定→検証実験立案→問題解決を行い、仮説と異なっていればそこから新しく検証実験の立案から繰り返す、これが本当の実験だと思いました。」「他の大学などへ分子生物学の実習に行ったことがありました。しかし,そこで体験した電気泳動や遺伝子組み換えの実験では,実験の内容や意味をほとんど考えず,ただ黙々と指示通りに行動していただけでした。その結果,電気泳動で出てきたバンドや,遺伝子組み換えをされて光るようになった大腸菌を見ても,感動や感激と呼べるようなものはあまり感じられませんでした。しかし今回の実習では,遺伝子組み換えの原理から,操作や試薬の意味までひとつひとつ,チューターさんのヒントを頼りにグループの人達と推測し,思考を重ねることで,理解を深めながら実験を進めて行くことができました。分かったことが増えていくたびに,分からないこともどんどん増えていきましたが,それらひとつひとつを理解できた時の感激は,今まで味わったことのないものでした。」
このようにノーベル賞の光る大腸菌のキットも本質を見失い真の感動や学びには至らない危険な教材となることを忘れてはならない。問題はこのようなキット教材を「体験あって感動あり学びもある」理科教育用の総合的教育キットに仕上げることにある。本実習のような「体験あって感動あり学びもある」理科教育用の総合的教育キット(システム)が次々に開発されれば、容易に高校などでも優れた理科教育が実践でき、生徒のやる気や学習意欲の向上・回復につながることになる。
思考問題を実習の途中で入れて思考を楽しませ、あえて間違わせて「なぜだ?そんな馬鹿な!」から「なるほどそういうことか!これはすごい!」というインパクトある理解に導きたい。そうすれば実習が単なる知識伝達にならず、より生命のすごさを伝えることができるはずです。思考しながら理解するのと単なる知識を伝達されるのでは何が違うのでしょうか?
阪大実習参加高校生は感想文で気づいたことを「本当に楽しいと思うにはその本質に向き合うことが大切です」とまとめています。そして、「その本質に触れるためには思考しながら理解する必要がある」ことに気づいたと言っています。つまり、丸暗記では生命の本質に向き合ったことにはならず、生命のすごさは伝わらないということでしょう。
しかし、この事実・教育ノウハウを多くの教員は知らないまま授業を行っているのは周知の通りでありこれは当然のことでもあります。なぜなら、「なぜ生物の先生になったのですか」と問われればそれは「生命を淡々と語りたかったから」と答えるはずであり、「生徒に思考をエンジョイさせたいから教師になった」と答える生物教員はまずおられないのではないでしょうか。
だからこそ、この阪大実習では「思考しながら理解することの意義」をみなさんに伝えていきたいわけです。
<レベルの高い成果が期待できる教員研修>
理科教育や高大接続教育のノウハウを伝えるために研修者の受け入れも行う。高校生と一緒に実習を体験しながら、高校生が3日間でどのように変化していくかを見ていただく。これは、単なる教員研修とは異なり、高校生の存在する教育現場での実地研修となり、さらにレベルの高い成果が期待できる研修でもある。
また、本実習には、生徒を思考や感動そして学びに導くための多くの教育的手法やノウハウが含まれており、教員にとっても多くの学びがある。そして、何よりも教員自らが「教育が好きになれる」ように工夫された実習である。教育改革の基本的課題は、まず、教員自らが教材の魅力にはまり教育が好きになることである。このように、本実習は、高校生や大学生のみにとどまらず、大きな感動と衝撃を教員にも与え、教育現場が明るく元気になることを目指している。
※高校教員対象アンケート結果・教員から頂いたご意見をご参照ください






<チューター学生の声>
<研究に必要な様々な判断能力も養う>
教える側の視点からでも、高校生実習には学ぶ点がとても多いです。大学で実験に本格的に触れるようになるのは3回生からがメインであり、さらに自分で考え、足りない知識を補いながら自分の力で実験をするとなると研究室に配属されてからになる人がほとんどだと思いますが、1回生のうちからこういった実習に参加し、さらに理解して人に教えるという機会が得られたのは、その後の実験や研究内容、さらには進路を考えていくうえでとても大きかったと感じています。単に知識的なことだけではなく、計画との誤差を修正しながら考えて進める力、周囲の様子を見ながら今何が必要なのか判断する力など、研究に必要な様々な判断能力も養うことができました。例えば阪大で行われているオナーセミナーのように自分1人でやるのではなく、多くの人が協力して作り上げるという点も、参加できてよかったと感じられる点の一つです。
<自分の存在価値>
生徒さんの目の色が変わった時に、ヒトがここまで変わった瞬間を見たことがなく、生まれて初めて感動しました。こういうことができるんだなぁと、感動し、そして感動できる生徒さんに出会えてよかったと思えて、自分も役に立つんだと思いました。彼らの姿に感動し、実はこの時うれしくって涙がでました。
<社会人基礎力>
私は不器用なので、比較的他人よりも何か物事や作業を覚えるのが遅いです。この高校生実習でチューターを経験していなければ、将来社会人として仕事を始めたとき、自分の不器用さに苛まれ、自信をなくし途中で挫折していたでしょう。しかし今回の体験から、仕事を始めた時に壁にぶち当たっても挫けない自信ができました。
<高校生よりチューターの方が収穫は膨大>
人前で話す練習になる。たくさんの高校生と話をして、いろんな人の考え方を聞ける。私が今まで考えもしなかったような良い考え方や質問もあって、学ぶことも多く本当に楽しい。私が及ぼす影響なんかよりも、私が彼らから受ける影響の方が大きいんじゃないかと思う。楽しそうな顔を見ていると、元気が出る。こうなんじゃないか、って自分の思いついた考えを話してくれるときの顔がすごく好きです。思い返して嬉しくなる。最後に「楽しかったです。ありがとうございました」って言ってくれて、すごく嬉しかった。こっちもその言葉に応えたくて、あれこれと調べて勉強する。彼らの興味やレベルに応じて、分かりやすく面白い話が出来るようになりたい。伝えてあげたいことや、考えを聞きたいことがいっぱいある。
<人間基礎力>
ちゃんとモノを見る力と、ちゃんと人を見る力、そして、ちゃんと自分と向き合える力が付いたと思っています。しっかりと自分を見つめ、相手を見ることがどれほど難しく、どれほどリスクがあって、それほど有意味なのかを考えさせられた。
実験結果を見つめる能力というよりも、ヒトとしてどうあるべきで、そのなかで自分の存在がなんなのかなどを考えることができました。とりもなおさず、高校生が喜んでくれた時のうれしさは、格別でこのような経験はなににも代えがたいものです。人間なんてつまらないと思っていましたが、実は本気になってみたら、面白さがあると感じました。これは僕のなかではすごく大きな変化で、自分でも驚いてます。
<自己改革>
たくさんの人に助けてもらったり気にかけてもらったり、本当にありがとうございました。
いっぱい泣いてしまいましたし、いっぱい悩んだし、反省だらけですが、その分たくさん感動もあったし、なによりやっぱり高実は楽しかったです。
今回思った事や考えた事、反省などは自分なりに改善してもっともっと成長したいです。
もちろん助けてもらう事が当然だなんて思いません。これがどんなに幸せな事なのかは今回十分分かったつもりです。この気持ちは忘れません。私は幸せです。
だから、ちゃんと私も成長します。
助けてもらうだけじゃなくて、助けてあげられる人になります。
一方通行じゃなくて、私の力も頼ってもらえるようになりたいです。
こんな素敵な実習の、長い歴史の一部にでも関われた事は、幸せです。
高校生のころの実習の参加を決めた自分に感謝です。心から幸せです。
生きてて良かった!
