蛋白質構造形成研究室

Laboratory of Protein Folding

教授
後藤 祐児 (Yuji GOTO)
mail gtyj8126 @ protein.osaka-u.ac.jp
講師
李 映昊 (Lee, Young-Ho)
mail mr505 @ protein.osaka-u.ac.jp
研究分野

蛋白質機能学

所属

蛋白質研究所

ロケーション

吹田地区

研究内容

 蛋白質は、折りたたまれて特異的な立体構造を形成することによって機能を発揮します。蛋白質が折りたたまれる反応をフォールディング反応と呼びます。フォールディング反応を解明することは、蛋白質の構造や機能を理解するために必須です。また、蛋白質が正しくフォールディングせずアミロイド線維となることがアルツハイマー病やプリオン病などと関係しており、これらの疾病の対策にもフォールディング反応の理解は必要です。当研究室では、NMR、蛍光といった各種分光法、熱量測定や超遠心分析などの手段と、遺伝子工学の手法を駆使することで、蛋白質の構造とフォールディング反応、アミロイド線維の構造と形成機構を研究しています。

フォールディング過程の観察

 蛋白質のフォールディング反応を観察することで、蛋白質の構造予測に役立つ情報が得られると期待されます。βラクトグロブリンやシトクロムcなどの代表的な蛋白質のフォールディング反応を研究しています。中でも、βラクトグロブリンはβシートを多く含む構造を持ちながら、折り畳みの途中でαヘリックスを一時的に作る興味深い蛋白質です(図1)。これらの蛋白質のフォールディング反応をNMRや一分子測定法などの手法を用い集中的に調べています。

蛋白質の構造安定性と揺らぎの解析

 蛋白質は環境変化や基質結合に伴い構造の変化を起こします。蛋白質の機能発現のためにはこの構造変化や構造揺らぎが重要です。たとえば、βラクトグロブリンや、光合成系で電子移動を担うフェレドキシンNADP+還元酵素の基質結合には構造揺らぎの変化が伴うことが分かっています。私たちは、主にNMRを用い、蛋白質のどの部分が揺らぎやすいかを調べることで、安定性や機能との相関を理解することを目指しています。

アミロイド線維の構造と形成反応

 透析アミロイドーシスの原因となるβ2ミクログロブリンや、アルツハイマー病に関わるアミロイドβペプチドを用いて、アミロイド線維の構造特性やアミロイド線維形成反応を研究しています。アミロイド線維形成は、「核形成」と「伸長」の2段階からなり、物質の結晶形成に似ています。また、全反射蛍光顕微鏡という研究室独自の手法を用いて、線維の形成過程の観察も行っています(図2)。アミロイド線維を研究することにより、アミロイドーシスの予防や治療にも貢献することを目指しています。

図0 βラクトグロブリンのフォールディング反応

図1 アミロイドβペプチド線維の全反射蛍光顕微鏡画像

参考文献

Ozawa D, Kaji Y, Yagi H, Hasegawa K, Kawakami T, Naiki H and Goto Y. Destruction of amyloid fibrils of keratoepithelin peptides by laser irradiation coupled with amyloid-specific thiofravin T J. Biol. Chem. 286 , 10856 - 10863 (2011)

Ozawa D, Hasegawa K, Lee Y-H, Sakurai K, Yanagi K, Ookoshi T, Goto Y and Naiki H. Inhibition of β2-Microglobulin amyloid fibril formation by α2-Macroglobulin J. Biol. Chem. 286 , 9668 - 9676 (2011)

Konuma T, Kimura T, Matsumoto S, Goto Y, Fujisawa T, Fersht AR and Takahashi S. Time-Resolved Small-Angle X-ray Scattering Study of the Folding Dynamics of Barnase J. Mol. Biol. 405 , 1284 - 1294 (2011)

Konuma T, Chatani E, Yagi M, Sakurai K, Ikagemi T, Naiki H and Goto Y. Kinetic Intermediates of β2-Microglobulin Fibril Elongation Probed by Pulse-Labeling H/D Exchange Combined with NMR Analysis J. Mol. Biol. 405 , 851 - 862 (2011)

Yoshimura Y, Sakurai K, Lee Y-H, Ikegami T, Chatani E, Naiki H and Goto Y. Direct Observation of Minimum-Sized Amyloid Fibrils Using Solution NMR Spectroscopy Protein Sci. 12 , 2347 - 2355 (2010)

Chatani E, Ohnishi R, Konuma T, Sakurai K, Naiki H and Goto Y. Pre-steady-state kinetic analysis of the elongation of amyloid fibrils of β2-microglobulin with tryptophan mutagenesis J. Mol. Biol. 400 , 1057 - 1066 (2010)

連絡先

〒567-0871
大阪府吹田市山田丘 3-2
大阪大学大学院 蛋白質研究所

TEL:06-6879-8614 FAX:06-6879-8616

http://www.protein.osaka-u.ac.jp/physical/yoeki.html

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