学際グループ(植物科学分野)

Laboratory of Interdisciplinary Biology

准教授
大岡 宏造 (Hirozo OH-OKA)
mail ohoka @ bio.sci.osaka-u.ac.jp
助教
浅田 哲弘 (Tetsuhiro ASADA)
mail tasada @ bio.sci.osaka-u.ac.jp
研究分野

学際

所属

理学研究科

ロケーション

豊中地区

研究内容

生物の3つの中心課題であるエネルギー変換、調節、形態形成について研究している。研究1(准教授・荒田敏昭)では、生物エネルギー変換蛋白質(イオンポンプ・分子モーター)と心筋拍動や骨格筋収縮の調節蛋白質の作動機構解明を目指しています。研究2(准教授・ 大岡宏造)では、植物や微生物の光合成による光エネルギー変換機構の解明に取り組んでいます。研究3(助教・浅田哲弘)では、植物成長現象へのパターン付与機構の解明を目指しています。

分子モーター・ポンプ・スイッチ・クロックの動的構造生理学

(准教授・ 荒田敏昭)

筋収縮のエネルギー変換の分子レベルにおける研究は1952年に始まりました(図1)。蛋白質は、細胞内では動的構造を利用して機能を発現するという考えを基にして、超分子複合体の動的構造の解明を目指しています。細胞の運動は、ATPの分解に共 役した蛋白質間の動的相互作用です。筋運動ではミオシンが、神経軸索輸送ではキネシンやダイニンが、ATPを分解しながらアクチン、チューブリンの上を滑ります。このように機能している巨大複合体における、分子間相互作用の動的構造の詳細すなわち分子の動き(回転/ゆらぎと空間距離など)を原子レベルで知るため、SDSL-電子スピン共 鳴(ESR)法 (https: //www.youtube.com/watch?v=ecOLsTbVlXY)1を科学振興機構事業と付属先端強磁場科学研究センタ―(http://www.ahmf.sci.osaka-u.ac.jp/)で共同開発するとともに、電子顕微鏡2dやX線小角散乱などの分子形態研究も併用して物理化学的に研究しています(図2)。また最近は細胞シグナル伝達蛋白(カルシウムスイッチ・トロポニン)の機能についても、その動的構造に注目してスイッチ機構の研究を始めました。その結果、アクチン・ミオシン2a、キネシン2c、マイコプラズマ新規モーター蛋白質2dならびに筋肉スイッチ・トロポニン3aとトロポミオシン3bの分子内および分子間の変位が明らかになりつつある。さらに光変換スイッチ・ロドプシン2eや筋肉カルシウムポンプ2e、常磁性イオン輸送ポンプ、トランスポーター等の膜蛋白質の分子運動や輸送過程の追跡をはじめ、バクテリアの時計蛋白質2bの蛋白質相互作用など、多様な機能蛋白質の動的構造解明を目指しています。この技術を用いて、生きたままの細胞の表面にある運動蛋白質や膜蛋白質分子の動きを原子レベルで捉えることができると期待しています。卒研では生命理学コース・生物科学コースにそれぞれ適した研究ができ、大学院では、多彩な分野の人材が集まり分野横断的研究ができます。

光合成反応の分子機構

(准教授・ 大岡宏造)

光合成は地球環境維持に欠かせない重要な生体反応システムであり、生物の生命活動は太陽からの無尽蔵ともいえる光エネルギーを変換することによって維持されています。この光エネルギー変換メカニズムを、分子のレベルで理解することを目的に研究しています。1:光合成反応中心のエネルギー変換機構 植物や光合成微生物による光エネルギー変換過程は、膜タンパク質である光化学反応中心複合体が担っています。生化学的・分光学的・分子生物学的手法を駆使し、光エネルギー変換の反応機構の解明を目指しています(図3)。2:光合成色素の合成経路 光捕集系は光エネルギーを高効率で捕捉するのに必要な装置です。その構築要素である光合成色素(クロロフィル)の合成経路に関する研究を行っています。特に、クロロフィルにメチル基を導入する酵素の構造と機能の解析、および直鎖アルコール基(フィトール鎖)の還元過程の解明を進めています。3:生物学的水素生産の分子基盤 ヒドロゲナーゼやニトロゲナーゼは、代替エネルギーとして利用価値の高い水素ガスを生産する酵素です。これら酵素が要求する絶対嫌気性に着目し、光合成微生物を利用した水素生産システムの分子基盤を構築することを目指しています(図4)。

植物成長現象へのパターン付与を支える機構

(助教・浅田哲弘)

根、茎、葉の付加、組織内における細胞の付加は、それぞれよく知られたパターンを描きながら起こります。私達は、植物がそのパターンを用いるようになった理由、経緯について考えながら、成長現象の各素過程でパターン形成に寄与する仕組みを明らかにしたいと考えます。現在、細胞骨格の構築や機能発現を支える仕組み、細胞分裂面選択の仕組み、葉序形成の仕組みについての研究を行なっています。

図0 生物分子エネルギー変換学(since 1952)

図1 モーター、スイッチ、ポンプ蛋白質の分子運動の研究

図2 反応機構の解析 光合成反応中心複合体の構造情報を基に部位特異的変異を導入し、閃光照射による過渡吸収変化や蛍光スペクトルの測定により反応を追跡する。

図3 人工光合成系の構築 多孔性ガラスビーズに埋め込まれた光合成反応中心の分光特性を調べている。

参考文献

1. 荒田 生命科学のための機器分析実験ハンドブック(羊土社) 第4章4.ESR pp.157-168 (2007); 荒田 分子細胞生物学辞典(第2版)(東京化学同人) 電子スピン共鳴など6項目 , (2008)

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3a.Ueki, S. et al. Biochemistry, 44, 411-416 (’05); Nakamura et al. J Mol Biol 348,127-137 (’05); Aihara et al. BBRC 340, 462-468 (’06); Aihara et al. J Biol Chem 285 10671-7 (’10); 3b.Ueda, K. et al. Biophys. J.100, 2432-9 (’11); Ueda, K. et al. Biophys J 103 , 2366 - 73 ('13)

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R. Miyamoto, H. Mino, T. Kondo, S. Itoh, and H. Oh-oka An electron spin-polarized signal of the P800+A1(Q)- state in the homodimeric reaction center core complex of Heliobacterium modesticaldum Biochemistry 47 , 4386 - 4393 (2008)

H. Oh-oka Type 1 reaction center of photosynthetic heliobacteria Photochem. Photobiol. 83 , 177 - 186 (2007)

Goto Y., Asada T Excessive expression of the plant kinesin TBK5 converts cortical and perinuclear microtubules into a radial array emanating from a single focus. Plant and Cell Physiology 48 , 753 - 761 (2007)

Asada T Division of shape-standardized tobacco cells reveals a limit to the occurrence of single-criterion-based selection of the plane of symmetric division. Plant Cell Physiol 54 , 827 - 837 (2013)

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http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/~tasada/Site05/(浅田哲弘)

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/gakusai/index.html

http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/gakusai/index.html