発生生物学研究室

Laboratory of Developmental Biology

教授
西田 宏記 (Hiroki NISHIDA)
mail hnishida @ bio.sci.osaka-u.ac.jp
准教授
今井(佐藤) 薫 (Kaoru IMAI (SATOU))
mail imai @ bio.sci.osaka-u.ac.jp
助教
小沼 健 (Takeshi ONUMA)
mail takeo @ bio.sci.osaka-u.ac.jp
研究分野

動物発生進化学

所属

理学研究科

ロケーション

豊中地区

研究内容

我々はすべて100ミクロンの受精卵から発生してきた。いったいどのようなしくみで、そんなことが可能になるのかを考えてみたことがあるだろうか。私たちの研究室では、顕微胚操作、遺伝子工学的手法、顕微鏡イメージングを駆使し、いかにして卵からからだができあがるかという問題に取り組んでいます。さらに詳しく知りたい方は、西田研究室のホームページにある研究内容にアクセスしてみてください。

マボヤ初期胚発生の解析

 発生過程では、ただ細胞の数が増えるだけではなく、多種多様な機能を持った細胞が作り出されてきます。例えば、表皮、筋肉、神経、血液細胞などがそれです。これらの細胞もすべて元をたどれば、受精卵からできてくるわけです。卵が分裂した後、特定の細胞が筋肉に、また別の細胞が神経になっていくのは、どのような仕組みによっているのでしょうか。すなわち細胞の発生運命決定のメカニズムを解明するのが、本研究室のテーマです。 実験材料としては、脊椎動物に進化する少し手前の動物であるホヤを用いています。ホヤの受精卵は35時間で右のようなオタマジャクシに発生します。すでにホヤの発生は詳細に記載されており、胚のどこから、オタマジャクシのどこがつくり出されるかを、正確に予測できるのです(図1)。  研究の独創的な点は、発生運命の決定機構に関して、ホヤという実験動物を取り上げ、それをまるごと一匹分、解明しようとするところにあります。ホヤのオタマジャクシ幼生は単純な構造を持ち、少数の細胞でできています。このことは、胚発生における発生運命の決定機構を組織ごとに、かつ全ての組織タイプについて明らかにできるという可能性を示しています。単純ではあるものの、脊椎動物の原型をなす動物を用い、そのほとんどの組織について細胞運命決定機構を解明することは、発生学の進歩において有意義な一里塚になると考えられます。

オタマボヤの発生遺伝学

オタマボヤの継代飼育が研究室内でできるようになり、オタマボヤを用いた研究への可能性は大きく広がりました。オタマボヤは突然変異体作製と解析に適した実験動物であると考えらます。これはオタマボヤが、継代飼育できること、一生が5日と短いこと、ゲノムがコンパクトで遺伝子間距離が短いこと、遺伝子重複がないことなどの利点を持つためです(図2)。この点でワカレオタマボヤは今後有望な実験動物になると私たちは考えています。遺伝子導入系統や突然変異体の作製・解析は、現象から原因遺伝子やメカニズムを突き止めることのできる強力な研究手法となるので、このような技術をオタマボヤで実現すべく研究を開始しています。

図0 (上)4細胞期(受精後3時間)。(中)マボヤの孵化直前のオタマジャクシ幼生(受精後35時間)。(下)細胞系譜。初期胚のどの細胞が、オタマジャクシのどこになっていくかを表している。

図1 オタマボヤの一生。受精後、5日で成体になり卵を産むようになる。

参考文献

Nishida, H. and Sawada, K. macho-1 encodes localized mRNA in ascidian eggs that specifies muscle fate during embryogenesis. Nature 409 , 724 - 729 (2001)

Nishida, H. 総説 Specification of embryonic axis and mosaic development in ascidians. Dev. Dynam. 233 , 1177 - 1193 (2005)

Nishida, H 総説 Development of the appendicularian Oikopleura dioica: culture, genome, and cell lineages. Dev. Growth Differ. 50 , S239 - S256 (2008)

西田宏記、沢田佳一郎 ホヤ胚発生過程における中胚葉パターニング 細胞工学 21巻1号 , 98 - 105 (2002)

連絡先

〒560-0043
大阪府豊中市待兼山町1-1
大阪大学大学院 理学研究科生物科学専攻

TEL:06-6850-5472 FAX:06-6850-5472

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/index.html

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