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光受容色素を合成する酵素PcyAが担う部位特異的還元の分子機構を明らかにした

Structural Insights into Vinyl Reduction Regiospecificity of Phycocyanobilin:Ferredoxin Oxidoreductase (PcyA)

Hagiwara Y., Sugishima M., Khawn H., Kinoshita H., Inomata K., Shang L., Lagarias J.C., Takahashi Y., Fukuyama K

J. Biol. Chem. (2010) 285, 1000-1007


要約
植物やラン藻などの光合成生物は、光センサーあるいは光合成にビリンという色素を利用している。ヘムの分解産物であるビリベルジンIXα(BV)は、フェレドキシン依存性ビリン還元酵素ファミリーによって様々な部位に還元を受け、多様なビリン色素へと導かれる。PcyAはこの酵素ファミリーの中で最もよく調べられた酵素で、BVの2箇所(D環ビニル基とA環)をこの順序で連続的に還元する特徴を持ち、結果的にフィコシアノビリンを合成する(上図)。本論文では、反応中間体色素(18EtBV)やBVアナログとPcyAとの複合体に加え、PcyAの変異タンパク質とBVとの複合体を調製し、これらの立体構造と反応特異性を明らかにした。これらの解析から、PcyA-BV複合体中でのみGlu76のカルボキシル基がD環ビニル基に近接している特徴が浮かびあがり(下図)、ここに働いている特異的な相互作用(OH-π結合)が、D環ビニル基が先行して還元を受ける要因であることを提唱した。なお、本論文はPaper of the Weekに選ばれた。


論文へのリンク
http://www.jbc.org/content/285/2/1000

福山研究室ホームページ
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/fukuyama/