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複製開始反応におけるMcm10の必須の新機能を解明した

Mcm10 plays an essential role in origin DNA unwinding after loading of the CMG components.

Kanke,M., Kodama,Y., Takahashi,TS., Nakagawa,T., Masukata,H.
EMBO J. (2012), advanced online publication, 20 March 2012
doi:10.1038/emboj.2012.68

要約
DNAを複製するためには、DNAをほどくDNAヘリカーゼの活性が重要である。真核生物のDNAヘリカーゼであるMCM複合体は、G1期に開始点に結合してpre-RCを形成し、S期になりGINS、Cdc45などの因子が結合してヘリカーゼとして活性化する。複製フォークではGINS、Cdc45、MCM複合体から構成されるCMG (Cdc45-MCM-GINS)複合体が複製ヘリカーゼとして働くと考えられている。MCM複合体はpre-RCでは二重鎖DNAにdouble hexamerとして結合しているが、複製フォークでは一本鎖DNAにsingle hexamerとして結合していると考えられている。しかし、どのようにしてその変化が起こるのかはよく分かっていない。Mcm10はMCM複合体と強い物理的・遺伝学的相互作用を持つことから、Mcm10の機能を解明することによりMCMヘリカーゼ活性化メカニズムを理解できるのではないかと考えた。我々は転写抑制と条件誘導蛋白質分解系を用いてMcm10を分裂酵母細胞から除去し、複製開始反応がどこまで進むか解析した。その結果、Mcm10がなくても複製開始点上にCMG構成因子が結合したが、開裂した一本鎖DNAに結合するRPAやDNAポリメラーゼα、艪フ結合が大幅に減少した。興味深いことに、Mcm10の保存されたzinc fingerモチーフに変異を導入した変異Mcm10は、複製開始点に結合するがRPAの結合を誘起しなかった。またこの変異はMcm10同士の相互作用と一本鎖DNA結合活性を低下させた。我々は、Mcm10が多量体としてCMG複合体に結合してMCMの構造をdouble hexamerからsingle hexamerへと変化させ、さらに一本鎖DNA結合活性によってDNA 二重鎖開裂を安定化することにより、DNA複製開始に必須の役割を果たすのではないかと考えている。

論文へのリンク
http://www.nature.com/emboj/journal/vaop/ncurrent/full/emboj201268a.html

升方研究室ホームページ
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/masukata/