<自己改革>
実習に参加するまでは、勉強もただ参考書を読むだけで、実験をするときもただ教科書の指示に従い、自分で何かを考えることはあまりありませんでした。しかし、実習でチューターをするために準備や勉強をしたり、本番で高校生に教えたりしていると、これまで通りの感覚でいてはとても追いつかない、と強く感じます。実習に来る高校生もそうですが、一緒にチューターをしている先輩や後輩もみんな意識の高い人ばかりで、私ももっと自分から積極的に知識を得たり、物事を考えたりしよう、という気持ちが強くなりました。今後私がどのように変わるかは分かりませんが、変わらなくてはいけない、と感じるようになりました。
<研究者への道>
私ももともと考えるのはあまり好きではなかったのですが、高校生が真剣に思考している姿を見ると、自分なりの答えや考え方を持つことの重要性が伝わってきて、私ももっと普段から思考するくせをつけなければ、と気が引き締まります。
実習を行う前と比べて、これからの研究意欲・やる気について変化がありました。理学部に入ったものの、研究ということに関してあまり自信が持てなかったのですが、出来ない自信がないというばかりではなく、積極的に挑戦してみようという気持ちになりました。
これほどまでに一つのことについてひたすらに考え続ける経験は、この実習以外ではしたことがありません。今の私にとってはすごく新鮮な感覚でしたし、今後研究者としての道に進むきっかけになりました。
自身があまり自分で考えて、自分なりの答えをみつけようと積極的に努力する人間ではなかったので、この実習に参加して、初めて実験をする、研究をする、理系として生きるとはどういうことかを理解したような気がします。そのうえで自分の周りをみると、理系の学生でも、研究者になるということに何が必要なのか、しっかり考えている人は少ないのではないかと感じます。そういう意味では、この経験を通して、自分で考えるという経験ができたことはとても貴重だと思っています。
<研究者への道>
またチューターをやってみたいです。こういうところに来ないと、研究者を目指すものとしての成長はありえないと思います。研究者は将来自分の発見したものを人に分かりやすく説明する力を求められるとともに、他人の発想を自らの思考の糧にできるほどの柔軟性が求められる世界ですから、大学でそういうことが勉強できるチャンスはこういうところにしかないと思うからです
高校生の時に参加したかったです。参加すれば、正しい方向性を伴った自学自習をできる力がかなり早い段階からついたと思います。
<科学者への道>
将来の科学技術者をめざす上でこの実習でのチューター体験は役立つと思います。高校生の思考を手助けするためには、まずは自分がそれについてひたすらに考えなくてはいけないし、適当な気持ちでしゃべって間違ったことを言えば取り返しがつきません。準備段階における実験思考のプロセスの繰り返しは、科学技術者として研究する際の姿勢にもつながるものがあると思います。実験に対する真摯な姿勢を学べるこの実習は、少なくとも私にとってはとても有意義なものです。
<新人チューターの声>
基礎セミナーとこの実習が僕の学生生活に与えた影響は計り知れません。もし基礎セミナーを取っていなかったら、恐らく受験勉強と大差ない、単位を取るためだけの勉強しかしなかったことでしょう。基礎セミナーと定員が少ないのが本当に残念です。また途中で基礎セミナーを諦めてしまった人がいるのも残念です。もっと多くの人にこの体験をしてほしいと思います。
今回、新人チューターとして初めて高校生実習に参加しましたが、この実習に参加できて本当によかったと思いました。実習の準備の段階から先輩チューターの頑張りを目の当たりにし、また本番3日間はたった1歳か2歳年下の高校生たちの熱意に触れて、僕自身も彼らに負けないような努力を続けなければサイエンスの世界では通用しないのだ、ということを早めに認識できたのが幸いでした。大学受験が終わってから見失いかけていた目標をこの実習で再び見つけることができました。
<学ぶ姿勢>
高校生が一生懸命科学と向き合う姿を見るのは凄くいい刺激になりました。それによって勉強に対するモチベーションがグ
ンと上がりました。
高校生や先輩チューターから勉強に対する姿勢を学ぶことができた。
今回の実習に参加してくれた高校生はみんな自分の高校時代とは比べ物にならないほど勉強熱心で一生懸命だった。
先輩チューターは全員自分の知ってる他の2回生、3回生の比じゃないくらいたくさんの知識を持っていた。
僕もそんな人たちに追いつけるくらいの努力がしたい、と思えたことが一番の収穫です。
<新人チューターの声>
昨日まで帰省しており、親に阪大実習のことを話したところ、「阪大に入って良かったね」と言われました。楽しそうに話す私の姿を見て、そう思ったようです。
思考の重要性、思考のきっかけなど、すごくおもしろく、納得させられることばかりでした。
自分が今大学で学んでいる内容がいかに重要かということ、世の中は自分が知らないことで満ちていることを実感しました。2学期から真面目に勉強しようと思いました。
チューターとして参加させていただいて、本当にいい経験ができたと思います。準備の段階では遺伝子操作に関する知識や実験技術、組織としてのリスクマネジメントなどを知ることができ、3日間の本番では、高校生とのやりとりなど、普段はできない貴重な経験ができて、さらに自分の短所、長所(適性)もわかりました。
高校生の頃にこのような実習に参加していたら、もっと考えることが好きになっていたと思います。特に、他教科や勉強に限らず様々な場面に応用するなど、もっと『思考すること』に貪欲になれたのではないかと思います。
また、この阪大実習では、自分の適性も考えることができるため、自分の進路についても、高校生の時に考えることができたと思います。
<社会人基礎力>
この実習では、私が将来社会に出て行くときに必要な様々な力を与えてくれると思っています。組織の中での自分の役割を把握し、円滑な運行が出来るように意識することが自然と身に着くように感じるからです。また、生徒に指導するためには知識が必要で、その知識は深めようと思えば思うほどもっと知らないことがある、と思い知らされて、いつまでも飽きることのないものだ、ということを気づかせてくれます。普段の授業ではテストを受ければその科目の知識は習得したと錯覚してしまうので、そのような自分を叱るためにも役立っていると感じられます。
<感謝から生まれるもの>
これからは、助けてもらっているって事を知って、それをちゃんと感謝して、自分もその分どこかで返していけるように、一方通行じゃなくてお互い助け合える人に変わっていきたいなと感じました。この事はきっと、実習以外でもいえる事で、私が気づいてないだけで、私は本当にたくさんの人に感謝しなければいけないのだと思います。自分が知っておくべき、気づいておくべき大切な事を改めて気づけたというのはすごい収穫で、いろいろな成長や発見ができるこの実習は、絶対に将来私の力になると思います。
<先輩や高校生から与えられたもの>
疑問が解消したときに高校生が見せてくれたきらきらした目は一生忘れません。生徒たちの輝く姿が今の私に大きなインパクトを与えてくれました。
準備期間から参加させていただいて経験豊富な先輩方を間近で見て、先輩みたいになりたい、という思いがあります。何度も実習を経験してこられた先輩方ですのでスキルが高いことはもちろん、長い時間一緒にいて、人間としても尊敬しているので、先輩方が私の憧れになりました。そういう理由でもまた機会があればチュータをしてみたいと思います。
また、上でも書きましたが、高校生が見せてくれた目の輝きを見ていて彼らが心から思考をenjoyしている様子やその喜びの大きさがよくわかりました。その大きな感動をまた次の世代、次の生徒にも知ってもらいたいと思います。
将来の科学技術者をめざす上でこの実習でのチューター体験は役立つと思います。チューター自身が一番、この実習で学ぶことが多いと思います。単純に実験器具の操作方法や操作の意味などについての知識は将来研究するにあたって役立つ知識だと思います。でもそれ以上に、いろいろな考え方が自然と身に付くので、世界も広がって、そういう意味でもとても役立つものであると思います。
