比較神経生物学研究室

Laboratory of Comparative Neurobiology

教授
志賀 向子 (Sakiko SHIGA)
mail shigask@bio.sci.osaka-u.ac.jp
助教
霖耄瀕 (Yoshitaka HAMANAKA)
mail hamanaka@bio.sci.osaka-u.ac.jp
助教
長谷部政治 (Masaharu Hasebe)
mail h.masaharu@bio.sci.osaka-u.ac.jp
研究分野

神経生物学

所属

理学研究科

ロケーション

豊中地区

研究内容

 私たちは、自然選択の中で洗練されてきた動物の行動や生理を、神経系のしくみから解き明かすことを目的に研究しています。特に、脳や神経系が時間軸を持った情報を処理するしくみに興味をもっています。昆虫などの無脊椎動物が、生まれながらに備わる概日時計を使って、環境の光周期情報(明るい時間とくらい時間の組み合わせ)から季節を読むしくみや、概日時計が刻むユニークな行動のしくみについて研究しています。

光周性と休眠の神経機構

 私たちは、数年に一度野外から採集してきたクロバエやカメムシ類、また巻貝を実験室で飼育して、光周性や休眠調節の神経機構を調べています。ルリキンバエやチャバネアオカメムシは、数日間の長日により卵巣を発達させ、短日により卵巣発達を抑制した休眠に入ります(図1)。ヨーロッパモノアラガイは短日条件により産卵が抑制されます。  光周性や休眠調節の神経機構を探るためには、これらに関わる脳の領域を突き止めることが重要です。私たちはこれまでに、ルリキンバエの脳組織の局所的な除去により、休眠調節に重要な2種類の神経分泌細胞を突き止めました(図2)。  ルリキンバエの光周性に概日時計ニューロンが必要であることも明らかになりました。現在では、概日時計が光周性機構に関わるという考え方が、組織や遺伝子のレベルで支持されています。しかし、概日時計がどうやって光周期を読み取り、一定期間ののちに休眠と非休眠プログラムを切り替えるのかは全くわかっていません。私たちはこれまでに、概日時計ニューロンと脳側方部ニューロン(休眠誘導ニューロン)や脳間部ニューロン(生殖に必要なニューロン)が連絡することを明らかにしました(図3)。これらの知見をもとに昆虫や軟体動物を用いて、光周期情報が脳内でどのように統合されるのかを明らかにしたいと考えています。

二日周期の行動リズム

 オオクロコガネは、二日に一度だけ日暮れの時刻に地上へ出現し、採餌や交尾をするユニークな行動リズムを持ちます。私たちはこれまでに、環境に周期性の無い恒常条件でも、オオクロコガネがおよそ48時間周期で地上へ出現することを見出しました。脳には、24時間を刻む概日時計を使って48時間の行動リズムを作るしくみがあるのではないかと考え、二日リズムを形成する神経機構の研究も行っていく予定です。

図0 光周性機構

図1 ルリキンバエの休眠調節に重要な二種類のニューロン (Shiga et al. 2000)

図2 ルリキンバエのPDFニューロンと脳間部ニューロンの接続 (Hase et al. 2015)

参考文献

連絡先

〒560-0043
大阪府豊中市待兼山町1-1
大阪大学大学院 理学研究科生物科学専攻

TEL:06-6850-5423

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/shiga/

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