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複製前複合体pre-RCの多数形成はDNA組換え修復を促進する

Abundance of prereplicative complexes (Pre-RCs) facilitates recombinational repair under replication stress in fission yeast

Maki K, Inoue T, Onaka A, Hashizume H, Somete N, Kobayashi Y, Murakami S, Shigaki C, Takahashi TS, Masukata H, Nakagawa T.
J Biol Chem (2011) 286(48), 41701-41710.

要約
DNA複製ヘリカーゼであるMcm2-7は複製の開始前に染色体に結合してpre-RC複合体を形成する。酵母からヒトに至るまで真核生物では染色体あたり数多くの部位でpre-RCが形成され、ゲノム全体では数百〜数千にも達すると考えられている。実はpre-RCを多数形成することはS期の間に速やかに染色体を倍加するだけでなくゲノム維持や分化・発生にも関与することが知られている。このようにpre-RCはDNA複製に限らず様々な生命現象に影響するが、そのメカニズムについては解明されていない。我々はpre-RCが減少する分裂酵母mcm6-S1変異株を単離し、DNAダメージ応答について詳細に解析した。その結果、mcm6-S1変異株ではチェックポイントの活性化や組換え修復の開始は正常に起こるが、組換え後期過程に働くRhp54/Rad54が核に蓄積することが分かった。重要なことに、このRhp54の蓄積は人為的にpre-RC の数を増加させることで解消された。我々はこれらの結果をもとに、pre-RCの多数形成が多数の複製開始を保障することでSynthesis-dependent strand annealing (SDSA)タイプの組換え反応を促進するモデルを提唱した。

論文へのリンク
http://www.jbc.org/content/286/48/41701.long

升方研究室ホームページ
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/masukata/




図 DNAダメージにより誘導されるRhp54フォーカスの蓄積。分裂酵母の細胞内で発現したRhp54-GFP融合タンパクを蛍光顕微鏡により観察した(上図)。DNAアルキル化剤MMS処理前(-MMS)、MMS処理後(+MMS)、そして、培地からMMSを除去した後に時間経過を追ってRhp54-GFPフォーカスを持つ細胞の割合を調べた(下図)。