<自己改革への意欲>
学年を超えて議論したり、先輩の知識・考えの深さに触れたり、後輩のやる気に感化されたり、といった機会が最近の学生はあまりもてていない。
科学的にも人間的にも深く考えさせられ、それによって確実に変わっていく自分。
でも、先輩にはまだまだ敵わない。後輩は、どんどん迫ってくる。
だから、自分ももっともっと、変わりたい。と思います。
<高校生への影響>
高校生にとって、学校の授業で全員でやるような「教科書的な実験」を行うだけでなく、実際に研究を行う「考える実験」を行うことは、大きな意義があると思います。私は高校時代SSHに認定された学校に通っていましたが、こういう実習に参加したことはありませんでした。参加した高校生を見ていると、大学の研究を体験したり、有名な研究施設を見学する機会を持つことと、自分で実際に考える実験に当事者として関わることは、まったく違う意義を持つのだと感じました。
研究をするとはどういうことなのか、自分で考えるとはどういうことなのかを高校生のうちから考える機会を持てるのは、普段の高校生活を送っているだけでは得られない貴重な体験であり、非常に貴重な知識を得るチャンスだと思います。
<感動と溢れる涙>
今回僕は最後の訓話で生きてて良かったと言ってしまいました。考えていたことも一応はあったのですが、泣かないようにしようと思っていると話すことができなくて、それで出てきた言葉でした。とっさに言った言葉なのですが、なぜそう思ったのかを振り返ってみたいと思います。
僕も、高校生の時にも実習に参加してあまりに楽しかったので、チューターをしたい、もっと実験をしたいと思い現在の進路を選択しました。もう4年以上前になりますが、その時の感動はまだ鮮明に覚えています。僕が受けた実習には、それ程の衝撃・感動がありました。大学へ入り教える側となって、それを高校生に自分が伝えられるのか、とても不安に思っていました。特に今回は自分がメインチューターなので、成功させなければならないという思いが強くありました。実習を終えるまでは、自分達の代になっても、先輩方がやってこられたみたいにできるのか、とても不安でした。
ですが、実習が終わって、あの場に立つと、生徒のみんながこっちを向くのでよく表情が見れて、達成感か何かよく分かりませんが、1日目とは全く異なるよい空気が伝わってきました。中には泣きそうになっている人もいて、そういう様子、雰囲気から、実習をちゃんと終えることができた、伝えたい感動を伝えることができた、と感じました。勘違いかもしれませんが、そう感じられました。ちゃんと終わることができて本当によかったと思いました。
また、実習を通して、本当にいい人たちと一緒にチューターができているということを、実感することもできました。一緒にチューターをしている3回生のみんな、そして後輩みんなも、それぞれの人がその人らしいやり方で、楽しく、しかも周りと協力しながら進めていっている様子を見ていると、何かうれしく思いました。些細な失敗も許さず、生徒のために、真剣に実習に取り組んでいているんだということもよく分かりました。そういう人たちと一緒にチューターをできることは、本当に幸せなことだと思いました。自分が高校生の時も、当時のチューターさん達も同じようにしてくれていたのかと思うと、また何かうれしく思いました。先輩方が助けにきてくれるというのもうれしいことでした。何も自分達だけで何とかしなければならないのではないんだと分かると、とても安心感がありました。本当に幸せなことだと思いました。
実習を通して、いろいろな人に感謝されたように思います。僕も、たくさんの人に助けてもらって、たくさんありがとうと言いました。たくさんの笑顔を見て、僕もたくさん笑顔になりました。そんな組織はよい組織なんじゃないかと思いました。
このような思いから出た言葉だったのではないかと思っています。
どうも文章力がなく、感動をうまく伝えられた気がしません。本当はもっと感動したし、もっと思うこともあります。ですがこの辺にしておきます。
<感動と溢れる涙>
正直、涙が出るなんて思いもしませんでした。嘘です。実はチューター訓話の時にはすでに目頭が熱くなっていて、泣くのを必死にこらえていました。言葉にしたらこぼれてしまう、そう思っていました。高校生の前で泣かなかっただけ頑張ったほうかなと思います。
反省会の時は、仮にも男だから、人前では決して泣くまいと心に決めていました。でも無理でした。口を開いた瞬間に、この三日間で感じた感動とか、達成感とか、後悔とか反省とかそういった想いが全部一気に溢れ出てしまいました。こんな気持ちになったのは生まれて初めてだったから、どうしていいのか分からなくて、なんとか振り絞るようにして出した声も震えてて、言いたいこともうまく言えなくて、最後の最後まで何やってんだろう俺って思っていました。でも話終わった時にみんながかけてくれた言葉はとても優しくて、「いるだけで安心できる」って言ってくれたことが本当に嬉しくて、僕は幸せだなって思えました。
それと同じくらい嬉しかったのはなんといっても最終日、班の子達全員が、三日間で一番の笑顔を見せてくれたことです。一生懸命、必死になって考えて、ようやく答えに辿りついた時の達成感に満ちた笑顔。それを見たらもう、落ち込んだり悩んだりしてたこととか全部どうでもよくなって。「これだ」って思いましたね。僕が、俺が高実に参加し続ける理由は、ここにある。そう思える瞬間でした。
それに高実に参加してる時って、生きてるって感じがするし、高校生の真剣な眼差しを見ると「兒玉ちゃんとやってるか?」って言われてるみたいで、背筋がピンッて伸びて、気合いが入るんですよね。だからこそやる気が出るし、頑張ろうって思える。加えて魅力的な仲間達ですよ。これはもう、絶対にやめられない、やめられるはずがない。もはや中毒者です。こんな機会を設けてくださった吉本先生にも大感謝です。
最後に、こんなに素敵な人たちと一緒に、参加者全員が感動できるような素晴らしい機会に何度も立ち会うことができて、僕は幸せです。そして、そんな素敵な組織の一員であることを心から誇りに思います。
<幸せと感謝>
今回の実習で1番変わったというか、変わっていかなければいけないと思うのは、周りの人への意識です。いままで目の前の事に必死で見えてなかったけど、今回実習を通してすごく色んな人に助けてもらいながら実習を無事に終える事ができた事を改めて実感して、私はほんとに幸せだなと思います。助けてもらう事は悪い事じゃない、むしろ頼れる人がいるならどんどん頼って助けてもらったらいいって助けてくれる人たちは言ってくれます。その事がどんなに幸せな事なのかに気づきました。今まで気づいていないところでもきっとまだまだたくさん助けてもらってきているのだと思います。これからは、助けてもらっているって事を知って、それをちゃんと感謝して、自分もその分どこかで返していけるように、一方通行じゃなくてお互い助け合える人に変わっていきたいなと感じました。この事はきっと、実習以外でもいえる事で、私が気づいてないだけで、私は本当にたくさんの人に感謝しなければいけないのだと思います。自分が知っておくべき、気づいておくべき大切な事を改めて気づけたというのはすごい収穫で、いろいろな成長や発見ができるこの実習は、絶対に将来私の力になると思います。
<人生が変わりました 奇跡的に幸せだ>
高校生の時成績が決してよくなく、実習がなければ阪大に来ることもなかったはずです。文字通りに人生が変わりました。 吉本先生のおかげで、高校生として実習に参加して浪人をして大学に受かり、メインチューターまでさせて頂くことができました。こんな素晴らしい経験ができて僕は奇跡的に幸せだと思います。実習をしていなければここまでいろいろな経験をして成長することもできなかったと思います。本当に吉本先生には感謝してもしきれないです。ありがとうございました。これからは新しい熱中できて人の役に立てることを探します。また新しいスタートラインに立った気持ちです。実習を通し学んだことを活かし自分で自分のことをよく考えて、周りの人を幸せにできるような人になりたいと思います。
