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相同組換えによる染色体異常の抑制メカニズムを解明

Rad51 and Rad54 promote noncrossover recombination between centromere repeats on the same chromatid to prevent isochromosome formation

Onaka AT, Toyofuku N, Inoue T, Okita AK, Sagawa M, Su J, Shitanda T, Matsuyama R, Zafar F, Takahashi TS, Masukata H, Nakagawa T.

Nucleic Acids Res (2016) doi:10.1093/nar/gkw874

要約
不思議なことに真核生物のゲノムには数多くのリピート配列が存在します。こうしたリピート配列を「のりしろ」にして染色体異常が起こります。しかし、異常染色体が生じると細胞死や遺伝病など深刻な問題が生じます。相同組換え因子であるヒトBRCA2に変異があると、高頻度に染色体異常を起こし乳がんになるリスクが高くなります。これまでに我々も、相同鎖交換反応を触媒するRad51に変異があるとセントロメア・リピートを介した染色体異常が高頻度に起こることを見つけました。こういったことから、相同組換えは染色体の安定維持に重要であると考えられます。しかし、相同組換えがどの様にしてリピート配列、つまり、相同配列を介した染色体異常を防ぐのかは謎でした。ただ、相同組換えには局所的な変化しか起きない「非交叉型組換え」とDNA鎖の乗り換えを起こす「交叉型組換え」があります。本論文では、Rad51がモーター蛋白質Rad54と共にセントロメア・リピート間での「非交叉型組換え」を促進することを明らかにしました。また、そうすることでDNA切断酵素Mus81によって起こる「交叉型組換え」を介した染色体異常を抑制することが分かりました。今回の研究により、Rad51, Rad54による染色体異常の抑制メカニズムが明らかになりました。また、今後Mus81の阻害剤を発見することで乳がんの治療薬を開発する道筋を開いたと考えられます。

論文へのリンク
http://nar.oxfordjournals.org/content/early/2016/09/29/nar.gkw874.full

升方研究室ホームページ
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/masukata/