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Structural Biology

研究内容

鉄硫黄クラスターの合成マシーナリー

 鉄硫黄(Fe-S)タンパク質は多様かつ生物界に普遍的に存在し、電子伝達反応、酵素反応やセンサ−として制御に関与している。これらのタンパク質の活性中心であるFe-Sクラスタ−には、主なものに[2Fe-2S]、[3Fe-4S]および[4Fe-4S]タイプがあり、どのタイプのクラスターが入るかはFe-Sタンパク質の構造に依ると考えられている。どのタイプにせよFe-Sクラスターは一連のタンパク質群が協調的に働いて合成され、アポ型タンパク質に組み込まれてホロ型タンパク質へと成熟化する。これまでの分子遺伝学的解析により、Fe-Sタンパク質を成熟化させる機能を持つタンパク質群としてISC、SUFおよびNIFマシ−ナリ−が同定されている。Fe-Sクラスターの硫黄の供給に機能しているIscSやSufSの分子機構については理解が進んでいるが、それ以外の構成タンパク質がFe-S合成のどの素反応にどのように関わっているかは理解が乏しい。本研究ではFe-Sタンパク質の成熟化の詳細な過程と機構を明らかにするため、これらのマシ−ナリ−、とりわけISCおよびSUFマシ−ナリ−に焦点をあてて、各々の構成タンパク質の構造と機能を解析している。

大腸菌の鉄硫黄クラスター合成マシーナリー

SUF マシ−ナリ−を構成するSufCタンパク質の構造解析

SufCホモログはATPase活性を持ち、Walker AとWalker Bモチーフを持つ。また興味深いことに、ABCトランスポーターのヌクレオチド結合ドメインと一次構造上相同性があることが知られている。本研究では大腸菌由来のSufCの結晶構造を2.5Å分解能で決定した。
SufCの全体構造はABC-ATPaseのそれと類似していたが、ATP加水分解に関与する保存去れたアミノ酸残基(Glu171)の側鎖がヌクレオチド結合ポケットの反対側に向き、Lys152と塩橋を形成しているという特徴があった。この塩橋のためGlu171に続くD-loopが分子表面にフリップアウトし、活性のある二量体の形成を阻害していた。この塩橋がATPase活性を調節し、また、分子表面にあるQ-loopの部位で、SufCのパートナータンパク質であるSufBやSufDと複合体を形成していると考えられた。
大腸菌由来SufCの結晶構造

SufA の構造・機能解析

SufAは、ISCマシナリー(Fe-Sクラスター合成の別経路)の成分のひとつ IscA のパラログ(相同性47%)である。SufA/IscAはA-typeタンパク質と呼ばれ、共通して鉄イオンを結合する、不安定なFe-Sクラスターを結合しうるという性質を示す。
 大腸菌 SufA二量体の結晶構造を 2.7 Å分解能で決定した。SufA は、2 本の α へリックスと 8 本の βストランドから構成されるシングルドメイン構造で、主に疎水結合によりダイマーを形成していた。興味深いことにSufAはダイマーを形成することによって、各サブユニットの C 末端側にある2残基ずつのシステインが近接した配置をとり、Fe-S クラスター中間体あるいは Fe 原子を配位するという分子基盤が得られた。
大腸菌由来SufAの結晶構造
近接したシステイン残基による鉄硫黄クラスター・鉄原子の配位モデル

鉄硫黄タンパク質の成熟化中間体の構造解析

Fe-Sタンパク質が、どのように成熟化するかを見るため、B. thermoproteolyticus由来の4鉄フェレドキシン(Fd)を選び、iscオペロンと共発現させた。この結果、4鉄Fdに加え、少量の変種Fe-Sタンパク質を三種(V1〜3)単離した。これらは4鉄Fdとは色調が異なり、吸収スペクトルが350〜600 nmの領域で一致することから、互いに同じタイプのクラスターを持つといえる。N末端分析やマススペクトルなどから、V1はacyl carrier protein(ACP)との複合体、V2はCoAとの複合体、V3はFdの二量体であることがわかった。これらのうちCoAとの複合体(V2)の結晶構造から、V2は3Fe-4S]クラスターを持ち、[4Fe-4S]型で鉄に結合していた4つのCysのうち一つがCoAと結合していた(図)。ACPやCoAのFe-Sクラスター形成への関与が示唆された。
BtFd-ACP複合体の結晶構造

Copyright(c) 2007 Fukuyama Laboratory
     Last Updated at 2007/05/15