<TA育成プログラム 失敗は成長の素>
TAを育てるってすごいなと感じました。初めての1回生には主導する3回生が付き、初めての責任チューターの2回生には、サポート役として3回生が付き…。メインチューターの2人は,あらゆるミスの可能性を考えて、それをカバーできるような体制をとり、万全の態勢で臨めるように影で動き回る。2回生には初めて大きな責任がかかるけれども、それもかかりすぎないように精神的にもしっかり支えられる体制になっているんだなと改めて感じました。そして、それもまた引き継がれていって、これだけTA育成のプログラムがなされているからこそ、今までしっかり続いて来ているんだなとも思いました。みんな初めは出来なくて当然であるし、ある程度できるようになったら、その技術と能力を信じて、責任ある作業も任せる…そういう信頼関係に基づいている教育システムがすごいと思いました。
<人を喜ばせて与えられる影響には、無限の可能性を感じました>
人の期待をいい意味で裏切ることは、本当に相手にとてつもない感動や衝撃を与えられるなと思いました。最高のサプライズをしてあげられる環境、また、それでものすごく喜んでくれる生徒を目の当たりにして、人を喜ばせて与えられる影響には、無限の可能性を感じました。
<一人では何にもできない>
世の中には色々な人間がいる。それはTA間や生徒を見る上で感じた。人間関係を形成することの難しさも感じたし、いったん形成されるとそれを変えることも難しいと思った。しかし、一人では自分は何もできないことも痛いほど分かった。この「小さな社会」ですらそうなのだから、本当の社会ではなおさらそうであろう。
また、主観と客観はどちらも大事だということも学んだ。教育する立場の者は主観と客観の絶妙なバランスの上で物事を判断しなければならないのだなと深く思った。状況判断とは、時と場所と空気と相手をよんだ上で主観と客観の釣り合う考えを下すことなのだと思う。生きていいく上で適切な状況判断を下さねばならない時が何度もあるだろうが、それができるようになりたいと思う。
<自己改革>
私は今回が初参加ですが、自分がこれまで勉強してきた内容や、その方法がどれだけ中途半端なものであったのかを知るきっかけになりました。他のTAの先輩方や高校生と話していて、もっと自分も一つ一つのことをしっかりと思考しなければいけないという思いを強く持つようになりました。
じっくりと思考し、自分なりに理解することが、またその次の事柄を理解することにもつながると身を持って知ることができ、とてもよかったです。
<新人チューターの声>
この実習であまり自分は先輩チューター方の役に立てなかったけれども、実習が終わった後自分にも担当だった1班の生徒3人が3日間すごく大変だったけど楽しかったと言ってくれて嬉しかったです。この実習を楽しむことが出来たということは、彼女たちは思考したり勉強したりすることが割かし好きなのでしょう。彼女たちが生物系の進路に進むかどうかはわからないけれど、きっとこれからも科学を好きでいてくれると思います。いやむしろ、学校では絶対に体験できないことをこの実習で体験したことによって、.なおさら科学が好きになってくれたのでは、と思っています。
基礎セミナーとこの実習が僕の学生生活に与えた影響は計り知れません。もし基礎セミナーを取っていなかったら、恐らく受験勉強と大差ない、単位を取るためだけの勉強しかしなかったことでしょう。基礎セミナーと定員が少ないのが本当に残念です。また途中で基礎セミナーを諦めてしまった人がいるのも残念です。もっと多くの人にこの体験をしてほしいと思います。
<メインチューターの声1:チューターを束ねる(3回生)の言葉>
メインチューターになってみて今までと変わったことは、
周りの人をよく見るようになった。
リスク管理や組織の継続について考えるようになった。
実験が正しいのかよく考えるようになった。
今までは言われた通りに準備をするだけでよかったのですが、メインチューターになると、逆に何を準備するか、誰がするのかを考えないといけなくなります。それが、今までとの大きな違いを作ったと思います。
まず、準備をするにあたって、本番実験が成功するために、全く同じ条件で予備実験を行う必要があります。そして準備中うまくいかないと、その原因も考えなければなりません。そうするには、実際の研究により近い、再現性考えるということや対照をしっかりとるといったことを、考えなければなりません。メインチューターになると、そういう実験全体を組み立てるという練習ができました。
そしてなにより学んだことは、人についてです。まず、何か起こるかもしれないと予測して、先に考えておかなければならないということを学びました。そのためには、日頃から様子を見ておかなければならないということも学びました。他には、準備をするときに人に頼むことになりますが、誰にやってもらうのが組織のためになるのか?また、その人自身のためになるのかという考え方ができるようになりました。またその頼み方も大切だということを知りました。言い方もそうですし、内容をちゃんと伝えられているのかということをしっかり確認しなければならないということが分かりました。そして、失敗しても寛容に受け止めることが必要で、その余裕をもって準備に取り組まなければならないということも学びました。
準備が終わってから、実験ノートを書いたり、予定をかんがえたりということをしていると、本当に時間がなくなって、8月中は実習に関係することしかできませんでした。しかし、それだけ頑張れた分達成感はありましたし、学んだことも多かったです。こんな立場に立つのは、普通もっと歳をとってからだと思います。それを、今経験できたということは、とてもよいことだったと思いました。
<メインチューターの声2>
高校までは自分からアドバンスな内容を調べることはあまりなく、教科書の内容に終始していました。大学に入っても最初の内はそのままでしたが、この組織に入って「知らないことは自分で調べる」ことを教わり、その楽しさを知りました。と言っても、どんなに調べてもまた新しい疑問が生まれ、思考し、また調べていくということを何度も繰り返し、結局はほとんどのことに答えを出せていないままのような気がします。ただ学問の奥深さ、調べ方、今ある情報の使い方など普通の講義では教わらないようなことを数多く学べました。
またメインチューターを経験させてもらって、どのようにふるまえばいいか、どうすれば皆を動かすことができるかを身もって学ぶことができました。組織をまとめるということは自分のことだけでなく皆のことも見る場でもあり、各々の知識・技術の修得状況や性格も考えるということは、自分の目標である研究ではないけれども、ある意味で一番将来につながることのように思えました。まだまだ改善できる面がいくつもあるので、別の組織をまとめることがあればこの経験を生かしたいです。
このような場と経験を与えてくださった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
<メインチューターの声3>
どうしたら分かりやすく伝えられるのか真剣に考えるようになった。メインチューターとして準備の指揮を取ってみて、今までと違うことがいっぱいだった。誰が何が出来るのか、今やらないといけないことは何か、誰に何を任せるべきか考えなきゃいけないこともやらなきゃいけないこともいっぱいで、人手も足りなくて、どう人員を振り分けるのが1番いいのか、毎日悩んでいた。それで人を意識して観察するようになった。疲れてないか、無理してないかっていうのも。いい経験だったと思う。
人員を適確に振り分けるってすごく難しいって分かった。やるべきことと各人のスペックとをちゃんと把握してないと出来ない。コミュニケーションの大切さを改めて学んだ。
口にしなくても、皆それぞれ考えていることや感じていること、不安なんかもあって、自分の価値観だけで判断せずに相手の話をよく聞くっていうのが大切。で、そのために信頼を得ないといけない。
人の上に立つってどういうことか、どうしたら皆がついてきてくれるのかを考える機会になった。
