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マルチオミクススクリーニングにより新しいシグナル制御経路を解明

Degradation of ppGpp by Nudix Pyrophosphatase Modulates the Transition of Growth Phase in the Bacterium Thermus thermophilus.

Ooga, T., Ohashi, Y., Kuramitsu, S., Koyama, Y., Tomita, M., Soga, T., and Masui, R.
J. Biol. Chem. (2009) 284(23), 15549-15556

要約
ゲノム解析により同定されたタンパク質のうち,1/3 近くのものについては細胞内での詳細な役割が未だ解明されていない。高度好熱菌 Thermus thermophilus HB8 の Ndx8 というタンパク質も,加水分解酵素だとは予想されていたが、その基質分子と生物学的機能は同定されていなかった。今回,Ndx8 の遺伝子破壊株についての DNA マイクロアレイの解析結果から,低栄養条件下で細胞増殖を抑制する遺伝子発現の制御が起こることが示唆され,実際に ndx8 破壊株は低栄養条件下で増殖の停滞を示した。また,細胞内の小分子を網羅的に解析するメタボロミクスを用いて基質スクリーニングを行ったところ,破壊株の細胞中に ppGpp という転写制御シグナル分子が蓄積することを発見した。さらに in vitro での活性測定実験や多重遺伝子破壊実験による検証を行った結果,Ndx8 が ppGpp の加水分解活性を持ち,細胞内で栄養環境を感じ取るセンサーの一部として働いていることを明らかにした。


論文へのリンク
http://www.jbc.org/cgi/content/abstract/284/23/15549

倉光研究室ホームページ
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/kuramitu/