自分よりも上の立場の方に対して、不快にさせずにこちらの要求を通す方法を必死に考えました。将来何をするにしても、目上の人というのは必ず存在するから、そのときへの良い練習になったかと思います。完璧に出来たとはとても言えず課題も多いですが、何が今後の課題になるかをはっきりと認識できたのでそういう意味でも実りがありました。
<チューター院生の声>
1)博士後期課程2年 (D2)
博士の後期課程に入り、チューターを卒業して久しいですが、今でも高校生実習の経験は日々の研究にも役立てられています。自分がわからないところを把握するのは意外に難しいことで、高校生に質問されて初めて自分の知識がごく断片的なものであることに気づくこともあるでしょう。研究も同じで、1つの論文報告は自然科学の知識のごく一部にスポットライトを当てたようなもので、多くの研究報告を読むことで自然科学の大部分は謎に包まれていることを目の当たりにし、誰も知り得ない謎への疑問と興味が生じます。そのような状況の中で、自分の疑問を解決し知識を手に入れることで、どのような社会貢献に繋がるのか、といったストラテジーを考え実践する研究の模擬演習として、高校生実習は今の自分をつくる大きな糧になったと感じています。演習だからと言って力を抜くのではなく、むしろ高校生実習に全力で当たることで、いつ実践がやって来ても対応できる力が高校生にもチューターにもきっとついているはずだと私は確信しています。
2)博士後期課程2年 (D2)
実習でのチューターの仕事は多岐に渡ります。
実習期間3日間という短い期間で実習を完遂し、成功へと導くために、一カ月間入念に準備し高校生30人分のための数十種類の試薬や器具、生菌を用意します。
実習中に不足や失敗が起きないように、試薬類はあらかじめ量や質を厳格に調整しておかなければなりません。この試薬やサンプルの準備は実習に参加するチューターが一丸となって準備するため、年次代替わりのチーフチューターが主体となって指示を出しますが、小まめにチューター間でコミュニケーションを取り、特に生菌やDNAサンプルの調整はデリケートですから特に注意を払いながら、優先順位を決めて段取り良く準備を進める必要があります。
試薬類の準備も大変ですが、もう一つ大切な仕事として実習での高校生の指導があります。実習の本筋は先生が進めますが、各生徒への実際の実験指導、生徒に合わせた実習内容の解説、実験や実習内容における細部の問題提起、生徒の進行状況の報告などはチューターが務めます。このため、実習に参加するチューターは全員、実際に説明しながらの実験指導、実習内容の解説などができなくてはならず、新人のチューターは実習の準備の合間に先輩のチューターに教えを受けたり、同僚のチューターと共に確認し合ったりします。高校生に一つでも多く「面白いこと」を持って帰ってもらうために、実習の準備中や実習期間中でさえ、実習内容を確認して今まで気づいていなかった問題を必死で考え、探します。
ただ一言実習の指導を補佐するといっても、その背後には先に述べたような多くの作業が隠れています。そして何より、実習を成功に導いているのは、経験あるチューターが後輩を育てるシステムだと思います。先に述べたような、試薬類の準備、解説できるレベルでの実験の習得、実習内容の問題提起などは、経験ある先輩のチューターが後輩のチューターを教えることにより成り立っています。後輩チューターは先輩から教えてもらう知識・技術を貪欲に吸収し、またそれを改善していくように努め、先輩チューターは後輩へ常に新しい、後輩が考えていないような質問ができるように努めます。こういった「教え」を継承していけるシステムが、チューター全体の意識を高め、自ずから未知の問題を開拓していくようなチューターを育めているのだと思います。
私自身は学術的な方面へと道を進めていまして、発生学を専攻しており実習の内容はほとんど関係がないようなことをしています。それでも、実習を通して高校生や後輩のチューターの指導のために育まれた「問題提起」能力は、サイエンスの基本の能力であり、自身の研究を考察したり、他人の研究を聞いて意見を述べる上で役に立っています。
また、実習で何が必要なのか想像し、実習に使う試薬や器具の準備をし、他人とコミュニケーションを取り合って実習の準備を進めることで、組織的な行動やプロジェクトの進行能力が培われたと思います。
3)博士前期課程2年(M2)
高校生実習の準備をしながら実験中の試験管の中で起こっている生化学的もしくは物理化学的な現象についての仮説をたて、検証するための実験を計画、実行し、結果を考察するというミニ研究みたいなことをしていました。
このミニ研究によって、自分で研究を作り上げていく楽しさを実感できただけでなく、分からないことを調べる、考える、もしくは大学院生に考えを聞いてもらうことによって能動的な学びをすることができたと思います。
しかしこのミニ研究によって得られた一番の学びは、「失敗」をした時に得られました。
この一番の学びというのは、「失敗」によってこれまで気付かなかった事柄に気がつき、この事柄の意味を咀嚼して、既知の事柄やアイデアと統合し新しいアイデアを生み出す体験です。
この「失敗」できる環境で十分「失敗」した経験が今の研究に大変役立っていると思います。
4)博士後期課程1年 (D1)
大きなものは実習を成功させるために集まったTAとの出会い。困難を乗り越えていく力をもった人々と会えたことで自分の価値観を深められたことに加えて、そういった人々と実習の準備を進め、失敗や成功を経験し共に工夫して実習を運営していくことで、自分の科学に対する造詣を深め、組織的な活動を進めていく能力が身についた。
それはかけがえのないものであり、実習を運営するにあたって養われた才能、人格が今の自分の在り方に大きく影響しており、また将来において、実習を通して出会った人の輪が、何をする上でも大きな助けになると確信している。
高校生や学部生のTAと話したり、大阪大学の昔の先輩と話す機会が与えられたことで、自分が今研究を行っている場所では得られることのない価値観を見つけることができた。こういった価値観が自身の人生に与える影響は大きいもので、今回の実習が大変にプラスであったと確信している。
5)博士前期課程2年(M2)
チューターをしたことで、研究室入ってからも役に立つ経験ができました。
1.分子遺伝学的実験の原理・基礎を理解できた
例えば分子遺伝学的実験について実験操作が分かりますし、何より反応や操作の原理を理解することができたことがよかったです。
ミニプレ一つをとってもなぜその試薬を加えるのか、どんな意味があるのかを考えながら操作するということを教えられるので、原理を理解する姿勢を身につけられました。基本的な理解があることで、研究室での応用的な操作がとても理解しやすかったです。
2.コミュニケーションの取り方を学んだ
まず1年目に先輩の下で実験や教え方を指導して頂いた後に次の年は自分が後輩に教えるということをしたので、どのように教えればいいのかといことを勉強できました。また、チームで実験を進めていくので、どのようにチーム内でコミュニケーションを取るかといういい訓練になりました。
<チューター OBOG の声>
1)企業研究員(元メインチューター)
実習が教えてくれることは、人生の生き方や楽しみ方全体と感じていますが、中でも、やはり理系の人間にとって、純粋な探求心や研究の面白さを再認識させてもらえることは、暗い研究のトンネルにはいりこんでしまった時にはとても助けになったなぁと実感します。一番大きい部分は、人間力を学べるというところにある。
2)企業研究員(元メインチューター)
社会人になった今、高校生実習の経験を振り返ってみてたくさん得たものがあることに改めて気づきました。その中でも大きな影響を受けているものが2つあります。
一つ目は立場の違いを体験できたこと。
二つ目は自分で考えて行動すること。
教えられること、教えること、教える人を育てること、後輩を見守ること、様々な立場にたって実習を見ることができ、様々な思いを感じ、立場が違えば同じことでも全く違う結論、意見を導くことを実感しました。
また、実習では高校生だけでなく、チューターも一緒に悩み、自分で考えて理論を立てていくという経験をたくさんさせてもらいました。
立場の違いを無視せず、人の意見をしっかり聞くことで周囲とよりよい人間関係を築き、人に従うだけでなく、自ら考えて行動することで、信頼される。
社会人として生きていく上で、最も大切なことをこの実習から学ばせてもらったと思います。
3)保健師(高校生としても参加)
高校生実習は、日本の宝であると同時に、実際に受講し、その後チューター、講師として関わらせていただいた私にとりましては、財産です。実習生のときには、ジャイアントインパクトを感じ、将来への希望に溢れました。チューター時代には、生徒さんたちの瞳の輝き、自由な発想に力を与えられ、講師をさせていただいたときには、教えることの難しさと楽しさ、そして終えた時の達成感と自信を得ることができました。
受講生、チューター、講師、それぞれに実りがあり、人生の糧となる実習は、私の今までと未来を支え続けてくれています。
4)企業研究員(元メインチューター)
実習を通して最も刺激を受けたのは、優秀な高校生が大勢いるということ。彼らの多くは頭も柔らかく、集中力も高く、何よりも学ぶことに非常に意欲的であった。漫然と過ごしがちな大学生活において強い刺激を受けたのは自分だけでないと思う。また、人に教えることの喜び、教え方やプレゼン力、メンバーをまとめプロジェクト(実習)を成功させるためのマネージメント力など、後輩の育成やマネジメントという点で若い時期にこれほどまとまって経験できたことは、現在会社においてプロジェクトリーダーをしていく中でかなり大きな素地になっていると常々感じている。
5)高校生として参加し、阪大・大学院入学後、メインチューターなど指導者として何度も活躍し現在企業研究員
私は今、理学研究科高分子化学専攻の修士2回生です。この実習に参加させて頂いて6年目になりました。私は、高校生で第二回高校生実習に参加し、大きな感動と衝撃を受けた一人です。研究の面白さを体験し、また、DNAが確かに存在して、機能していること、それが全ての生物の仕組みなのだということを実感し、生命の巧みさに感動しました。このとき「私がやりたいのはこれだ」と感じたのです。それまでもやもやとしていた目標が鮮明になり、勉強をはじめました。受験勉強は辛く、何度も投げ出したくなることがありました。その度に、実習での感動を思い出し、ここであきらめて夢を失う訳には行かないと自分を振るいたたせて頑張りました。この三日間の実習は、私に新しい夢とそれに立ち向かう力を与えてくれました。
憧れの大学生活が始まり、今度は高校生実習のチューターをさせて頂くことになりました。このチューターの経験から、私は数えきれない程たくさんのことを学びました。
まず、この実習の準備に携わってみて初めて大変な努力と綿密な計画があったことを知りました。毎回、次の実習ではもっと成功率が高くなるように、高校生がもっと感動するように予備実験を重ね、改善を加えました。そのなかで、自分自身で計画を組み立て、実験することを学びました。不思議だと思うことをみつけ、それを実験で確かめ、考える。純粋に研究の面白さを実感しました。
実習では、目を輝かせながら実験を行い、懸命に考え、答えをみつける高校生のひたむきな姿や、これからの進路に悩む真剣な姿に心を打たれました。私に、高校生の頃の熱意を思い出させてくれました。また私事ですが、4回生からの研究室配属になり、研究を本格的に進めるなかで、行き詰まり、「私は、研究にはむいていない」と投げ出したくなることが何度もありました。しかし、実習のお手伝いをしながら、楽しんで実験を行っていたことや、高校時代の感動の思い出に励まされ、頑張ることが出来ました。
また、実習準備で、倉光研の先輩方との縦のつながりができ、研究の最先端の動向や、勉強方法、研究室配属の選び方など様々なことを教えて頂くことが出来ました。ここでお世話になった倉光先生、吉本先生には、実習についてだけでなく、様々な面でご指導頂きました。
最後に、初めはチューターも少なく大変だった実習が、今も毎年進化しながら続いています。これからも多くの高校生(大学生にも)に感動を与え続ける場として、文部科学省にも認められたと伺いました。この素晴らしい実習をお手伝いさせて頂けたことは私の誇りです。充実した大学生活をありがとうございました。
6)保健師(高校生としても参加)
高校生実習において、TAは高校生に対し、実験の概要説明を経て仮説立案へと導き、実験後に、その結果について“なぜこんな結果になったのか”という問いかけを行ない、ネガティブな分析だけではなく、ポジティブな分析にも繋げて行けるよう指導する。
TAは、自らも先輩TAより指導され、高校生と同様の思考経験を経ている。しかし、生徒から指導者へと立場が変わることで、戸惑いを感じ、他人を理解させることの難しさに直面する。高校生実習で大切にしている思考過程を応用し、先輩TAの助言を受けつつ直面した難問を克服した各TAの達成経験や、その他TAの専門(得意)分野等が活かされ、指導方針に個性が生じる。
そのような過程を経て、様々な個性や所属のTAが集まり、“高校生実習を実施する”という1つの目標に対し、幾度となく実験・準備・議論し、より良い実習にするために試行錯誤するという経験は、TA自身が社会で生きていく力を身に付ける訓練とも言える場になっているように思う。
私は本実習へ高校生として参加後、TAとしては大学生と社会人という2つの立場で参加するという異色の経験をさせていただいた。高校生として参加した際は“大学生ってすごいな”と思った記憶と“実習が楽しかった”という記憶はあるが、その時点では自分がTAとして本実習に関わることは想定すらしていなかった。大学生となり、様々な縁のもと、TAとして本実習へ関われることになった。TA集団の中で、実習内容や指導方法等、様々なことを学んでいく上で、私が最も衝撃を受けたことは、先輩・後輩問わず楽しそうに実験や情報交換をし、生き生きとしていたことである。TAとして高校生に関わることの難しさ等から挫折しそうになったこともあったが、理不尽ではあるが“TA集団の中にいれば、何か良いことがありそうだ”という動機に後押しされたり、新人TAとしてペアを組んだ後輩TAが実習毎に成長する姿を目にすることに喜びを感じたりして、高校生実習の虜となり、社会人になってからも、数年にわたり休暇を利用してTAとして参加させていただくことができ、今でも心より感謝している。
長年にわたり、高校生実習に微力ながら携わらせていただいていたが、この数年間は、日程調整が難しい等の理由もあり、TAとして高校生実習に関わることが殆ど無くなった。本実習から離れると、おのずと実習全体やTA経験から得たものが、時間の経過とともに記憶の片隅に追いやられてしまっていたが、最近、それらを思い起こす機会があった。
私は大学卒業後、大学院へは進学せず、保健師という職業に就いた。社会人TAとして本実習に携わっていのは新任期の頃であったこともあり、TA経験が仕事に活かせるか否かについては、考える余地が無かった。そんな私も中堅期の社会人となり、日々の仕事を振り返る機会があった時に、ふとTA経験から学んだことを思い出した。私が従事している保健師の仕事内容の1つに、“地域で生活する、何らかの支援が必要な人”を対象として関わることがある。そのような対象に対する関わりとしては、現状を分析して必要な支援を導き出し、彼らが生きていく力を身に付けていけるよう関わっていく。彼らに必要な支援は、少しの助言で良いこともあれば、具体的に誘導してしかなければならないこともあり、多種多様である。しかし、彼らの多くは、自分達が置かれている状況について、様々な情報を活用して分析する思考過程の未経験者である。分析・思考能力の問題というよりは、キャリア教育のような分析・思考の経験があれば、自ら問題解決をし、現状を打開していけるようになる対象も多い。以上のことから、科学的キャリア教育の主旨からは少しずれているようにも思うが、高校生実習における思考過程は、実習とは無関係の人に対しても応用でき、そのような支援をする際には、TA経験で培った問いかけ方や指導方法等が応用できることを実感した。
7)大学附属病院中央検査部(高校生としても参加)
私はたまたま、高校生実習を受けられる高校に在籍し、さらに大阪大学に入学したことでチューターを経験することができ、本当に恵まれていました。
これからの高校生、大学生にこの機会がなくなるのは非常に残念に思います。
しかし、この足跡を残してもらえることで、未来の何かが変わることを期待しています。
私は高校生のとき、生徒としてこの実習に参加しました。たった3日間ですが、実験手技、考察、質疑応答と頭をフル回転させなんともハードな3日間だったことを覚えています。
大学生チューターは憧れの存在でした。私も阪大に入ったらこの実習のチューターをやろうとずっと心に決めていました。実際にチューターを経験し感じたことはたくさんありますが、高校生のときに感じた、答えに辿りつくまでの過程の楽しさ
を再認識できました。
現在、サイエンスとは少し離れて臨床検査技師として病院で勤務しています。単に出た結果を臨床に返却するのではなく、検査条件、結果を導くまでの過程をすべて考慮した上でどう結果が解釈できるかを意識しています。これはまさに高校生実習でチューターが教えてくれた、考える力です。疑問点をはっきりさせ、解決した上で自分はどう考えるか。意欲的に仕事に取り組むことができているのもこの実習のおかげです。
高校生、大学生ともに人生に大きなインパクトを与えてくれる本実習の存在は大変貴重だと思います。参加させていただいたことに大変感謝しています。
8)中高等学校 理科教諭(高校生としても参加)
高校生実習では、高校生の思考力の高さを知りました。こちらがどれだけ準備しても十分すぎることはなく、常に十分な準備と自分自身の能力の向上が必要でした。また高校生は、予想通りにならない実験結果を見て興奮し、そこから思考することが大好きだということもわかりました。
現在も仕事で中高生と実験や授業をしていますが、チューターのときに学んだことが生きています。綿密で周到な準備や自分がまず学ぶこと、予想外の結果のでる実験を考えることは、今も私の大切にしていることです。
<高校教員実習存続嘆願の声>
KO高等学校 Y先生
阪大実習存続に関しての要望
本校は県内で唯一の理数科設置校であり,かつ平成14年度指定以来,県内唯一のスーパーサイエンスハイスクール(以下SSH)指定校である。過去12年間のSSH事業による教育プログラム開発に伴って高大接続事業を推進・継続してきたが,本実習(本校では本実習を,高大接続によるハイレベルな実験実習「短期集中体験ゼミ」事業の一つ,「分子生物学体験ゼミ」として実施)を超える事業を未だに構築することができていないのが現状である。
本体験ゼミには,
(1)日常では使用することのない珍しい器具を用い,単に試料・試薬類を混ぜ合わせ,結果が出て,大学という場所で変わったことができたという「非日常的な体験」に終わるのではなく,普段の生活ではありえないほど生徒自身に考えさせること。
(2)学生チューターの意識が高く,高校生の素養を伸ばそうとする強い意志・決意が感じられるとともに,通常の大学実習ではありえないほど的確な指導・助言ができること。
(3)生徒自身が苦しみ抜いて考えた後に,結論を導き出すことができ,その成功体験をもとに自分もできるのだという自信を深めることができること。
(4)そのために,生徒の個々の知識・理解力や性格まで考えて,適した教材(遺伝子組換えプラスミド)をあてがうなど,細かい教育的配慮がなされていること。
(5)苦しみ・達成感を味わった後に,講師の講話やチューターの体験談を聞くことができ,普段に比べてずっとその話が生徒の心に響く(環境が整っている)こと。
等,他の多くの体験実習にはない素晴らしさがある。
本実習を成立させている要因のうち,最も大きいのは,意識の高いチューターが実習内容・実験操作を完全に理解した上で,生徒を根気強く丁寧に指導し,結論まで導く助言者・伴走者として生徒に寄り添い,「このような素晴らしい大学(院)生になりたい」というあこがれの念を抱かせるほどにまで成長していることにある。
過去8年間,多くの大学生チューターを見てきたが,学生側にも本実習の存在意義は非常に大きいと感じられる。実習の目的の一つでもある,「高校生の意欲や情熱にふれることで,大学生自身のやる気に火を付ける二段ロケット」として十分に機能していることは言うまでもない。加えて,理系学生(特に阪大に進学するような優等生)の多くが苦手とする,他者とのコミュニケーション能力,自分が持っている知識や理解していることがらを他者,特に専門知識の乏しい一般市民(の代表例としての高校生)に噛み砕いて説明することができる能力が,実習を通して磨かれていき将来研究者になったときに自身の研究の意義・内容などを発信していく際に必ずや役立つと思う。ABO式血液型による性格判断など,エセ科学が一定の支持を集める背景には,専門的な内容を分かりやすく語れる研究者が少ないこと,つまり研究者自身にも責任の一端があるのではないだろうか。
また,元高校教員の講師吉本先生が,「高校生にとって本当に効果的な実習はどうあるべきか」ということを真剣に考え,その実現のために大学生チューターを育て上げ,「実験」と「思考」をくり返して科学,特に理学の本質に迫る教育プログラムとして本実習を作り上げたことが何よりも大きい。どんなに高校と大学が丹念に打ち合わせをしたとしても,実際に高校生の状況を知り尽くしている高校教員が,大学の設備・人員を活用して行う本実習に勝るものを生み出すことは難しいのではと感じる。内容としては,10年以上も前に考案された実習のため,最近の教科書には「参考」として本実習の肝の部分が掲載されている等,工夫・改良していってほしい箇所もあるが,これも実習の存続があってこそである。
無論,通常の大学で行われているような体験実習には,「参加者に興味を持たせる」という意味で存在意義がある。本校では,地元の大学で微生物の培養,遺伝子・DNAの解析実験行い,形質とDNAの塩基配列を体験的に理解させる実習も実施している。様々な学部がその特性に合わせた色々な実習を行っていただければ,生徒が進路を選択する上で重要な判断材料になる。実学である工学・農学・医学・薬学に対し,純粋理学を体験できるプログラムとして「阪大実習」は非常に貴重な機会であり,これからも内容を充実させての継続を強く希望する。
N高等学校 O先生
これまで本校は大阪大学大学院理学研究科での実習に幾度となく参加させていただきました。大変お世話になり、ありがとうございます。
本校はサイエンスリサーチ科という学科を設置し、多くの大学、研究機関と連携させていただき、多くの実習を実施してまいりましたが、大阪大学の実習は他のいずれの実習とも異なる、唯一無二の実習であると思っています。その理由はこの実習が、人が生きるとはどういうことなのか、学ぶとは何か、ということを参加したすべての人が考えさせられる実習となっているからです。高校、大学問わず、いかに生徒・学生に生きた知識を身につけさせるのかが今問題となっています。この実習は学校でこれまで学んできたことを活かし、さらに活用させないと問題解決できないしくみが備わっています。この実習を経験した高校生はみな、学校での学びは単に受験のためだけではなく、その先につながる人生への準備であると認識し、日々の学習にたいする取り組みの姿勢が変わります。中には、この実習がきっかけで大阪大学を目標にし、合格した生徒もいます。さらに、自己有用感を感じつつ、「人間」らしく生きるとはどういうことなのかが分かります。
また、大学生にとっては、自分の勉強したこと、準備し努力してきたことで、目の前の高校が涙を流して感動し、感謝するという普段ではできないことを経験できる機会であります。自身の学びによって他人の人生観を変えるほどの大きなインパクトを与えるということを直接実感できる数少ないチャンスであります。同じ大学の他学部との交流は部活動やサークル、共同研究等の活動を通じて持つ機会はあるでしょうが、自身の学びを通じて、生きる喜びを感じられる、人の役に立ったという自己有用感を感じられるこのような取組こそが、今の大学生に必要ではないかと感じております。
今後もこのような貴重な実習が続くことは、高校生にとっても、高校教師にとっても大きな願いであります。と同時に、大学生がいろいろな意味で成長できる大きなきっかけともなると考えております。人間教育こそがこの国の財産を築いていく土台であり、その人間教育に力を入れてこられた大阪大学こそ、この実習を実施できる数少ない機関であると思います。今後もこのような意義のある実習が続けられることを切望いたします。
S高等学校 K先生
約10年前にこの実習について知り、吉本先生に参加をお願いしました。私の勤務校は100年間女子校だった私立高校で、ちょうど男女共学3年目のことでした。女子校時代は文系には強いが理系は単独クラスにならないほどの少人数の学年もあるほどでした。男女共学になり、理系コースは設けられましたが、文系との違いは理数科目の単位数が違うだけで、理系コースに進学して将来何になりたいか不明確な生徒も多かったように思います。そんな中、理数系の特色をもっと強くしていこうと考え、この実習に参加させていただいたのは、男女共学の2期生です。翌年から、毎年2年生の希望者を連れて阪大実習に行くようになりました。それから、みるみるうちに理系の特色を持った理系コースへと変化する中で、難易度の高い大学や実習で学んだ分子生物系に進む生徒が多くなりました。学校で行事の縮小を迫られた際も、阪大実習については、参加生徒の担任からの評価も高く、ぜひ連れて行ってほしいとこれまで継続してきました。参加した生徒が、3日間の実習を終えると眼の色が変わって勉強をします。参加後は毎年大阪大学を希望する生徒が出ます。(残念ながらまだ入学した生徒はいませんが・・・)初めて参加した生徒は、放射線技師になりたいと考えていました。物理を履修していなかったため、まず短大で学び、その後名古屋大学へ編入したと聞いています。これも、阪大実習での経験があったからです。消息がつかめない生徒の中にも多くが分子生物系に進学しました。実習で学んだことに関連のある学問を選ぶ生徒は多数おり、そのまま製薬関係や検査系に就職した卒業生もいます。(一方で、理系から文転した生徒もいますがこれも、キャリア教育の成果の一つだと思います)阪大実習に参加した生徒は本人だけでなく、教室に帰ってから他のクラスメイトに与える影響も大きいです。そのため、2年時に行かなかった生徒がどうしても3年時に行きたいということもありました。毎年、学校での勉強にいやいやだった生徒も、学ぶ(考える)ことの意味を見つけて帰ってきます。
言葉は足りませんが、このような素晴らしい実習をぜひとも今後も継続していただきたいと願っています。
O高等学校 N先生
本校は、先生方のご厚意で、12月の実習に数回参加させていただきました。
毎年4名程度でしたが、理系進学を何となく考えている高校2年生が多くの刺激を受けて学校に帰ってきました。
実習で生徒が得たものは、学問への深い探究心と強い関心です。学問への愛といっていいのかもしれません。
学ぶこと、考えることの大変さを知ることで、学ぶこと、考えることが大好きになっていました。
3日間の密度の濃いプログラムの中で、生徒達の姿勢が変わりました。
特に理科への深い関心をもつようになった生徒達は、授業でも(受け身でなく、とりあえず発言するのでもなく)考えながら取り組み、時には本質にせまるような質問をするようになりました。
学院祭では、自分のクラブ発表を抱えながら、阪大実習コーナーを企画し、自分たちの感動を、在校生や来場者に伝えようと努力していました。
進学先は、医学、理学、情報科学、動物行動学などさまざまですが、自ら学ぶことを知った生徒達は、高校時代に自分の将来にも真剣に向き合い、いまでも大学や研究所、会社などで活躍しています。
なお、参加者の1人はこの感動を今度は伝える側になりたいと志し、他大学に進学しながらも阪大実習チューターとして育てていただきました。
子ども達に、力強く自分の道を歩む力を身につけて下さった阪大実習には心から感謝しておりますし、これからも多くの子ども達に、一生が変わるようなきっかけとなる3日間を与えて下さいますよう、心から切に願っております。
O高等学校 A先生
大阪大学の先生方
阪大分子生物学実習継続のお願い。
この実習の最大の意義は、単なる体験・見学実習ではなく日本に例を見ない、生き方を変えてしまう力を持つ実習であるということです。
高校生は、3日間の実習に参加することで、まさにジャイアントインパクトを受け、思考することの大切さと楽しさを実感します。知識理解の大切さを知り勉強意欲が増し、生きる喜びを感じ取って帰っていきます。魂や人生観を揺すぶられ、前向きに高校生活を送る生徒が増していると感じます。
大学生にとっては、チューターを経験することで責任感が増し、みるみる社会人としての溌剌とした表情に変わっていきます。人間性が豊になり、年ごとの成長を感じます。
そして、高校生を指導するということで、生きる喜びを感じ社会に貢献する大学生に成長していると思います。また、自分の研究にも精力的に打ち込む学生になっているのを感じます。
引率教員にとっては、阪大に来るたびに教育に対する情熱が増し、勇気をもらって帰ることができます。
特に、参加する高校生や大学生にとって非常に有益な実習であるので、何とか存続できるようによろしくお願いします。
OI高等学校 M先生
請願
本校では、私が担当して8年間阪大の理学部倉光研究室と連携教育を行ってきた。特に12月の3日間かけて行われる「分子生物学実習」は、1日だけの講習や見学では得られないことが経験できる全国でも数少ない取り組みであり、生徒にとっても教員にとっても毎年の恒例の行事として楽しみとしていた。この実習は「大腸菌の遺伝子組み換え」をメインにした高校の生物の領域を越えた実験実習であるが、新課程になってからは、教科書でも取り上げられるようになってきた。これも長年の地道な成果の賜物であろう。
この実習は単にめずらしいことを体験するだけでなく、目玉というべきチューターと生徒の「思考のキャッチボール」が行われることが重要なのである。実験の最終日には他校の生徒も混じり、実験の総括・討論が行われる。生徒にとって他校の生徒と交えて質疑応答する経験は貴重である。しかし、それを指導するチューターにとっては、たいへんな労力だ。議論の仕方は勿論、実験の方法も熟知し、指導力や、生徒の理解力の差に気付き、生徒それぞれにあったヒントの出し方が出来る能力をかねそなえてなければならない。そのような優れたチューターの指導のもとで、実験・問題発見、仮説の設定、検証実験と議論を重ねる「科学の王道」体験をもつこと。それは生徒にとっては勿論だが、それを見守る教員にとっても非常に刺激的である。
しかし、このような取り組みも、一朝一夕で出来たのではない。招聘研究員吉本氏と、理学部倉光研究室が中心となって長年の試行錯誤によって行われてきたものである。今回、倉光先生の退官により、研究室がなくなると同時にこの実習も終わりになる。優れたチューターと触れ合い、大学というアカデミックな場を実際に体験し、将来の科学的発展を担う生徒をつくることに繋がっていくことになる、このような機会を奪わないで頂きたい。本来、このような実習は大学がやるべきものであって、ある理学部研究室の教授の個人の好意によって進められるべきではないと思われるからである。
真に考える能力をもった生徒を養成することこそ、今大学、高校を含め、すべての教育に求められているものではないだろうか。
OH高等学校 N先生
大阪大学理学部・理学研究科様
本校では阪大分子生物学実習と呼んで毎年参加してきた実習が、今年度で廃止されるとの話を聞きました。
毎年定員オーバーで選にもれて悔しがる生徒が出るほどの人気の行事です。
同じ事を施設や人材のない高校で実施することは困難です。
参加した生徒は確実に成長し、新たな見方や考え方を持って帰ってきます。
参加生徒の理学部を含む理系への進学意欲が高まります。
高大接続が強く叫ばれる昨今、理科・自然科学における高大接続の大きな取り組みである本活動を、ぜひ存続・発展させてください。
Last Modified 2025-01-24 ver.12 © y nishida et h nakajima 2025